今や悠々自適なリタイア生活を送れるという保証はどこにもない。頼れるのは自分だけ。老後のおカネをいかに殖やして活用し、また守るのか。新しいことを始めるのに最適な春だからこそ動き出そう。
「そろそろオレの人生も後半だなぁ」
75歳を迎えると、それなりに元気でも漠然とした不安がこみ上げてくる。自分はまだいける、そう思うが、長生きすればするほど、おカネに絡む不安は増してくるだろう。
このままインフレが続けば、自分の想像より早く資産が目減りするかもしれない。認知症など体調の変化も怖い。75歳を過ぎたら、ムダなことはできる限り省く、守りの戦略も必要だ。
まずは、家の中を見回してほしい。そこには、意外な”お宝”が眠っているかもしれない。
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「近年の物価高で、過去に趣味で集めていた品が思わぬ高値で売れたというケースが増加しています」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏)例えば、VHSレコーダーなどの生産終了した家電製品は中古市場で根強い人気を誇る。特に昭和製のレトロなデザインのものは近年ブームで、買い取り額が1万円を超えることも珍しくない。自宅に保管してあった未開封のウイスキーもお宝の可能性が非常に高い。特にジャパニーズウイスキーは中国を始めとする世界各国でいまだ人気が衰えることなく、年代物は国内では入手困難な状況が続いている。「山崎25年」の場合、この10年間で市場価格は18倍にまで高騰、90万円以上で取り引きされている。通信費は節約しやすい他にも漫画雑誌や時刻表など、コレクター性の高い昭和の古書もマニア垂涎の逸品として高く売れる。ただし古書を売る際は注意も必要だ。「収集品はリサイクル業者に売らないほうがいいでしょう。価値が分からないまま、重さを基準に安く買い叩かれることもあります。専門のコレクターショップで見積もりを行ったほうが賢明です」(風呂内氏)元気なうちに身の回りの余分なモノを整理して資金にすれば、視界は前より開けてくる。Photo by gettyimages さらにもう一歩、支出を抑えようと思うなら、「節約」という方法に行き着く。家計の「穴」を塞ぐには、どこから見直すべきか。「家計の三大固定費である住居費、保険料、通信費のうち、手っ取り早くコストを抑えられるのが通信費です。現在、60代の9割がスマホを所有していますが、そのほとんどが、携帯料金が高く設定された大手キャリアの契約です。格安スマホに切り替えるだけで、月3000円以上の節約になります。またスマホがあれば通話は事足りますし、固定電話を解約してもいいかもしれません」(風呂内氏)健康という資産も大切にただし、何から何まで節約すればいいというわけではない。そもそも節約など、誰だってあまりしたくはない。過度な節制がたたって体の不調をきたし、「健康」という資産が失われては元も子もないからだ。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏もこう訴える。「清貧を良しとする考えから、粗食を実践する人がいます。高齢になると臓器や口腔の機能が衰え、自然と食が細くなっていくもの。その上で粗食をすれば、栄養不足に陥ります。食事代だけは健康寿命を延ばす意味でも削ってはいけません。むしろ食べたいものを我慢しないことが大切です」Photo by gettyimages 体はもちろん、心を潤し、脳を活性化させるなら、カラオケ店やスナックに行くのもいい。発声や呼吸は喉の筋肉を鍛える。誰かの歌を聞き、人前で好きな歌を歌うことは認知症予防にもなる。何より異性の前で自慢の喉を披露したり、デュエットをするなど、異性と触れ合う機会はいつまでも必要だ。恋愛はセロトニンなどポジティブな感情を促す神経伝達物質を生んでくれる。おカネを守って殖やす知恵や工夫を知れば、人生はずっと楽しく豊かなものになる。「週刊現代」2023年3月25日号より定年後の暮らしを安定させるには、収入を増やすと同時に支出を減らすことも大切だ。関連記事『年金暮らしの人が「所得税・住民税・相続税」を払わない裏ワザ10』にて、詳しく解説する。
「近年の物価高で、過去に趣味で集めていた品が思わぬ高値で売れたというケースが増加しています」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏)
例えば、VHSレコーダーなどの生産終了した家電製品は中古市場で根強い人気を誇る。特に昭和製のレトロなデザインのものは近年ブームで、買い取り額が1万円を超えることも珍しくない。
自宅に保管してあった未開封のウイスキーもお宝の可能性が非常に高い。特にジャパニーズウイスキーは中国を始めとする世界各国でいまだ人気が衰えることなく、年代物は国内では入手困難な状況が続いている。「山崎25年」の場合、この10年間で市場価格は18倍にまで高騰、90万円以上で取り引きされている。
他にも漫画雑誌や時刻表など、コレクター性の高い昭和の古書もマニア垂涎の逸品として高く売れる。ただし古書を売る際は注意も必要だ。
