「女性キャストが刺されたことにはびっくりしましたが、お店が『X』だったと聞いて『やっぱりか』と思ったのは事実です。『X』は“ガチ恋営業”で有名なソープランドで、お客さんが女性キャストにハマってストーカー化したり、昔も女性キャストが殺されたことがあると聞いていたので……」(吉原の風俗店で勤務経験がある20代女性)
【写真】死亡した女性キャストは予約の取れない人気嬢だった ゴールデン・ウィークさなかの5月5日、東京都台東区の風俗街「吉原」の風俗店で、女性従業員が接客中に客の男にサバイバルナイフのようなもので刺されて死亡する事件が発生した。

事件が発生したソープランド「X」 文藝春秋 事件が起きたのは、1970年から営業する老舗ソープランドとして知られる「X」。料金は110分で6万7500円で“高級店”と呼ばれる価格帯の店だった。当然女性のレベルも高いが、死亡した女性従業員はその中でも予約困難な人気嬢だったという。「『X』のガチ恋営業にハマった男性の仕業では……」 事件の顛末を、全国紙の社会部記者はこう説明する。「『X』の男性従業員が『女性が男性客に刺された』と通報したのが5月5日の午前11時20分頃でした。救急車が駆けつけると個室内の風呂場で30代の女性従業員が首と腹から血を流して倒れていて、病院に搬送されたものの約1時間半後に死亡が確認されました。 女性と一緒に個室内にいた30代の男も自ら腹を刺し、廊下で倒れていたところを男性従業員に発見されています。こちらは命を取りとめており、回復を待って殺人容疑で逮捕される見通しです」 女性は左首と右腹を刺されており、腹部の刺し傷は内臓まで達していたという。男が女性を刺した動機はいまだ不明だ。 だが同業者の間では「『X』のガチ恋営業にハマった男性の仕業では……」という噂が囁かれている。吉原の風俗店に勤務した経験がある20代女性が明かす。「『X』は女性キャストが男性客の恋人のように振る舞う“色恋営業”が有名で、女性キャストにハマってしまう“ガチ恋”客が多いことで有名でした。高級店だけあって実入りもいいんですが、その営業方法がイヤでXを避ける女の子もいたくらいです。もちろん何があっても人を刺しちゃダメなんですけど、“色恋営業”してたらストーカー化するお客さんが出るのは予測できるというか……」 そもそも風俗店は男性客の願望を満たすサービスをするものだが、その中でもXの色恋営業の徹底ぶりは有名だったという。1年ほど『X』でキャストとして働いた経験を持つA子さんは、店から接客の“マニュアル”を渡されていたという。「入店した際に、契約書とかそういう関連の書類と一緒に、紙に印刷されたマニュアルを渡されました。最初にお客さんと対面するエレベーターの中では目をウルウルさせて待つ、『待ちきれない』という雰囲気を出してお客さんに抱き着く、服越しに身体を触る、みたいに細かく接客方法が書かれていました」「もっと密着するように、あのお客さんに対してはキスを多めに」 マニュアルの内容は、エレベーターの中だけではなく個室に入ってからの振る舞いにも細かく言及していた。「喋る時はお客さんの耳元で、恍惚とした様子で吐息がかかるように、と男性に対してどう接するかが本当に細かく書いてあるんです。お風呂でお客さんの身体を洗っているときやシャワーを流しているときにもこまめにキスして、プレイが終わってお見送りをするときも、『別れたくない』とか『帰らないで』みたいなことを言って、引き留めたり思わせぶりな態度を取ったりするようにと。 エレベーターで会った瞬間からお客さんが帰るまで、とにかく恋人のように、『本当に自分のことを好きなんじゃないか』と勘違いさせるようにイチャイチャしろと徹底的に言われていましたね」(同前)「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。 入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)「X」の男性を勘違いさせる営業スタイルは人気を博していたが、やはり男性客のなかには女性キャストを恋人だと勘違いしてしまう人も少なくなかったという。A子さんが明かす。「『恋人感を出す』という『X』の営業スタイルは吉原でも際立っていて、私も働いていた時はお客さんが何人か“ガチ恋”っぽい状態になってしまったことがあります。何度も口説いてきたり、しつこくれんらくをしてきたり。でも困ってお店に相談しても、『うまく立ち回ってよ』とか『男に夢を見させてあげてよ』って言われて、真剣には取り合ってもらえませんでした」 吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。 ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」「店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね」 A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。 お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」 実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
