演劇界のセクハラ防止に取り組んできた馬奈木厳太郎弁護士(まなぎいずたろう・47)が、依頼人である俳優の女性に性的関係を執拗に迫るなどのセクハラ行為を行っていたことが判明した。被害女性は3月2日、馬奈木弁護士を相手取って慰謝料1100万円を求めて東京地裁に提訴している。
【画像】セクハラが発覚した馬奈木厳太郎弁護士 女性は舞台俳優として活動する傍ら、2018年に芸能界のハラスメント被害者を支援する団体「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」(なくす会)を設立した。馬奈木弁護士はこの会の顧問を設立時から務め、劇団や映画製作に携わる企業などでセクハラ防止の講習も開いていた。

馬奈木弁護士の父親は、同じく弁護士の馬奈木昭雄氏。水俣病訴訟に身を投じ、諫早湾干拓事業をめぐる訴訟では国と対立する漁業者側の弁護団長を務めた大物弁護士である。 その影響を受けた馬奈木厳太郎弁護士も「もちろん父の影響もありますが、常に弱者に目を向けた母方の祖父の影響も大きい」(2020年6月1日付西日本新聞)と語り、福島の原発事故で避難した住民による集団訴訟の弁護団事務局長を務めるなど、弱者に寄り添う弁護士として知られていた。「私に対して好意を寄せていると思い込み…」 そんな馬奈木弁護士が、セクハラを防ぐ啓蒙活動の陰で自身の立場を利用して依頼者の女性に加害行為に及んでいたのだ。本人は3月1日に公表した文書の中で、自身のセクハラ行為を認めている。<(裁判の依頼女性が)私に対して好意を寄せていると思い込み、身体に触れたり、身体の部位に言及したメッセージを送ったり、性的関係を迫るメッセージを送ったりしました。 その方からはこれらを拒むメッセージや言葉を受け取っていたのですが、私はそのメッセージや言葉を真摯に受けとめず、自らの都合のよい方向に解釈し、性的関係を誘う言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込み苦しめてしまいました> 既婚でありながら、女性に「好意を抱いた」という馬奈木弁護士。守るべきはずの依頼人との間に何があったのか。女性が東京地裁に提出した訴状には、事態の詳細が記されていた――。 ことの発端は、原告の女性が馬奈木弁護士に「なくす会」の活動について相談していた2019年9月にさかのぼる。馬奈木弁護士はこのころから、仕事に役立つなどの口実で女性を観劇や飲食に頻繁に誘うようになった。11月、12月ごろには月に8回のペースで観劇に連れ出していたという。弁護士のバッジは「自由と正義」「公平と平等」を意味している iStock.com ある日、ほかの演劇関係者とともに居酒屋で飲食している時に、馬奈木弁護士は掘りごたつ式のテーブルの下で女性のふくらはぎをなでるように触ったほか、その後もタクシーの車内で手を握るなど、徐々に身体的接触をエスカレートさせていった。 女性から見た馬奈木弁護士は、20歳も年上で演劇業界に強いコネクションを持っているまさに“強者”。「なくす会」の顧問を務めてもらっているうえに、今後の俳優活動に支障が出ることを恐れ、馬奈木弁護士の誘いをはっきり拒否しにくい状況に陥っていたという。 2021年からは女性の名誉毀損訴訟の代理人も引き受けた馬奈木弁護士は、その状況につけこむ形で露骨に性的関係になるよう繰り返し誘ったほか、入浴中の写真を求めたり、卑猥なLINEメッセージを送ったりするようになる。「あなた1人くらい養えるよ」「60万円くらい払うよ。月にいくらほしいの」と”愛人契約”を持ちかけていたこともあったという。「結局。舐められてたんだろうな」 2022年1月31日、執拗に性的関係を求められた女性は、不本意ながらも馬奈木弁護士と性行為に及んだ。精神的苦痛を受けた女性はその後、性的関係を断ったという。だが馬奈木弁護士は、訴訟に支障がでる可能性をほのめかし、性的関係の継続を求めるメッセージを送るようになった。その一部を掲載する。<(女性が以前、感謝を伝えたメッセージに対し)これも嘘だったな。><自分が言ったことを一週間も続けられないってのが、なんか裏切られたというかうーん、軽く見られてたのかなあ、結局。舐められてたんだろうな。><裁判だって、なんかお任せって思ってるのかな、ひょっとして。負けたらお金払うだけじゃ済まないよ。会見開いて、会の活動への嫌がらせだって大見えきって、反訴予定って書面にも書いて、それで次の期日の対応を考えないといけない決断をして、折り返すって言って、何もなしはどうなんだろ。