福岡市博多区のJR博多駅近くで会社員、川野美樹さん(当時38歳)=福岡県那珂川(なかがわ)市=が刺殺された事件は23日で1週間。殺人容疑で逮捕された元交際相手の飲食店従業員、寺内進容疑者(31)=博多区=はストーカー規制法に基づく禁止命令にある時期まで従っていたが、命令から約50日後、突然の凶行に及んだ。
博多駅前刺殺、県警「常識超えた急展開」 禁止命令後異常見られず 寺内容疑者の周囲の人は事件前、何らかの“異変”を感じていたのだろうか。

大阪市出身の寺内容疑者は約1年前に福岡へ移住し、九州一の繁華街・中洲のバーでアルバイトをしていた。夜から翌早朝6時まで営業している店で、働きぶりは「明るく、元気」で特にトラブルもなかったという。ただ、店長の男性は「私生活については何も話さなかった」と振り返る。 寺内容疑者は系列店の従業員だった川野さんと2022年春ごろから交際を始めたが、半年後には関係が悪化。川野さんの被害相談に基づき、県警は寺内容疑者にストーカー規制法に基づく禁止命令を出した。 「川野さんとの交際も、つきまとい行為も、県警からの連絡で初めて知った。2人は『姉さん』『進君』と呼び合っていたが、交際しているようには見えなかった」と店長は明かす。 店舗の運営会社は禁止命令を理由に退職勧告をしたが、寺内容疑者は「一から頑張りたい」と懇願。店長はその言葉を信じて受け入れたが、週3回ほどだった勤務は減らしたという。 22年末の大みそかにあった系列店との忘年会。寺内容疑者は「迷惑かけました。ごめんなさい」と改めて上司や同僚に謝罪していた。 事件前日の1月15日も早朝まで勤務し、普段通りに仕事を終えて店を出たという寺内容疑者。それから約1日半後に起きた事件について、店長は「言葉がない」と動揺を隠さなかった。【土田暁彦】
寺内容疑者の周囲の人は事件前、何らかの“異変”を感じていたのだろうか。
大阪市出身の寺内容疑者は約1年前に福岡へ移住し、九州一の繁華街・中洲のバーでアルバイトをしていた。夜から翌早朝6時まで営業している店で、働きぶりは「明るく、元気」で特にトラブルもなかったという。ただ、店長の男性は「私生活については何も話さなかった」と振り返る。
寺内容疑者は系列店の従業員だった川野さんと2022年春ごろから交際を始めたが、半年後には関係が悪化。川野さんの被害相談に基づき、県警は寺内容疑者にストーカー規制法に基づく禁止命令を出した。
「川野さんとの交際も、つきまとい行為も、県警からの連絡で初めて知った。2人は『姉さん』『進君』と呼び合っていたが、交際しているようには見えなかった」と店長は明かす。
店舗の運営会社は禁止命令を理由に退職勧告をしたが、寺内容疑者は「一から頑張りたい」と懇願。店長はその言葉を信じて受け入れたが、週3回ほどだった勤務は減らしたという。
22年末の大みそかにあった系列店との忘年会。寺内容疑者は「迷惑かけました。ごめんなさい」と改めて上司や同僚に謝罪していた。
事件前日の1月15日も早朝まで勤務し、普段通りに仕事を終えて店を出たという寺内容疑者。それから約1日半後に起きた事件について、店長は「言葉がない」と動揺を隠さなかった。【土田暁彦】