ゴールデン・ウィークさなかの5月5日、東京都台東区の風俗街「吉原」の風俗店で、女性従業員が接客中に客の男にサバイバルナイフのようなもので刺されて死亡する事件が発生した。
事件が発生したソープランド「X」 文藝春秋
事件が起きたのは、1970年から営業する老舗ソープランドとして知られる「X」。料金は110分で6万7500円で“高級店”と呼ばれる価格帯の店だった。当然女性のレベルも高いが、死亡した女性従業員はその中でも予約困難な人気嬢だったという。
事件の顛末を、全国紙の社会部記者はこう説明する。
「『X』の男性従業員が『女性が男性客に刺された』と通報したのが5月5日の午前11時20分頃でした。救急車が駆けつけると個室内の風呂場で30代の女性従業員が首と腹から血を流して倒れていて、病院に搬送されたものの約1時間半後に死亡が確認されました。
女性と一緒に個室内にいた30代の男も自ら腹を刺し、廊下で倒れていたところを男性従業員に発見されています。こちらは命を取りとめており、回復を待って殺人容疑で逮捕される見通しです」 女性は左首と右腹を刺されており、腹部の刺し傷は内臓まで達していたという。男が女性を刺した動機はいまだ不明だ。 だが同業者の間では「『X』のガチ恋営業にハマった男性の仕業では……」という噂が囁かれている。吉原の風俗店に勤務した経験がある20代女性が明かす。「『X』は女性キャストが男性客の恋人のように振る舞う“色恋営業”が有名で、女性キャストにハマってしまう“ガチ恋”客が多いことで有名でした。高級店だけあって実入りもいいんですが、その営業方法がイヤでXを避ける女の子もいたくらいです。もちろん何があっても人を刺しちゃダメなんですけど、“色恋営業”してたらストーカー化するお客さんが出るのは予測できるというか……」 そもそも風俗店は男性客の願望を満たすサービスをするものだが、その中でもXの色恋営業の徹底ぶりは有名だったという。1年ほど『X』でキャストとして働いた経験を持つA子さんは、店から接客の“マニュアル”を渡されていたという。「入店した際に、契約書とかそういう関連の書類と一緒に、紙に印刷されたマニュアルを渡されました。最初にお客さんと対面するエレベーターの中では目をウルウルさせて待つ、『待ちきれない』という雰囲気を出してお客さんに抱き着く、服越しに身体を触る、みたいに細かく接客方法が書かれていました」「もっと密着するように、あのお客さんに対してはキスを多めに」 マニュアルの内容は、エレベーターの中だけではなく個室に入ってからの振る舞いにも細かく言及していた。「喋る時はお客さんの耳元で、恍惚とした様子で吐息がかかるように、と男性に対してどう接するかが本当に細かく書いてあるんです。お風呂でお客さんの身体を洗っているときやシャワーを流しているときにもこまめにキスして、プレイが終わってお見送りをするときも、『別れたくない』とか『帰らないで』みたいなことを言って、引き留めたり思わせぶりな態度を取ったりするようにと。 エレベーターで会った瞬間からお客さんが帰るまで、とにかく恋人のように、『本当に自分のことを好きなんじゃないか』と勘違いさせるようにイチャイチャしろと徹底的に言われていましたね」(同前)「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。 入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)「X」の男性を勘違いさせる営業スタイルは人気を博していたが、やはり男性客のなかには女性キャストを恋人だと勘違いしてしまう人も少なくなかったという。A子さんが明かす。「『恋人感を出す』という『X』の営業スタイルは吉原でも際立っていて、私も働いていた時はお客さんが何人か“ガチ恋”っぽい状態になってしまったことがあります。何度も口説いてきたり、しつこくれんらくをしてきたり。でも困ってお店に相談しても、『うまく立ち回ってよ』とか『男に夢を見させてあげてよ』って言われて、真剣には取り合ってもらえませんでした」 吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。 ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」「店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね」 A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。 お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」 実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
女性と一緒に個室内にいた30代の男も自ら腹を刺し、廊下で倒れていたところを男性従業員に発見されています。こちらは命を取りとめており、回復を待って殺人容疑で逮捕される見通しです」
