戦闘の激化で情勢が緊迫するスーダンから、45人の在留邦人が自衛隊機で脱出した。
◇ スーダンでは、子供を含む多数の市民が戦闘に巻き込まれて死傷しており、退避を希望せず、医療活動を続ける日本人もいる。
国際NGO「国境なき医師団」日本事務局によると、スーダンでは現在、昨年6月に赴任した日本人の男性職員1人が現地の責任者として活動を統括している。
戦闘の激化を受け、医師団が活動しているスーダン西部の病院には、21日時点で354人の負傷者が搬送され、このうち47人が亡くなった。この病院には38床しかなく、混乱を極めているという。
医師団のスタッフは現地に約1200人いる。安全確保には、紛争の当事者にも医療活動への理解を得ることが必要で、日本人の男性職員は、こうした交渉にも当たっているという。
医師団の緊急対応コーディネーターで、スーダンでの活動経験もある萩原健さん(56)は「継続的な治療や投薬が必要な患者もおり、放っておくわけにいかない。だが、場合によっては退避も考える必要があり、状況を注視したい」と話した。