幼い子どもは大人が予想だにしない行動をとることが多い。そのせいで、ケガをしたり、危機一髪の体験をしたりする危険性があり、親は目を離す暇がない。なかには「あのとき、少しでもタイミングが悪ければ……」と、肝を冷やした人も少なくないだろう。本稿では、そんな子育て中に起きたヒヤッとする出来事を紹介していく。
【写真】この記事の写真を見る(2枚)◆◆◆ベビーカーのベルトを外していたら… 体験談の中で比較的多かったのはソファーから落ちる、階段から落ちるといった、落下事故だ。田中あゆみさん(仮名・30代)は、幼い我が子に起きた恐怖体験をこう語る。

「まだ寝返りも打てない頃の息子を、ソファーの上に寝かせていました。大人しく寝ていたので、私は家事をしていたら、突然『ギャー』という泣き声が聞こえ、慌てて駆けつけると、息子がソファーから落下して、首がぐにゃりと曲がるような形で頭から床に落ちていたんです。 慌てて抱き上げて寝かせたら、しばらくして泣き止みました。幸い何事もなかったですが、必要ないと思って買っていなかった柵のあるベビーベッドを慌てて購入しましたね」 赤ちゃんの落下に関しては次のような目撃談もある。「デパートで、お母さんと買い物中の子どもがいました。そのときに、たまたまベビーカーのベルトを外していたようで、乗っていた子どもが何かを取ろうとした拍子に落ちてしまいました。子どもは頭が重く、自分で支えられないので、こういう事故はよくあるらしいのですが、その時は救急隊員が駆け付けるくらいの騒ぎになっていました」(30代男性) さらに、子どもの危険地帯のひとつが階段だ。太田真琴さん(仮名・30代)は、母から「あの時はびっくりした」と、自身の子どもの頃の出来事を聞かされたという。iStock.com「私がずり這いができるようになった頃のこと。実家に帰省した母は、2階に私を寝かせ、1階で親戚と談笑していたそうです。すると、階段のほうからゴロゴロゴロ、ドン!という音がして子どもの泣く声が聞こえた。急いで階段に向かうと、私がギャン泣きしていたそうです。 傷や打撲はなかったので、とりあえず母乳を飲ませて『まあ、大丈夫かな……』とそのまま寝かしつけたそう。翌日病院に連れていっても、とくに異常はなかったみたいです。 もちろん、私に当時の記憶はありませんが、母の実家は古い家なので階段がめちゃくちゃ角度が急だし、13段くらいあったんです。よくこんなところから落ちて無事だったな……と、今になって思いますね」 他にも「2歳の娘が階段の手すりと手すりの間に入って、落ちそうになっていたのを止めた」(20代女性)、「5歳の息子がベランダにあった収納ボックスを動かし、それを台にして身を乗り出すような姿勢で夜空を見ていた」(40代男性)など、ヒヤヒヤするエピソードが多数ある。「キレイキレイ」を飲んでしまった娘 一方、なんでもかんでも口に入れてしまう子どもにも注意が必要。桑田千尋さん(仮名・40代)は、当時2歳だった娘がハンドソープを飲んでいたとき、生きた心地がしなかったという。「ふと私が目を離した隙に、娘が台所にあった『キレイキレイ』を手に取り、液体を吸い込んでいました。止める間もなく、直後に娘はギャン泣き。突然の奇行に私はパニックになり、まだうがいができない娘の口のなかをとりあえず濡れタオルで拭きまくりました。 その後、かかりつけの小児科医に連絡すると『あんなマズいもん、飲み込んではいないはず。ひとまず胃を守るために牛乳を飲ませとけ』とアドバイスをもらい実行しました。それが効いたのかわかりませんが、その後は特に問題は起きませんでした。 後日、ハンドソープなんて子どもが吸い込めるのかと不思議に思った私は、試しに吸ってみましたが、簡単に吸い上げることができたんです。子どもでもすぐに飲めてしまうのは危険だなと感じましたね。ただ、ものすごく苦かったので、とても飲みくだせる代物ではなかったですけど……」 桑田さんの娘は、その後もハンドクリームを舐めるなど、なんでも口に入れるため、しばらく目が離せなかったとか。 一方、誤飲だと思い込むがゆえのハプニングも子育てでは起こりうる。