女性は左首と右腹を刺されており、腹部の刺し傷は内臓まで達していたという。男が女性を刺した動機はいまだ不明だ。
だが同業者の間では「『X』のガチ恋営業にハマった男性の仕業では……」という噂が囁かれている。吉原の風俗店に勤務した経験がある20代女性が明かす。
「『X』は女性キャストが男性客の恋人のように振る舞う“色恋営業”が有名で、女性キャストにハマってしまう“ガチ恋”客が多いことで有名でした。高級店だけあって実入りもいいんですが、その営業方法がイヤでXを避ける女の子もいたくらいです。もちろん何があっても人を刺しちゃダメなんですけど、“色恋営業”してたらストーカー化するお客さんが出るのは予測できるというか……」
そもそも風俗店は男性客の願望を満たすサービスをするものだが、その中でもXの色恋営業の徹底ぶりは有名だったという。1年ほど『X』でキャストとして働いた経験を持つA子さんは、店から接客の“マニュアル”を渡されていたという。
「入店した際に、契約書とかそういう関連の書類と一緒に、紙に印刷されたマニュアルを渡されました。最初にお客さんと対面するエレベーターの中では目をウルウルさせて待つ、『待ちきれない』という雰囲気を出してお客さんに抱き着く、服越しに身体を触る、みたいに細かく接客方法が書かれていました」
「もっと密着するように、あのお客さんに対してはキスを多めに」 マニュアルの内容は、エレベーターの中だけではなく個室に入ってからの振る舞いにも細かく言及していた。「喋る時はお客さんの耳元で、恍惚とした様子で吐息がかかるように、と男性に対してどう接するかが本当に細かく書いてあるんです。お風呂でお客さんの身体を洗っているときやシャワーを流しているときにもこまめにキスして、プレイが終わってお見送りをするときも、『別れたくない』とか『帰らないで』みたいなことを言って、引き留めたり思わせぶりな態度を取ったりするようにと。 エレベーターで会った瞬間からお客さんが帰るまで、とにかく恋人のように、『本当に自分のことを好きなんじゃないか』と勘違いさせるようにイチャイチャしろと徹底的に言われていましたね」(同前)「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。 入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)「X」の男性を勘違いさせる営業スタイルは人気を博していたが、やはり男性客のなかには女性キャストを恋人だと勘違いしてしまう人も少なくなかったという。A子さんが明かす。「『恋人感を出す』という『X』の営業スタイルは吉原でも際立っていて、私も働いていた時はお客さんが何人か“ガチ恋”っぽい状態になってしまったことがあります。何度も口説いてきたり、しつこくれんらくをしてきたり。でも困ってお店に相談しても、『うまく立ち回ってよ』とか『男に夢を見させてあげてよ』って言われて、真剣には取り合ってもらえませんでした」 吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。 ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」「店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね」 A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。 お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」 実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
マニュアルの内容は、エレベーターの中だけではなく個室に入ってからの振る舞いにも細かく言及していた。
「喋る時はお客さんの耳元で、恍惚とした様子で吐息がかかるように、と男性に対してどう接するかが本当に細かく書いてあるんです。お風呂でお客さんの身体を洗っているときやシャワーを流しているときにもこまめにキスして、プレイが終わってお見送りをするときも、『別れたくない』とか『帰らないで』みたいなことを言って、引き留めたり思わせぶりな態度を取ったりするようにと。
エレベーターで会った瞬間からお客さんが帰るまで、とにかく恋人のように、『本当に自分のことを好きなんじゃないか』と勘違いさせるようにイチャイチャしろと徹底的に言われていましたね」(同前)
