日本の新たな主力ロケット「H3」初号機は、7日午前、種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、打ち上げは失敗しました。JAXAは原因究明を急いでいます。
H3初号機は、7日午前10時37分に打ち上げられました。ロケットが上がっていく様子は鹿児島県内の各地からも見られ、順調に飛行しているように見えましたが…
JAXAによりますと、2段目エンジンが着火せず、ミッション達成の見込みがないとして、打ち上げからおよそ15分後に指令破壊信号が出され、打ち上げは失敗しました。
機体は搭載されていた地球観測衛星「だいち3号」とともに、フィリピンの東の海上に落下したということです。
当初の計画より2年遅れとなり、先月の打ち上げも直前で中止になるなど、相次ぐトラブルを乗り越え、万全で迎えたはずの打ち上げが失敗し、JAXAは。
(JAXA 岡田匡史H3プロジェクトマネージャ)「関係者の皆さんに申し訳ない。地元の方々はじめ、多くの人に見守っていただいた中で、このような結果になり申し訳なく思っている」
打ち上げのおよそ5分後に予定されていた2段目エンジンが着火せず、そこから破壊信号を出すまでのおよそ10分間については。
Q.この間の管制室の雰囲気は?
(岡田匡史H3プロジェクトマネージャ)「……思い出せないぐらい。呆然としていたような気がする、私自身は。エンジンを空中で着火するのはすごく神経をつかっているところ。通常の確認でしっかりやってきたが、なぜこのようなことが起こったのか分からず、さっき言ったように私自身、呆然としている」
世界的にも高い打ち上げ成功率97.8%を誇ったH2Aの後継機で、低コスト化も目指した新たな主力ロケットの打ち上げ失敗は、国際的な衛星打ち上げビジネスの受注拡大を目指す上で、大きな痛手となります。
JAXAは、信頼回復のためにも対策本部を設置して、原因究明を進める方針です。
(2023/03/07 19:52)