高級車泥棒が犯行にかかった時間は、わずか3分。その一部始終が、防犯カメラにとらえられていた。
20日未明、兵庫県にあるマンションの駐車場に、不審な白い車が現れた。
中から出てきたのは、目出し帽で顔を隠した人物。
車には、もう1人運転役とみられる人物が残っていて、2人組とみられる。
狙われたのは、トヨタの高級車「アルファード」。
まず実行役が、助手席側のタイヤのそばにしゃがみ、慣れた様子でバンパーを外して、中に手を突っ込み始めた。
これは、「CANインベーダー」と呼ばれる手口とみられる。
専用の端末を車の配線に接続し、不正に鍵を開けるというもの。
2人組は、いとも簡単に高級車の鍵を開け、エンジンを始動させた。
すると実行役は、車に何かを取りに戻った。持ってきたのは、工具。
ハンドルにも、ロックがかけられていることを知っていた。
実行役は、工具を使ってハンドルロックを切断。
二重にかけられた鍵を外し、高級車を難なく盗み出した。
ここまでにかかった時間は、わずか3分。
車を盗んだ2人組は、現場から約2km離れた道路上に、車内にあったすべての荷物を捨てていったという。
車を盗まれた男性は、家族との思い出が詰まった愛車が持ち去られ、子どもたちがショックを受けていると話す。
被害男性「いろんなところに家族で行った車だったので、思い出もあるし…。ゆっくり子どもたちと過ごしながら行けるという、本当にそのためだけに買っていたので、子どもたちがショックを受けている」
被害額は、およそ700万円にのぼるという。
被害男性「もし(車が)返ってくるのであればもう…、本当に今でも返ってこないかなと思う。もう2度とこういうことを犯人にはしてほしくないです」
警察は窃盗事件として捜査している。