暮らし方や価値観の変化に、コロナ禍での生活様式の多様化、「地方創生プロジェクト」政策などの相乗効果により、昨今では都市部からの地方移住がムーブメントとなっている。
前編『地方移住した街で「変質者扱いされてしまった」40代ウェブデザイナーが離婚を機に迎えたヤバすぎる悲劇』では、6年前に離婚をきっかけに単身で地方移住を果たしたWEBデザイナーの渡部明さん(仮名・46歳)が見舞われた不幸を紹介。移住後に町内で変質者が出没した際、近所との関係性が希薄であるが故に犯人だと疑われ、警察が自宅へやってきたのだ。
(iStock:写真はイメージです)
「僕が単身男性というのも原因なんでしょう。普通なら家庭をかまえてる年齢の男が都会から地方に移住して来てひとりで暮らしてる…とか、確かに怪しさしかないですよね。家族のこととか、しつこく聞かれたのでバツイチだってことも言いましたけど『何で離婚したの?』とか、『それ、答える必要あります?』って質問もたくさんされました。
『ここに移住して来た理由は?』と聞かれたので『何となく』って正直に答えたら怪訝そうな顔をされました。『また何かあったら来ますので』と帰って行きましたけど、こっちとしては『またって何だよ!』って感じですよ」憤慨する明さんの気持ちなどおかまいなしに、その後も不審者の目撃情報が出たり、何か事件が起こる度、警察官は明さんの家にやって来た。「ひとり暮らしなのでアリバイを証明する人がまずいませんし、仕事のことを聞かれて『WEBデザイナー』だと言っても『パソコンで何かやってる人』くらいの認識。その『パソコンで何かやってる』こと自体が胡散臭いみたいですね。このままじゃ、いつか任意同行を求められるんじゃないかってマジで心配になりました」不審者扱いなど不本意極まりない…明さんは少しでも「誤解」を解こうと「イメージアップ作戦」に出る。 「家に引きこもってるイメージが良くないのかなと思ったので、朝とか夕方とか、人通りがある時間帯はあえて庭に出て、通りがかった住人ににこやかに挨拶をしたり『行ってらっしゃい』『お疲れさまです』とか愛想よく声をかけたりしたんですよ。でもみんな顔をそむけるようにするんです。いつだったか、通りがかった中学生の女の子二人組と目があったので、庭に咲いた花を分けてあげようと手招きをしただけなのに、『家の中に連れ込まれそうになった』と騒がれたみたいで警察が来ました。令状なしの家宅捜索を…町に一軒しかないコインランドリーに行った時『下着泥棒が発生しています』という貼り紙があったんで『へんな疑いをかけられたらたまらない』と思って、コインランドリーには寄りつかないようにしていたのに、時、すでに遅し。3カ月後に案の定警察が来て、家の中を調べられました。令状もなしに家宅捜索されたことは、この時を含めて、5回ありましたね。元妻が引き取った小学生の娘が、夏休みを利用して泊まりに来たので、庭でプール遊びをしたり、公園に連れて行ったりしてたら、パトカーが何台もやって来ました。近所の人が通報したようです。僕が事情を説明してる間、警察は娘に『この人は本当にパパなの?』とか『ママはどこにいるの?』とか、聞くんですよ。もともと内気で人見知りな娘が、おまわりさんに尋問みたいなことされたらビビるに決まってるじゃないですか?それなのに『このコ怯えてないですか?』とかって僕のことを睨むんです。結局、その場で妻に電話をして説明してもらいましたけど、娘にも不信感を与えてしまったようで、予定よりも早く帰って行きました。それから娘はこっちに来たいとは言わなくなりました。 後で知ったんですが、こっちの警察から元妻に連絡があり、僕の趣味とか性癖(!)なんかを根掘り葉掘り聞いたらしいです。それで『面倒くさいから、もうパパのところには行っちゃダメ』と元妻に言われたようです」寂しさと憂鬱を紛らわすためにペットでも飼おうと考えた明さん。地元で保護犬や保護猫の里親探しをしているボランティア団体を訪ねるのだが、担当者はろくに話も聞かず『お引き取りください』と門前払い。「なんかもう理不尽なことだらけで心が折れまくりです」しばらくして、娘さんからのラインで元妻に再婚話が持ち上がったことを知った明さんは、これを機に東京に戻ることを決意。「新しい父親と娘の関係も心配だったし、こっちの白い目にも疲れたし、毎日必ず僕の家の周りをパトカーがパトロールしてるのも不愉快だったしで、色々限界でした」 明さんは自宅を町の空き家バンクに登録。移住者のための賃貸住宅として活用してもらうことにしたという。総務省の最新の調査では、地方移住者の4分の1は単身世帯というデータが出ている。当然その中には明さんのように単身男性もいるだろうが、明さんのような扱いをされないことを願いたい。