(中略)体調が良くないってことなんだったら、それだけ送るでもいいし、何にもなしで許されるような距離感をやめようって、あなたが自分で何時間か前に決めたばかりじゃん。ちょっとあり得ないと思うよ。あなたの裁判だよ。>大学院時代、講師時代にも起こしていた女性問題 女性が提訴会見を開く2日前に、馬奈木弁護士は自らセクハラ行為を認める文書を発表している。ハラスメントを糾弾する側の弁護士による衝撃の告白……のはずが、馬奈木弁護士を知る複数の人物は、今回の問題について「正直、驚かない」と話す。一体なぜなのだろうか。「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者) 事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。 馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします> 弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
女性は舞台俳優として活動する傍ら、2018年に芸能界のハラスメント被害者を支援する団体「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」(なくす会)を設立した。馬奈木弁護士はこの会の顧問を設立時から務め、劇団や映画製作に携わる企業などでセクハラ防止の講習も開いていた。

馬奈木弁護士の父親は、同じく弁護士の馬奈木昭雄氏。水俣病訴訟に身を投じ、諫早湾干拓事業をめぐる訴訟では国と対立する漁業者側の弁護団長を務めた大物弁護士である。 その影響を受けた馬奈木厳太郎弁護士も「もちろん父の影響もありますが、常に弱者に目を向けた母方の祖父の影響も大きい」(2020年6月1日付西日本新聞)と語り、福島の原発事故で避難した住民による集団訴訟の弁護団事務局長を務めるなど、弱者に寄り添う弁護士として知られていた。「私に対して好意を寄せていると思い込み…」 そんな馬奈木弁護士が、セクハラを防ぐ啓蒙活動の陰で自身の立場を利用して依頼者の女性に加害行為に及んでいたのだ。本人は3月1日に公表した文書の中で、自身のセクハラ行為を認めている。<(裁判の依頼女性が)私に対して好意を寄せていると思い込み、身体に触れたり、身体の部位に言及したメッセージを送ったり、性的関係を迫るメッセージを送ったりしました。 その方からはこれらを拒むメッセージや言葉を受け取っていたのですが、私はそのメッセージや言葉を真摯に受けとめず、自らの都合のよい方向に解釈し、性的関係を誘う言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込み苦しめてしまいました> 既婚でありながら、女性に「好意を抱いた」という馬奈木弁護士。守るべきはずの依頼人との間に何があったのか。女性が東京地裁に提出した訴状には、事態の詳細が記されていた――。 ことの発端は、原告の女性が馬奈木弁護士に「なくす会」の活動について相談していた2019年9月にさかのぼる。馬奈木弁護士はこのころから、仕事に役立つなどの口実で女性を観劇や飲食に頻繁に誘うようになった。11月、12月ごろには月に8回のペースで観劇に連れ出していたという。弁護士のバッジは「自由と正義」「公平と平等」を意味している iStock.com ある日、ほかの演劇関係者とともに居酒屋で飲食している時に、馬奈木弁護士は掘りごたつ式のテーブルの下で女性のふくらはぎをなでるように触ったほか、その後もタクシーの車内で手を握るなど、徐々に身体的接触をエスカレートさせていった。 女性から見た馬奈木弁護士は、20歳も年上で演劇業界に強いコネクションを持っているまさに“強者”。「なくす会」の顧問を務めてもらっているうえに、今後の俳優活動に支障が出ることを恐れ、馬奈木弁護士の誘いをはっきり拒否しにくい状況に陥っていたという。 2021年からは女性の名誉毀損訴訟の代理人も引き受けた馬奈木弁護士は、その状況につけこむ形で露骨に性的関係になるよう繰り返し誘ったほか、入浴中の写真を求めたり、卑猥なLINEメッセージを送ったりするようになる。「あなた1人くらい養えるよ」「60万円くらい払うよ。月にいくらほしいの」と”愛人契約”を持ちかけていたこともあったという。「結局。舐められてたんだろうな」 2022年1月31日、執拗に性的関係を求められた女性は、不本意ながらも馬奈木弁護士と性行為に及んだ。精神的苦痛を受けた女性はその後、性的関係を断ったという。