生方孝宏さん(仮名・50代)は子どもの小さかった頃をこう振り返る。「ペットボトルのキャップや10円玉、壊れて取れてしまったおもちゃの部品など、あるはずのものが見当たらないと、『子どもが飲み込んだんじゃないか』とカミさんがパニックになってしまう時期がありました。 ただ、親が焦って騒ぐと子どもも不安になるようで、『何か口に入れた? 痛いとこない?』と聞いているうちに『なんかこの辺が痛い(気がする)』とか言い出すんです。実際、3回ほど深夜にタクシーで救急病院に行き、レントゲンを撮ったことがありますが、どれも子どもの思い過ごしでした」お風呂で目を離したら、溺れかけた また、お風呂やプールなど水のある場所も要注意。吉田香織さん(仮名・30代)は2歳の子どもとの入浴中、危機一髪の場面があったという。「子どもが立ったまま入れば顔が水につかない深さにお湯を張り、子どもを湯船の中でおもちゃで遊ばせたまま、私は髪を洗っていたんです。しかし、少し目を離したすきに子どもは湯船の中で足をすべらせてしまい、後ろに転倒してしまった。 息子はバシャバシャとお湯の中でもがいてくれて、私がすぐに気づけたのでよかったですが、あとあとネットで『子どもは静かに溺れる』という記事を読み、怖くなったことを覚えています。なぜか、そのときのことは息子も覚えているようで『あのときはびっくりしたねー』と話しています」 予想外の出来事は浴室だけに限らない。前出、生方さんは「プールはやばいです」と言い、5歳の息子を連れ、祖父母らとアミューズメントプールに出かけたときのことを話してくれた。「大人は色々と準備があるので、『そこで待ってろ』と子どもに言い付けていたのですが、もちろん聞いてくれるはずもない。テンションが上がっている息子は、はしゃいで走り出して、先に入場していったんです」 生方さんは慌てて着替え、後を追っていくが姿が見えない。すると、息子が泣きながら、人混みの中から現れたそう。「話を聞くと、浅い子ども用プールに入ったらしいのですが、そこには一部分だけ大人の首くらいまでの深さの場所があり、はしゃいで足を踏み入れた息子は、そこにズボッと沈んで溺れかけたようです。そのとき一緒にいた2歳年上のいとこ(7歳)が気付いて、引き上げてくれたとのことでした。『だから、待ってろと言っただろ』と注意したのですが、息子はすぐにケロッとして『僕さっき、溺れたんだよ!』となぜか嬉しそうに祖父母に話し始めていました。何事もなくてよかったですが、妻には『あなたが目を離すから!』と責められ、大喧嘩になったのは言うまでもありません。 祖父母や両親が、お互いに『誰かが見てると思った』という感じで目を離してしまうため、こうしたことは出先でのあるあるだと思います」落ち葉に火をつけ、市役所から大目玉 水と同じく子どもにとって取り扱い注意なのは火だ。当時、東京郊外に住んでいた橋本直子さん(仮名・40代)の家の前には林があった。橋本さんは子どもを保育園に迎えに行った帰りに、近所の子どもと2人でその林で遊ばせ、自身はママ友と立ち話をしていたそう。「話していたら、パチパチという音が聞こえてきて、ふっと見ると林の一部が燃えていたんです。真っ青になって、子どもの名前を叫びながら林の中に走りました。すると、子どもたちが燃え上がる炎を前に、泣き叫ぶでもなく、驚いたような表情で呆然と立ち尽くしている。私とママ友は子どもを抱えて脱出し、火は騒ぎを聞きつけた近所の人が消火器で鎮火してくれました。 後から子どもに聞くと、林にライターが落ちていて、落ち葉に火をつけてみたところ、冬の乾燥も相まって、たちまち燃え広がったみたいです。幸い子どもたちは無事で、火事もボヤで済みましたが、市役所からはメチャクチャ怒られました」 さらに、「幼児は、とにかくすぐに走り出すんです……」とため息をつくのは、中山健介さん(仮名・30代)だ。「息子が4~5歳の頃は、興味のあるものが目に入ると、周りもろくに見ないでいきなり走り出していました。手をつないでいないと、すぐどこかに走り出してしまい、スマホを少しいじっている隙に、姿が見えなくなって慌てて探したことは数知れず。終いには、よく顔を合わせる近所のおじさんが『あっちで遊んでたよ』と教えてくれるようになりました。 