「トイレに行ってくる」
女性が個室から出た直後のことだったようだ。男は彼女のグラスに薬物を投入。戻ってきた女性は、飲み物を口にすると急に意識が朦朧とし始めた。男は抵抗できない女性の身体をもてあそび始めるーー。
1月19日、警視庁捜査1課は東京都葛飾区に住む佐藤大容疑者(32)を準強制わいせつの疑いで逮捕した。佐藤容疑者は、経済産業省に所属するエリート官僚。事件が起きたのは昨年12月25日、クリスマスの夜だった。
「佐藤容疑者と20代の知人女性Aさんは、夕方5時ごろから足立区内の居酒屋で2人で酒を飲んでいました。夜7時過ぎになり、歩いて3分ほどのネットカフェの個室へ移動。映画をみていると、Aさんは強い睡魔に襲われ記憶がなくなったそうです。
彼女が店内で意識を取り戻すと、佐藤容疑者は何事もなかったように会計を済まし夜11時ごろに別れたとか。Aさんと佐藤容疑者は過去にも何度か食事をしていますが、単なる知人で交際関係にはありませんでした」(全国紙社会部記者)
Aさんは、ネットカフェでは酒を飲んでいなかった。にもかかわらず突然眠気を感じ記憶が途切れ途切れになったうえ、衣服の状態にも違和感を覚えたAさんは翌日、警察に電話で「一緒にいた男性にわいせつな行為をされたかもしれない」と相談。Aさんの体内からは睡眠薬の成分が検出され、佐藤容疑者の逮捕にいたった。
「調べに対し佐藤容疑者は、こう供述し犯行を否認しています。『同意のうえで頭を軽くなでた。どの部分か覚えていないが、服の上から身体を触った。睡眠薬を飲ませたことは、まったく身に覚えがない』と」(同前)
佐藤容疑者は、バリバリのキャリア官僚だ。名門カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)や慶応大学法学部で学び、北京大学国際関係学院では外交学を専攻。17年に経産省に入ってからは、18年に大臣官房グローバル産業室係長、22年に貿易経済協力局技術・人材協力課の課長補佐と着実に昇進をしている。
「入省5年目で課長補佐に抜擢されていることから、佐藤容疑者への期待の高さがうかがえます。しかし逮捕を受け華々しいキャリアが一転。1月19日付けで、大臣官房秘書課付となりました」(同前)
佐藤容疑者には、余罪の可能性も高まっている。
「Aさんの他にも、佐藤容疑者と食事をともにした複数の女性が性的被害を訴えているんです。密室での案件が多く実証しづらいですが、佐藤容疑者の自宅を調べると犯行を裏づけるような物証が複数出てきたとか。警察は睡眠薬の入手ルートなども調べています」(同前)
事件を受け、経産省は次のようなコメントを発表している。
「当省の職員が逮捕されたことは、誠に遺憾。 経済産業省としても捜査に最大限協力し、全容の解明を踏まえて厳正に対処したい」