私立探偵・沢崎が活躍するハードボイルド小説で知られる直木賞作家、原(はら・りょう=本名・原孝=はら・たかし)さんが4日、病気のため福岡県内の病院で死去した。
76歳。葬儀は家族葬で行った。
佐賀県鳥栖市生まれ。九州大文学部卒業後、フリージャズのピアニストとして活躍。海外のミステリー小説を乱読し、米作家レイモンド・チャンドラーに傾倒する。昭和63年、私立探偵・沢崎が初登場するハードボイルド長編「そして夜は甦る」で作家デビュー。第2作「私が殺した少女」で平成2年に直木賞を受賞した。一貫して「沢崎シリーズ」を書き続け、30年に発表した長編第5作「それまでの明日」が遺作となった。