ただ、車の前に飛び出すなどヤバい瞬間もよくあった。そのため、5歳の夏、少し離れた場所にある交通公園に、夫婦で交代しながら毎日のように連れていき、道路で一旦止まることを徹底的に叩きこみました」 このように車や自転車などが溢れる繁華街や市街地は、子どもにとって、リスクに満ちているが、対人トラブルも見逃せない。 篠田祐子さん(仮名・40代)は、当時新宿区のタワマンに家族で住んでおり、そこは子どもでも少し自転車を走らせれば歌舞伎町に行くことができる距離だったという。「学校が休みだったある日の午前中、子どもと一緒にそれぞれ自転車で走っていたら、前方を朝帰りらしいホスト風の男6人が一列に横に並んで歩いていました。 通れないので、小学校低学年の息子が自転車のベルをチリンチリンと鳴らしたところ、ホストの1人が『チリンチリンうるせーんだよ! このチンチン野郎!』と子どもに激ギレ。 息子は負けずに『だって道を空けてくれないんだもん。僕は悪くない』と言い返したのですが、そのホストが『このクソガキ』と肩を怒らして近づいてきたんです」 いい大人が子ども相手にする言動ではないが、なにせ相手は酔っぱらいだ。しかも、仲間がいるのでよりイキリっぷりに拍車がかかっている。「このままだと子どもがボコボコにされると思ったので、『うちの子がすいません!』と形だけ頭を下げて、息子の自転車を引っ張って連れ去り、事なきを得ました。私が一緒で本当によかったです」 このように子育てに危険はつきもの。いつになっても親の気苦労は絶えないのだ。(清談社)
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体験談の中で比較的多かったのはソファーから落ちる、階段から落ちるといった、落下事故だ。田中あゆみさん(仮名・30代)は、幼い我が子に起きた恐怖体験をこう語る。
「まだ寝返りも打てない頃の息子を、ソファーの上に寝かせていました。大人しく寝ていたので、私は家事をしていたら、突然『ギャー』という泣き声が聞こえ、慌てて駆けつけると、息子がソファーから落下して、首がぐにゃりと曲がるような形で頭から床に落ちていたんです。
慌てて抱き上げて寝かせたら、しばらくして泣き止みました。幸い何事もなかったですが、必要ないと思って買っていなかった柵のあるベビーベッドを慌てて購入しましたね」
赤ちゃんの落下に関しては次のような目撃談もある。
「デパートで、お母さんと買い物中の子どもがいました。そのときに、たまたまベビーカーのベルトを外していたようで、乗っていた子どもが何かを取ろうとした拍子に落ちてしまいました。子どもは頭が重く、自分で支えられないので、こういう事故はよくあるらしいのですが、その時は救急隊員が駆け付けるくらいの騒ぎになっていました」(30代男性)
さらに、子どもの危険地帯のひとつが階段だ。太田真琴さん(仮名・30代)は、母から「あの時はびっくりした」と、自身の子どもの頃の出来事を聞かされたという。
iStock.com
「私がずり這いができるようになった頃のこと。実家に帰省した母は、2階に私を寝かせ、1階で親戚と談笑していたそうです。すると、階段のほうからゴロゴロゴロ、ドン!という音がして子どもの泣く声が聞こえた。急いで階段に向かうと、私がギャン泣きしていたそうです。
傷や打撲はなかったので、とりあえず母乳を飲ませて『まあ、大丈夫かな……』とそのまま寝かしつけたそう。翌日病院に連れていっても、とくに異常はなかったみたいです。
もちろん、私に当時の記憶はありませんが、母の実家は古い家なので階段がめちゃくちゃ角度が急だし、13段くらいあったんです。よくこんなところから落ちて無事だったな……と、今になって思いますね」
他にも「2歳の娘が階段の手すりと手すりの間に入って、落ちそうになっていたのを止めた」(20代女性)、「5歳の息子がベランダにあった収納ボックスを動かし、それを台にして身を乗り出すような姿勢で夜空を見ていた」(40代男性)など、ヒヤヒヤするエピソードが多数ある。