『ここに移住して来た理由は?』と聞かれたので『何となく』って正直に答えたら怪訝そうな顔をされました。『また何かあったら来ますので』と帰って行きましたけど、こっちとしては『またって何だよ!』って感じですよ」
憤慨する明さんの気持ちなどおかまいなしに、その後も不審者の目撃情報が出たり、何か事件が起こる度、警察官は明さんの家にやって来た。
「ひとり暮らしなのでアリバイを証明する人がまずいませんし、仕事のことを聞かれて『WEBデザイナー』だと言っても『パソコンで何かやってる人』くらいの認識。その『パソコンで何かやってる』こと自体が胡散臭いみたいですね。このままじゃ、いつか任意同行を求められるんじゃないかってマジで心配になりました」
不審者扱いなど不本意極まりない…明さんは少しでも「誤解」を解こうと「イメージアップ作戦」に出る。
「家に引きこもってるイメージが良くないのかなと思ったので、朝とか夕方とか、人通りがある時間帯はあえて庭に出て、通りがかった住人ににこやかに挨拶をしたり『行ってらっしゃい』『お疲れさまです』とか愛想よく声をかけたりしたんですよ。でもみんな顔をそむけるようにするんです。いつだったか、通りがかった中学生の女の子二人組と目があったので、庭に咲いた花を分けてあげようと手招きをしただけなのに、『家の中に連れ込まれそうになった』と騒がれたみたいで警察が来ました。令状なしの家宅捜索を…町に一軒しかないコインランドリーに行った時『下着泥棒が発生しています』という貼り紙があったんで『へんな疑いをかけられたらたまらない』と思って、コインランドリーには寄りつかないようにしていたのに、時、すでに遅し。3カ月後に案の定警察が来て、家の中を調べられました。令状もなしに家宅捜索されたことは、この時を含めて、5回ありましたね。元妻が引き取った小学生の娘が、夏休みを利用して泊まりに来たので、庭でプール遊びをしたり、公園に連れて行ったりしてたら、パトカーが何台もやって来ました。近所の人が通報したようです。僕が事情を説明してる間、警察は娘に『この人は本当にパパなの?』とか『ママはどこにいるの?』とか、聞くんですよ。もともと内気で人見知りな娘が、おまわりさんに尋問みたいなことされたらビビるに決まってるじゃないですか?それなのに『このコ怯えてないですか?』とかって僕のことを睨むんです。結局、その場で妻に電話をして説明してもらいましたけど、娘にも不信感を与えてしまったようで、予定よりも早く帰って行きました。それから娘はこっちに来たいとは言わなくなりました。 後で知ったんですが、こっちの警察から元妻に連絡があり、僕の趣味とか性癖(!)なんかを根掘り葉掘り聞いたらしいです。それで『面倒くさいから、もうパパのところには行っちゃダメ』と元妻に言われたようです」寂しさと憂鬱を紛らわすためにペットでも飼おうと考えた明さん。地元で保護犬や保護猫の里親探しをしているボランティア団体を訪ねるのだが、担当者はろくに話も聞かず『お引き取りください』と門前払い。「なんかもう理不尽なことだらけで心が折れまくりです」しばらくして、娘さんからのラインで元妻に再婚話が持ち上がったことを知った明さんは、これを機に東京に戻ることを決意。「新しい父親と娘の関係も心配だったし、こっちの白い目にも疲れたし、毎日必ず僕の家の周りをパトカーがパトロールしてるのも不愉快だったしで、色々限界でした」 明さんは自宅を町の空き家バンクに登録。移住者のための賃貸住宅として活用してもらうことにしたという。総務省の最新の調査では、地方移住者の4分の1は単身世帯というデータが出ている。当然その中には明さんのように単身男性もいるだろうが、明さんのような扱いをされないことを願いたい。
