21日に投開票が行われた東京・足立区議選に立憲民主党公認で初当選した和田愛子氏(38)が、選挙前に書類送検されていたことが発覚して物議を醸している。立民東京都連は公職の辞任勧告と除籍を決めたが、すんなり騒動が落ち着くかは分からない。
一部報道によると、和田氏は昨年5月にフランスブランドの偽物バッグ1点を通販サイトで仕入れ、フリマアプリで販売。約2000円の利益を得ていた。この件で警視庁に今年3月、商標法違反の疑いで書類送検され、選挙告示前に略式命令を受けて罰金20万円を納付したという。「模造品とは知らなかった」と話していると伝えられるが、公式ツイッターは非公開となり、今のところ有権者に対して正式な説明はない状況だ。
和田氏の件で思い出されるのは木下富美子・元東京都議だろう。2021年の都議選中に無免許運転で事故を起こしていたことが、当選後に発覚。所属していた都民ファーストの会を除名となったものの、すぐに議員辞職はしなかった。
都政関係者は「当時、都民ファ関係者が木下氏に連絡をして辞職の説得をしていましたが、音信不通になってしまったといいます。最終的に都民ファの特別顧問である小池百合子都知事が説得し辞職となりました」と振り返った。
和田氏は離党届を出したというが、議員辞職の意向は不明。前出の都政関係者は「当選した直後だけに『このまま居座ることもできる』と頭にチラついたことは想像できます」。
SNSでは和田氏に辞職を求める厳しい意見が飛び交い、立民の松原仁衆院議員もツイッターで「離党して終わりではなく本人から有権者の皆さんに直接説明を行うべきです」と苦言を呈した。
一方で、永田町関係者は「木下氏のケースと違うのは和田氏の場合、選挙前に罰金を払ったことで一定のけじめをつけていることです。書類送検を隠していたことは問題ですが、選挙公報に『書類送検されました』と書かないといけないわけではない」と指摘した。
小池氏が木下氏を説得したように泉健太代表が辞職を説得することも考えられる。また、蓮舫参院議員は和田氏の公式サイトに応援メッセージを寄せるなど支援していた。お世話になった人からの説得は効果がありそうだ。
「立憲はリスク管理で除籍にしたのでしょうが、党の外に追い出してしまうと、指示系統から外れてしまい、上司部下の関係ではなくなるので言うことを聞かなくてもいいことになってしまう面もあります」(同)。木下氏の時は大騒動となったが、今回はどうか。