全国の消防職員で作る自主組織「全国消防職員協議会」(全消協)は22日、新型コロナウイルスの感染が拡大した2022年に、救急搬送が困難だったと考えられるケースが加盟職場の約8割で起きていたとの実態調査結果を発表した。
新型コロナの複数回感染、「ただの風邪」か「リスク増」なのか 全消協は全国723消防本部のうち地方を中心に186の職場が単位協議会として加盟し、会員は約1万2000人。調査は4月19日~5月8日に実施し、162の職場が回答した。 調査結果によると、69%の職場で、22年の救急出動件数が過去最多を記録した。「搬送先の医療機関が見つからず現場滞在時間が30分以上」になったケースがあったと答えた職場は82%、「医療機関への受け入れ照会回数が4回以上」に及んだケースがあったと答えた職場は78%に上った。消防庁は両方があった場合を「救急搬送困難事案」と定義している。

また、通常使用している救急車が全て出払ったり、遠方から救急車を回さざるを得ず現場到着が遅れたりした事案も、それぞれ回答した職場の約8割で起きていた。 一方で、92%の職場は、消防本部が救急隊の増員や救急車両購入などの対応を「検討していない」と回答した。記者会見した全消協の川北研人事務局次長は「地方では医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さから医療逼迫(ひっぱく)が発生した。未知のウイルスによる感染拡大に対応するため今後も救急体制の構築が必要だ」として人員や予算増などを訴えた。【藤沢美由紀】
全消協は全国723消防本部のうち地方を中心に186の職場が単位協議会として加盟し、会員は約1万2000人。調査は4月19日~5月8日に実施し、162の職場が回答した。
調査結果によると、69%の職場で、22年の救急出動件数が過去最多を記録した。「搬送先の医療機関が見つからず現場滞在時間が30分以上」になったケースがあったと答えた職場は82%、「医療機関への受け入れ照会回数が4回以上」に及んだケースがあったと答えた職場は78%に上った。消防庁は両方があった場合を「救急搬送困難事案」と定義している。
また、通常使用している救急車が全て出払ったり、遠方から救急車を回さざるを得ず現場到着が遅れたりした事案も、それぞれ回答した職場の約8割で起きていた。
一方で、92%の職場は、消防本部が救急隊の増員や救急車両購入などの対応を「検討していない」と回答した。記者会見した全消協の川北研人事務局次長は「地方では医療体制の脆弱(ぜいじゃく)さから医療逼迫(ひっぱく)が発生した。未知のウイルスによる感染拡大に対応するため今後も救急体制の構築が必要だ」として人員や予算増などを訴えた。【藤沢美由紀】