だが馬奈木弁護士は、訴訟に支障がでる可能性をほのめかし、性的関係の継続を求めるメッセージを送るようになった。その一部を掲載する。<(女性が以前、感謝を伝えたメッセージに対し)これも嘘だったな。><自分が言ったことを一週間も続けられないってのが、なんか裏切られたというかうーん、軽く見られてたのかなあ、結局。舐められてたんだろうな。><裁判だって、なんかお任せって思ってるのかな、ひょっとして。負けたらお金払うだけじゃ済まないよ。会見開いて、会の活動への嫌がらせだって大見えきって、反訴予定って書面にも書いて、それで次の期日の対応を考えないといけない決断をして、折り返すって言って、何もなしはどうなんだろ。(中略)体調が良くないってことなんだったら、それだけ送るでもいいし、何にもなしで許されるような距離感をやめようって、あなたが自分で何時間か前に決めたばかりじゃん。ちょっとあり得ないと思うよ。あなたの裁判だよ。>大学院時代、講師時代にも起こしていた女性問題 女性が提訴会見を開く2日前に、馬奈木弁護士は自らセクハラ行為を認める文書を発表している。ハラスメントを糾弾する側の弁護士による衝撃の告白……のはずが、馬奈木弁護士を知る複数の人物は、今回の問題について「正直、驚かない」と話す。一体なぜなのだろうか。「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者) 事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。 馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします> 弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
女性は舞台俳優として活動する傍ら、2018年に芸能界のハラスメント被害者を支援する団体「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」(なくす会)を設立した。馬奈木弁護士はこの会の顧問を設立時から務め、劇団や映画製作に携わる企業などでセクハラ防止の講習も開いていた。
馬奈木弁護士の父親は、同じく弁護士の馬奈木昭雄氏。水俣病訴訟に身を投じ、諫早湾干拓事業をめぐる訴訟では国と対立する漁業者側の弁護団長を務めた大物弁護士である。
その影響を受けた馬奈木厳太郎弁護士も「もちろん父の影響もありますが、常に弱者に目を向けた母方の祖父の影響も大きい」(2020年6月1日付西日本新聞)と語り、福島の原発事故で避難した住民による集団訴訟の弁護団事務局長を務めるなど、弱者に寄り添う弁護士として知られていた。
そんな馬奈木弁護士が、セクハラを防ぐ啓蒙活動の陰で自身の立場を利用して依頼者の女性に加害行為に及んでいたのだ。本人は3月1日に公表した文書の中で、自身のセクハラ行為を認めている。
<(裁判の依頼女性が)私に対して好意を寄せていると思い込み、身体に触れたり、身体の部位に言及したメッセージを送ったり、性的関係を迫るメッセージを送ったりしました。 その方からはこれらを拒むメッセージや言葉を受け取っていたのですが、私はそのメッセージや言葉を真摯に受けとめず、自らの都合のよい方向に解釈し、性的関係を誘う言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込み苦しめてしまいました> 既婚でありながら、女性に「好意を抱いた」という馬奈木弁護士。守るべきはずの依頼人との間に何があったのか。女性が東京地裁に提出した訴状には、事態の詳細が記されていた――。 ことの発端は、原告の女性が馬奈木弁護士に「なくす会」の活動について相談していた2019年9月にさかのぼる。馬奈木弁護士はこのころから、仕事に役立つなどの口実で女性を観劇や飲食に頻繁に誘うようになった。11月、12月ごろには月に8回のペースで観劇に連れ出していたという。弁護士のバッジは「自由と正義」「公平と平等」を意味している iStock.com ある日、ほかの演劇関係者とともに居酒屋で飲食している時に、馬奈木弁護士は掘りごたつ式のテーブルの下で女性のふくらはぎをなでるように触ったほか、その後もタクシーの車内で手を握るなど、徐々に身体的接触をエスカレートさせていった。 女性から見た馬奈木弁護士は、20歳も年上で演劇業界に強いコネクションを持っているまさに“強者”。「なくす会」の顧問を務めてもらっているうえに、今後の俳優活動に支障が出ることを恐れ、馬奈木弁護士の誘いをはっきり拒否しにくい状況に陥っていたという。 