「収集品はリサイクル業者に売らないほうがいいでしょう。価値が分からないまま、重さを基準に安く買い叩かれることもあります。専門のコレクターショップで見積もりを行ったほうが賢明です」(風呂内氏)
元気なうちに身の回りの余分なモノを整理して資金にすれば、視界は前より開けてくる。
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さらにもう一歩、支出を抑えようと思うなら、「節約」という方法に行き着く。家計の「穴」を塞ぐには、どこから見直すべきか。「家計の三大固定費である住居費、保険料、通信費のうち、手っ取り早くコストを抑えられるのが通信費です。現在、60代の9割がスマホを所有していますが、そのほとんどが、携帯料金が高く設定された大手キャリアの契約です。格安スマホに切り替えるだけで、月3000円以上の節約になります。またスマホがあれば通話は事足りますし、固定電話を解約してもいいかもしれません」(風呂内氏)健康という資産も大切にただし、何から何まで節約すればいいというわけではない。そもそも節約など、誰だってあまりしたくはない。過度な節制がたたって体の不調をきたし、「健康」という資産が失われては元も子もないからだ。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏もこう訴える。「清貧を良しとする考えから、粗食を実践する人がいます。高齢になると臓器や口腔の機能が衰え、自然と食が細くなっていくもの。その上で粗食をすれば、栄養不足に陥ります。食事代だけは健康寿命を延ばす意味でも削ってはいけません。むしろ食べたいものを我慢しないことが大切です」Photo by gettyimages 体はもちろん、心を潤し、脳を活性化させるなら、カラオケ店やスナックに行くのもいい。発声や呼吸は喉の筋肉を鍛える。誰かの歌を聞き、人前で好きな歌を歌うことは認知症予防にもなる。何より異性の前で自慢の喉を披露したり、デュエットをするなど、異性と触れ合う機会はいつまでも必要だ。恋愛はセロトニンなどポジティブな感情を促す神経伝達物質を生んでくれる。おカネを守って殖やす知恵や工夫を知れば、人生はずっと楽しく豊かなものになる。「週刊現代」2023年3月25日号より定年後の暮らしを安定させるには、収入を増やすと同時に支出を減らすことも大切だ。関連記事『年金暮らしの人が「所得税・住民税・相続税」を払わない裏ワザ10』にて、詳しく解説する。
さらにもう一歩、支出を抑えようと思うなら、「節約」という方法に行き着く。家計の「穴」を塞ぐには、どこから見直すべきか。
「家計の三大固定費である住居費、保険料、通信費のうち、手っ取り早くコストを抑えられるのが通信費です。
現在、60代の9割がスマホを所有していますが、そのほとんどが、携帯料金が高く設定された大手キャリアの契約です。格安スマホに切り替えるだけで、月3000円以上の節約になります。またスマホがあれば通話は事足りますし、固定電話を解約してもいいかもしれません」(風呂内氏)
ただし、何から何まで節約すればいいというわけではない。そもそも節約など、誰だってあまりしたくはない。過度な節制がたたって体の不調をきたし、「健康」という資産が失われては元も子もないからだ。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏もこう訴える。
「清貧を良しとする考えから、粗食を実践する人がいます。高齢になると臓器や口腔の機能が衰え、自然と食が細くなっていくもの。その上で粗食をすれば、栄養不足に陥ります。食事代だけは健康寿命を延ばす意味でも削ってはいけません。むしろ食べたいものを我慢しないことが大切です」
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体はもちろん、心を潤し、脳を活性化させるなら、カラオケ店やスナックに行くのもいい。発声や呼吸は喉の筋肉を鍛える。誰かの歌を聞き、人前で好きな歌を歌うことは認知症予防にもなる。何より異性の前で自慢の喉を披露したり、デュエットをするなど、異性と触れ合う機会はいつまでも必要だ。恋愛はセロトニンなどポジティブな感情を促す神経伝達物質を生んでくれる。おカネを守って殖やす知恵や工夫を知れば、人生はずっと楽しく豊かなものになる。「週刊現代」2023年3月25日号より定年後の暮らしを安定させるには、収入を増やすと同時に支出を減らすことも大切だ。関連記事『年金暮らしの人が「所得税・住民税・相続税」を払わない裏ワザ10』にて、詳しく解説する。
体はもちろん、心を潤し、脳を活性化させるなら、カラオケ店やスナックに行くのもいい。発声や呼吸は喉の筋肉を鍛える。誰かの歌を聞き、人前で好きな歌を歌うことは認知症予防にもなる。
何より異性の前で自慢の喉を披露したり、デュエットをするなど、異性と触れ合う機会はいつまでも必要だ。恋愛はセロトニンなどポジティブな感情を促す神経伝達物質を生んでくれる。
おカネを守って殖やす知恵や工夫を知れば、人生はずっと楽しく豊かなものになる。
「週刊現代」2023年3月25日号より
定年後の暮らしを安定させるには、収入を増やすと同時に支出を減らすことも大切だ。関連記事『年金暮らしの人が「所得税・住民税・相続税」を払わない裏ワザ10』にて、詳しく解説する。