東京都狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が殺害された強盗殺人事件を巡っては、手口などから関東で相次ぐ強盗事件との関連性が指摘され、大がかりな犯行グループの存在が浮かぶ。
別の強盗事件で逮捕された男らの交流サイト(SNS)には「狛江」と地名を指すやり取りなどもあった。何らかの方法で入手した名簿などを基に資産家らを特定して襲撃対象を絞っている可能性がある。
電話番号や住所が載っている名簿は、闇サイトなどから、犯罪グループに流出している実態がある。
名簿が犯行に用いられることが顕著なのが高齢者を狙った特殊詐欺だ。過去には、特殊詐欺グループの指示役の関係先から名簿が押収されたこともある。警視庁が昨年11月に特殊詐欺の受け子として摘発した消防士の男が、消防署に保管されていた単身世帯の高齢者がリスト化された名簿をコピーし、持ち出していたことも発覚している。
また、詐欺グループの指示役が末端の受け子を募集する際にSNS上で「闇バイト」を募るケースが目立ち、面識のない者同士で実行グループを結成する実態もある。
関東で相次ぐ強盗事件の一部に関わったとして、警視庁が逮捕した男の1人は「SNSの闇サイトに応募した」と供述。昨年12月の東京・中野で起きた7人が関わったとみられる強盗傷害事件で逮捕された男の1人も「面識がなく強盗目的で集まった」と話している。
特殊詐欺グループで用いる手口が強盗事件にも悪用されている可能性がある。