2021年からは女性の名誉毀損訴訟の代理人も引き受けた馬奈木弁護士は、その状況につけこむ形で露骨に性的関係になるよう繰り返し誘ったほか、入浴中の写真を求めたり、卑猥なLINEメッセージを送ったりするようになる。「あなた1人くらい養えるよ」「60万円くらい払うよ。月にいくらほしいの」と”愛人契約”を持ちかけていたこともあったという。「結局。舐められてたんだろうな」 2022年1月31日、執拗に性的関係を求められた女性は、不本意ながらも馬奈木弁護士と性行為に及んだ。精神的苦痛を受けた女性はその後、性的関係を断ったという。だが馬奈木弁護士は、訴訟に支障がでる可能性をほのめかし、性的関係の継続を求めるメッセージを送るようになった。その一部を掲載する。<(女性が以前、感謝を伝えたメッセージに対し)これも嘘だったな。><自分が言ったことを一週間も続けられないってのが、なんか裏切られたというかうーん、軽く見られてたのかなあ、結局。舐められてたんだろうな。><裁判だって、なんかお任せって思ってるのかな、ひょっとして。負けたらお金払うだけじゃ済まないよ。会見開いて、会の活動への嫌がらせだって大見えきって、反訴予定って書面にも書いて、それで次の期日の対応を考えないといけない決断をして、折り返すって言って、何もなしはどうなんだろ。(中略)体調が良くないってことなんだったら、それだけ送るでもいいし、何にもなしで許されるような距離感をやめようって、あなたが自分で何時間か前に決めたばかりじゃん。ちょっとあり得ないと思うよ。あなたの裁判だよ。>大学院時代、講師時代にも起こしていた女性問題 女性が提訴会見を開く2日前に、馬奈木弁護士は自らセクハラ行為を認める文書を発表している。ハラスメントを糾弾する側の弁護士による衝撃の告白……のはずが、馬奈木弁護士を知る複数の人物は、今回の問題について「正直、驚かない」と話す。一体なぜなのだろうか。「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者) 事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。 馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします> 弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
<(裁判の依頼女性が)私に対して好意を寄せていると思い込み、身体に触れたり、身体の部位に言及したメッセージを送ったり、性的関係を迫るメッセージを送ったりしました。
その方からはこれらを拒むメッセージや言葉を受け取っていたのですが、私はそのメッセージや言葉を真摯に受けとめず、自らの都合のよい方向に解釈し、性的関係を誘う言動を続け、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その方を追い込み苦しめてしまいました>
既婚でありながら、女性に「好意を抱いた」という馬奈木弁護士。守るべきはずの依頼人との間に何があったのか。女性が東京地裁に提出した訴状には、事態の詳細が記されていた――。
ことの発端は、原告の女性が馬奈木弁護士に「なくす会」の活動について相談していた2019年9月にさかのぼる。馬奈木弁護士はこのころから、仕事に役立つなどの口実で女性を観劇や飲食に頻繁に誘うようになった。11月、12月ごろには月に8回のペースで観劇に連れ出していたという。
弁護士のバッジは「自由と正義」「公平と平等」を意味している iStock.com
ある日、ほかの演劇関係者とともに居酒屋で飲食している時に、馬奈木弁護士は掘りごたつ式のテーブルの下で女性のふくらはぎをなでるように触ったほか、その後もタクシーの車内で手を握るなど、徐々に身体的接触をエスカレートさせていった。
女性から見た馬奈木弁護士は、20歳も年上で演劇業界に強いコネクションを持っているまさに“強者”。「なくす会」の顧問を務めてもらっているうえに、今後の俳優活動に支障が出ることを恐れ、馬奈木弁護士の誘いをはっきり拒否しにくい状況に陥っていたという。
2021年からは女性の名誉毀損訴訟の代理人も引き受けた馬奈木弁護士は、その状況につけこむ形で露骨に性的関係になるよう繰り返し誘ったほか、入浴中の写真を求めたり、卑猥なLINEメッセージを送ったりするようになる。「あなた1人くらい養えるよ」「60万円くらい払うよ。月にいくらほしいの」と”愛人契約”を持ちかけていたこともあったという。