「家に引きこもってるイメージが良くないのかなと思ったので、朝とか夕方とか、人通りがある時間帯はあえて庭に出て、通りがかった住人ににこやかに挨拶をしたり『行ってらっしゃい』『お疲れさまです』とか愛想よく声をかけたりしたんですよ。でもみんな顔をそむけるようにするんです。
いつだったか、通りがかった中学生の女の子二人組と目があったので、庭に咲いた花を分けてあげようと手招きをしただけなのに、『家の中に連れ込まれそうになった』と騒がれたみたいで警察が来ました。
町に一軒しかないコインランドリーに行った時『下着泥棒が発生しています』という貼り紙があったんで『へんな疑いをかけられたらたまらない』と思って、コインランドリーには寄りつかないようにしていたのに、時、すでに遅し。3カ月後に案の定警察が来て、家の中を調べられました。令状もなしに家宅捜索されたことは、この時を含めて、5回ありましたね。
元妻が引き取った小学生の娘が、夏休みを利用して泊まりに来たので、庭でプール遊びをしたり、公園に連れて行ったりしてたら、パトカーが何台もやって来ました。近所の人が通報したようです。僕が事情を説明してる間、警察は娘に『この人は本当にパパなの?』とか『ママはどこにいるの?』とか、聞くんですよ。もともと内気で人見知りな娘が、おまわりさんに尋問みたいなことされたらビビるに決まってるじゃないですか?
それなのに『このコ怯えてないですか?』とかって僕のことを睨むんです。結局、その場で妻に電話をして説明してもらいましたけど、娘にも不信感を与えてしまったようで、予定よりも早く帰って行きました。それから娘はこっちに来たいとは言わなくなりました。
後で知ったんですが、こっちの警察から元妻に連絡があり、僕の趣味とか性癖(!)なんかを根掘り葉掘り聞いたらしいです。それで『面倒くさいから、もうパパのところには行っちゃダメ』と元妻に言われたようです」寂しさと憂鬱を紛らわすためにペットでも飼おうと考えた明さん。地元で保護犬や保護猫の里親探しをしているボランティア団体を訪ねるのだが、担当者はろくに話も聞かず『お引き取りください』と門前払い。「なんかもう理不尽なことだらけで心が折れまくりです」しばらくして、娘さんからのラインで元妻に再婚話が持ち上がったことを知った明さんは、これを機に東京に戻ることを決意。「新しい父親と娘の関係も心配だったし、こっちの白い目にも疲れたし、毎日必ず僕の家の周りをパトカーがパトロールしてるのも不愉快だったしで、色々限界でした」 明さんは自宅を町の空き家バンクに登録。移住者のための賃貸住宅として活用してもらうことにしたという。総務省の最新の調査では、地方移住者の4分の1は単身世帯というデータが出ている。当然その中には明さんのように単身男性もいるだろうが、明さんのような扱いをされないことを願いたい。
後で知ったんですが、こっちの警察から元妻に連絡があり、僕の趣味とか性癖(!)なんかを根掘り葉掘り聞いたらしいです。それで『面倒くさいから、もうパパのところには行っちゃダメ』と元妻に言われたようです」
寂しさと憂鬱を紛らわすためにペットでも飼おうと考えた明さん。地元で保護犬や保護猫の里親探しをしているボランティア団体を訪ねるのだが、担当者はろくに話も聞かず『お引き取りください』と門前払い。
「なんかもう理不尽なことだらけで心が折れまくりです」
しばらくして、娘さんからのラインで元妻に再婚話が持ち上がったことを知った明さんは、これを機に東京に戻ることを決意。
「新しい父親と娘の関係も心配だったし、こっちの白い目にも疲れたし、毎日必ず僕の家の周りをパトカーがパトロールしてるのも不愉快だったしで、色々限界でした」
明さんは自宅を町の空き家バンクに登録。移住者のための賃貸住宅として活用してもらうことにしたという。総務省の最新の調査では、地方移住者の4分の1は単身世帯というデータが出ている。当然その中には明さんのように単身男性もいるだろうが、明さんのような扱いをされないことを願いたい。
明さんは自宅を町の空き家バンクに登録。移住者のための賃貸住宅として活用してもらうことにしたという。
総務省の最新の調査では、地方移住者の4分の1は単身世帯というデータが出ている。当然その中には明さんのように単身男性もいるだろうが、明さんのような扱いをされないことを願いたい。