一方、なんでもかんでも口に入れてしまう子どもにも注意が必要。桑田千尋さん(仮名・40代)は、当時2歳だった娘がハンドソープを飲んでいたとき、生きた心地がしなかったという。
「ふと私が目を離した隙に、娘が台所にあった『キレイキレイ』を手に取り、液体を吸い込んでいました。止める間もなく、直後に娘はギャン泣き。突然の奇行に私はパニックになり、まだうがいができない娘の口のなかをとりあえず濡れタオルで拭きまくりました。
その後、かかりつけの小児科医に連絡すると『あんなマズいもん、飲み込んではいないはず。ひとまず胃を守るために牛乳を飲ませとけ』とアドバイスをもらい実行しました。それが効いたのかわかりませんが、その後は特に問題は起きませんでした。
後日、ハンドソープなんて子どもが吸い込めるのかと不思議に思った私は、試しに吸ってみましたが、簡単に吸い上げることができたんです。子どもでもすぐに飲めてしまうのは危険だなと感じましたね。ただ、ものすごく苦かったので、とても飲みくだせる代物ではなかったですけど……」
桑田さんの娘は、その後もハンドクリームを舐めるなど、なんでも口に入れるため、しばらく目が離せなかったとか。
一方、誤飲だと思い込むがゆえのハプニングも子育てでは起こりうる。生方孝宏さん(仮名・50代)は子どもの小さかった頃をこう振り返る。
「ペットボトルのキャップや10円玉、壊れて取れてしまったおもちゃの部品など、あるはずのものが見当たらないと、『子どもが飲み込んだんじゃないか』とカミさんがパニックになってしまう時期がありました。
ただ、親が焦って騒ぐと子どもも不安になるようで、『何か口に入れた? 痛いとこない?』と聞いているうちに『なんかこの辺が痛い(気がする)』とか言い出すんです。実際、3回ほど深夜にタクシーで救急病院に行き、レントゲンを撮ったことがありますが、どれも子どもの思い過ごしでした」
また、お風呂やプールなど水のある場所も要注意。吉田香織さん(仮名・30代)は2歳の子どもとの入浴中、危機一髪の場面があったという。
「子どもが立ったまま入れば顔が水につかない深さにお湯を張り、子どもを湯船の中でおもちゃで遊ばせたまま、私は髪を洗っていたんです。しかし、少し目を離したすきに子どもは湯船の中で足をすべらせてしまい、後ろに転倒してしまった。
息子はバシャバシャとお湯の中でもがいてくれて、私がすぐに気づけたのでよかったですが、あとあとネットで『子どもは静かに溺れる』という記事を読み、怖くなったことを覚えています。なぜか、そのときのことは息子も覚えているようで『あのときはびっくりしたねー』と話しています」
予想外の出来事は浴室だけに限らない。前出、生方さんは「プールはやばいです」と言い、5歳の息子を連れ、祖父母らとアミューズメントプールに出かけたときのことを話してくれた。
「大人は色々と準備があるので、『そこで待ってろ』と子どもに言い付けていたのですが、もちろん聞いてくれるはずもない。テンションが上がっている息子は、はしゃいで走り出して、先に入場していったんです」
生方さんは慌てて着替え、後を追っていくが姿が見えない。すると、息子が泣きながら、人混みの中から現れたそう。
「話を聞くと、浅い子ども用プールに入ったらしいのですが、そこには一部分だけ大人の首くらいまでの深さの場所があり、はしゃいで足を踏み入れた息子は、そこにズボッと沈んで溺れかけたようです。そのとき一緒にいた2歳年上のいとこ(7歳)が気付いて、引き上げてくれたとのことでした。
『だから、待ってろと言っただろ』と注意したのですが、息子はすぐにケロッとして『僕さっき、溺れたんだよ!』となぜか嬉しそうに祖父母に話し始めていました。何事もなくてよかったですが、妻には『あなたが目を離すから!』と責められ、大喧嘩になったのは言うまでもありません。
祖父母や両親が、お互いに『誰かが見てると思った』という感じで目を離してしまうため、こうしたことは出先でのあるあるだと思います」
水と同じく子どもにとって取り扱い注意なのは火だ。当時、東京郊外に住んでいた橋本直子さん(仮名・40代)の家の前には林があった。橋本さんは子どもを保育園に迎えに行った帰りに、近所の子どもと2人でその林で遊ばせ、自身はママ友と立ち話をしていたそう。