2022年1月31日、執拗に性的関係を求められた女性は、不本意ながらも馬奈木弁護士と性行為に及んだ。精神的苦痛を受けた女性はその後、性的関係を断ったという。だが馬奈木弁護士は、訴訟に支障がでる可能性をほのめかし、性的関係の継続を求めるメッセージを送るようになった。その一部を掲載する。
<(女性が以前、感謝を伝えたメッセージに対し)これも嘘だったな。><自分が言ったことを一週間も続けられないってのが、なんか裏切られたというかうーん、軽く見られてたのかなあ、結局。舐められてたんだろうな。><裁判だって、なんかお任せって思ってるのかな、ひょっとして。負けたらお金払うだけじゃ済まないよ。会見開いて、会の活動への嫌がらせだって大見えきって、反訴予定って書面にも書いて、それで次の期日の対応を考えないといけない決断をして、折り返すって言って、何もなしはどうなんだろ。(中略)体調が良くないってことなんだったら、それだけ送るでもいいし、何にもなしで許されるような距離感をやめようって、あなたが自分で何時間か前に決めたばかりじゃん。ちょっとあり得ないと思うよ。あなたの裁判だよ。>大学院時代、講師時代にも起こしていた女性問題 女性が提訴会見を開く2日前に、馬奈木弁護士は自らセクハラ行為を認める文書を発表している。ハラスメントを糾弾する側の弁護士による衝撃の告白……のはずが、馬奈木弁護士を知る複数の人物は、今回の問題について「正直、驚かない」と話す。一体なぜなのだろうか。「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者) 事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。 馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします> 弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
<(女性が以前、感謝を伝えたメッセージに対し)これも嘘だったな。>
<自分が言ったことを一週間も続けられないってのが、なんか裏切られたというかうーん、軽く見られてたのかなあ、結局。舐められてたんだろうな。>
<裁判だって、なんかお任せって思ってるのかな、ひょっとして。負けたらお金払うだけじゃ済まないよ。会見開いて、会の活動への嫌がらせだって大見えきって、反訴予定って書面にも書いて、それで次の期日の対応を考えないといけない決断をして、折り返すって言って、何もなしはどうなんだろ。(中略)体調が良くないってことなんだったら、それだけ送るでもいいし、何にもなしで許されるような距離感をやめようって、あなたが自分で何時間か前に決めたばかりじゃん。ちょっとあり得ないと思うよ。あなたの裁判だよ。>
女性が提訴会見を開く2日前に、馬奈木弁護士は自らセクハラ行為を認める文書を発表している。ハラスメントを糾弾する側の弁護士による衝撃の告白……のはずが、馬奈木弁護士を知る複数の人物は、今回の問題について「正直、驚かない」と話す。一体なぜなのだろうか。
「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者) 事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。 馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします> 弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「馬奈木氏は早稲田大学院時代に複数の女性に加害行為をして問題になり、研究室を破門になっているんです。謝罪をして大事にはならなかったのですが、その後に講師として就職した札幌学院大学でも再び女性との間で問題を起こしました。関係者から事情を聞いた父親の昭雄氏に説得され、馬奈木氏は札幌学院大学を半年程度で自主退職するという形になったんです」(馬奈木弁護士を大学院時代から知る関係者)
事実を確認すべく馬奈木弁護士に電話をかけたが、出ることはなかった。
馬奈木弁護士は前出の文書で、次のように述べている。
<過ちを繰り返さぬよう自らを正し、自らを律していきます。被害者の方に対して、重ねて、深く謝罪いたします>
弱者に寄り添うべき弁護士が、自らの立場を利用して女性を傷つけることになってしまった。失った信頼を取り戻す道は簡単ではない。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))