震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市の上空を読売ヘリで飛んだ。
海沿いでは、高さ28メートルの奇岩「見附島」の壁面が約10メートルにわたって崩れ、海面に落下している様子が確認できた。見附島は「能登のシンボル」とも称される。カメラを手に持った観光客とみられる数人が遠巻きに見つめていた。
見附島の北東にある市街地では、大型の建物の屋根が崩落し、その一部が周辺の道路にまで散らばっていた。1階部分が押し潰されている家屋も数軒あり、近くでぼう然としている住人の姿も。このほか、多数の家屋で瓦がはがれ、住人が屋根に上ってブルーシートをかけていた。市内のあちこちで、赤色灯を点灯させながら走る消防車や救急車が見られた。
市内の神社では鳥居が崩れ、大きな石が周囲に散乱。現場にはクレーンを荷台に載せたトラックが到着し、石を一つずつ除去していた。
市街地から少し北の山林では、50メートル程度にわたって崖崩れが発生し、茶色い山肌がむき出しに。乗用車並みの大きな岩がふもとの民家の敷地になだれ込んでおり、地震の威力をまざまざと見せつけられた。(社会部 塚本康平)