このゴールデンウィーク(大型連休)に旅行や外出の予定を立てているなら、SNSの投稿にも注意が必要だ。
旅行前に「GWは●●に行く」などの予定を投稿したり、滞在先から写真を投稿することで、空き巣に狙われるリスクがあり、過去にも犯罪が発生している。
「いいね」がほしくて旅の予定や思い出を投稿しがちな子や友人にも、その危険性を伝えたいところだ。
「明後日から台北の神社に」
2019年5月のゴールデンウィーク中に、海外への訪問をツイッターでつぶやいたのは美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長だった。その翌日、愛知県の別宅に空き巣が入り、7キロの金塊とパソコン(3400万円相当)が盗まれる被害にあった。
また、2018年には、インスタグラム投稿に目をつけた犯行グループが、愛知県に住む大学生の自宅から現金30万円、ブランド品の財布や服など総額231万円相当を盗む事件が起き、5人が逮捕されている。
当時の朝日新聞の記事によると、被害に遭った大学生は、高級ブランド品を身につけたり、高級車を乗り回す様子をインスタグラムに投稿し、羽振りの良さをみせつけていたそうだ。
犯行グループは、投稿された写真の景色やコメントといった情報をもとに住居を特定し、 大学生が出ていくのを確認したうえで侵入したという。
このように、SNSの何気ない投稿から、自宅の所在地が割り出され、スケジュールを把握されれば、留守を狙われるリスクが高い。
総務省が公開しているインターネットトラブル事例集でも、旅行や連休などで外出中にリアルタイムでSNSに投稿することは「『今、自宅は誰もいません!』 と留守を公言しているようなもの」だと指摘している。
「『いいね』が欲しくて公開する子に、とがめるだけでは効果なし。個人が特定される危険も考え、スタンプやボカシをうまく使う、公開は帰った後に、というような工夫をいろいろ考えましょう」(総務省の事例集より)
家族や友人の投稿によって自宅や旅行スケジュールが漏れる可能性もありえる。1人だけ気を付けるのではなく、日ごろから危険性について話し合っておくことも大切だろう。
SNSに「●●なう」と自身の居場所をリアルタイムで投稿するのも危険だ。ゴールデンウィークの楽しい思い出は、帰ってきてからSNSで共有したい。
警察庁の犯罪統計によると、住居への侵入盗犯の認知件数は、2022年には1万5692件もあった。