「話していたら、パチパチという音が聞こえてきて、ふっと見ると林の一部が燃えていたんです。真っ青になって、子どもの名前を叫びながら林の中に走りました。すると、子どもたちが燃え上がる炎を前に、泣き叫ぶでもなく、驚いたような表情で呆然と立ち尽くしている。私とママ友は子どもを抱えて脱出し、火は騒ぎを聞きつけた近所の人が消火器で鎮火してくれました。
後から子どもに聞くと、林にライターが落ちていて、落ち葉に火をつけてみたところ、冬の乾燥も相まって、たちまち燃え広がったみたいです。幸い子どもたちは無事で、火事もボヤで済みましたが、市役所からはメチャクチャ怒られました」
さらに、「幼児は、とにかくすぐに走り出すんです……」とため息をつくのは、中山健介さん(仮名・30代)だ。
「息子が4~5歳の頃は、興味のあるものが目に入ると、周りもろくに見ないでいきなり走り出していました。手をつないでいないと、すぐどこかに走り出してしまい、スマホを少しいじっている隙に、姿が見えなくなって慌てて探したことは数知れず。終いには、よく顔を合わせる近所のおじさんが『あっちで遊んでたよ』と教えてくれるようになりました。
ただ、車の前に飛び出すなどヤバい瞬間もよくあった。そのため、5歳の夏、少し離れた場所にある交通公園に、夫婦で交代しながら毎日のように連れていき、道路で一旦止まることを徹底的に叩きこみました」
このように車や自転車などが溢れる繁華街や市街地は、子どもにとって、リスクに満ちているが、対人トラブルも見逃せない。 篠田祐子さん(仮名・40代)は、当時新宿区のタワマンに家族で住んでおり、そこは子どもでも少し自転車を走らせれば歌舞伎町に行くことができる距離だったという。「学校が休みだったある日の午前中、子どもと一緒にそれぞれ自転車で走っていたら、前方を朝帰りらしいホスト風の男6人が一列に横に並んで歩いていました。 通れないので、小学校低学年の息子が自転車のベルをチリンチリンと鳴らしたところ、ホストの1人が『チリンチリンうるせーんだよ! このチンチン野郎!』と子どもに激ギレ。 息子は負けずに『だって道を空けてくれないんだもん。僕は悪くない』と言い返したのですが、そのホストが『このクソガキ』と肩を怒らして近づいてきたんです」 いい大人が子ども相手にする言動ではないが、なにせ相手は酔っぱらいだ。しかも、仲間がいるのでよりイキリっぷりに拍車がかかっている。「このままだと子どもがボコボコにされると思ったので、『うちの子がすいません!』と形だけ頭を下げて、息子の自転車を引っ張って連れ去り、事なきを得ました。私が一緒で本当によかったです」 このように子育てに危険はつきもの。いつになっても親の気苦労は絶えないのだ。(清談社)
このように車や自転車などが溢れる繁華街や市街地は、子どもにとって、リスクに満ちているが、対人トラブルも見逃せない。
篠田祐子さん(仮名・40代)は、当時新宿区のタワマンに家族で住んでおり、そこは子どもでも少し自転車を走らせれば歌舞伎町に行くことができる距離だったという。
「学校が休みだったある日の午前中、子どもと一緒にそれぞれ自転車で走っていたら、前方を朝帰りらしいホスト風の男6人が一列に横に並んで歩いていました。
通れないので、小学校低学年の息子が自転車のベルをチリンチリンと鳴らしたところ、ホストの1人が『チリンチリンうるせーんだよ! このチンチン野郎!』と子どもに激ギレ。
息子は負けずに『だって道を空けてくれないんだもん。僕は悪くない』と言い返したのですが、そのホストが『このクソガキ』と肩を怒らして近づいてきたんです」
いい大人が子ども相手にする言動ではないが、なにせ相手は酔っぱらいだ。しかも、仲間がいるのでよりイキリっぷりに拍車がかかっている。
「このままだと子どもがボコボコにされると思ったので、『うちの子がすいません!』と形だけ頭を下げて、息子の自転車を引っ張って連れ去り、事なきを得ました。私が一緒で本当によかったです」
このように子育てに危険はつきもの。いつになっても親の気苦労は絶えないのだ。
(清談社)