「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。 入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)「X」の男性を勘違いさせる営業スタイルは人気を博していたが、やはり男性客のなかには女性キャストを恋人だと勘違いしてしまう人も少なくなかったという。A子さんが明かす。「『恋人感を出す』という『X』の営業スタイルは吉原でも際立っていて、私も働いていた時はお客さんが何人か“ガチ恋”っぽい状態になってしまったことがあります。何度も口説いてきたり、しつこくれんらくをしてきたり。でも困ってお店に相談しても、『うまく立ち回ってよ』とか『男に夢を見させてあげてよ』って言われて、真剣には取り合ってもらえませんでした」 吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。 ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」「店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね」 A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。 お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」 実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「X」を訪れる男性客も「ガチ恋スタイル」を求める人が多く、マニュアルに沿った接客をしないとアンケートなどで酷評されることもあり、店側から厳しい指導が入ったという。
「プレイが終わったあとに男性が女の子の接客について回答するアンケートがあるんですが、『いちゃつきが足りない』というコメントがあると、後から店員に指導されるんです。次からはもっと密着するようにとか、あのお客さんに対してはキスを多めにするように、とも言われた記憶があります。
入店時の研修も他店と比べてしっかりしていました。ソープランドならではのマットプレイも元従業員の女性から数時間にわたって講習を受けました。お客さんの性癖に対応するための特殊なプレイも、細かく技術を教えてもらいました」(同前)
「X」の男性を勘違いさせる営業スタイルは人気を博していたが、やはり男性客のなかには女性キャストを恋人だと勘違いしてしまう人も少なくなかったという。A子さんが明かす。
「『恋人感を出す』という『X』の営業スタイルは吉原でも際立っていて、私も働いていた時はお客さんが何人か“ガチ恋”っぽい状態になってしまったことがあります。何度も口説いてきたり、しつこくれんらくをしてきたり。でも困ってお店に相談しても、『うまく立ち回ってよ』とか『男に夢を見させてあげてよ』って言われて、真剣には取り合ってもらえませんでした」
吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。 ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」「店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね」 A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。 お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」 実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
吉原の別のソープ店で働いていた前出の20代女性は次のように話す。
「『X』のキャストはかわいい系というよりキレイ系で、老舗高級店というだけあって、顔やスタイルのレベルが高い子が多いですね。
ただ風俗店ってお店によって結構女の子の扱いが変わるんですよ。トラブルがあったときに客を出入り禁止にしてくれたり、安全のために送迎してくれるようなお店もあれば、お客さん側に立って女性キャストには合わせてくれないお店もあります。『X』はかなり『お客さんの男性のために』というスタンスで、働く女の子には寄り添ってくれない雰囲気でした」
A子さんは、「X」に在籍していた女性キャストの裏事情についても明かす。 「どこの風俗店もですが、お客さんが払うお金のうち女の子の手元に入るのは50%くらい。なので、『X』にも店には黙って裏で客を引いてる女の子もいました。お客さんと店外デートしたり、家を借りてもらっている子もいました。
お客さんもお店で会うより店外の方が恋人感もあるし、喜ぶんですよね。でもそれをやるとますますガチ恋勢は勘違いしちゃって、退勤後に待ち伏せされたり、夜中に家のピンポン鳴らされたりすることもあるんです」
実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
実はXでは2003年にも男性客に従業員女性が絞殺される事件が起きている。それでも吉原という街の性質上、根本的な対策は難しいという。
「『X』はやりすぎだとしても、男性をいい気分にするのが仕事ではあるので、正直いつ起きてもおかしくない事件だとは思います。ただお客さんとの信頼関係もありますし、吉原の店が手荷物検査をするとかはちょっと考えられない。しばらくは不安な状態が続くと思います」(同前)
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))