『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」は、健康の悩みなどを解決していきます。1月6日放送の相談は「低血圧で朝ご飯が食べられない」(45歳・女性)です。女性は心当たりのある方も多いのではないでしょうか?この質問に心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が回答します。 朝が苦手で困る まずは相談者のおたよりです。「小さい頃から朝が苦手です。体内時計のせいなのか、まわりの人からは低血圧だと言われます。確かに血圧は高くなく、歳をとれば高くなると言われますが、いくつになれば高くなるのでしょうか?

本当に毎朝倒れそうなくらいで気持ち悪い。たぶん今まで朝ご飯をまともに食べたことはありません。なんとかならないでしょうか?朝スッキリ起きて、朝ご飯を食べられる方法があれば、教えてください」病気ではなさそうですが、本人には切実な悩みです。 「低血圧は朝苦手」はホント? 低血圧の人は朝が苦手とよく言われますが、これは事実なのでしょうか?吉田先生「ネット上にはたくさん記事が出ています。私が念のため論文を調べなおしましたがそういうことを示す医学研究はないです。健康診断の血液診断の血圧データと、朝が得意か苦手かを照合した研究がいくつかありますが、『相関はない』という結論でした」「いわゆる都市伝説なんですね?」と確認する北野誠に対し、「まったくウソです」ときっぱりと答える吉田先生です。 血圧ではなく自律神経 朝が弱い人のメカニズムについて答える吉田先生。吉田先生「寝ている時は、頭から足まで心臓と同じ高さです。血液が簡単に届きます。起き上がったら、下半身に血液がたまり、一番高い脳には血液が届かなくなります。そこで人体は自律神経の作用で下半身の血管をきゅっと縮めて、血圧を維持して、血液を脳まで届けています。この自律神経の作用がうまく働かないと、血圧が一時的にストンと下がってしまう。上の血圧が20以上、下の血圧が10以上下がる場合を『起立性低血圧』と言います。脳は血液の不足で脳貧血になって、ふらふらしたり、ぼーっとしたりしますから、当然朝は苦手になります」『起立性低血圧』という状況は高血圧の人にとっても当てはまるそうです。自律神経の作用が悪くなると、血圧が維持できなくなり、朝が苦手になります。高血圧、低血圧の問題ではなくて、自律神経の問題だとか。 思春期に体内時計は壊れる 朝食を食べられないのは、Aさんが指摘する「体内時計」が原因なのでしょうか?吉田先生「これは大いに関係しています。夜、寝ている間は血管の調整は必要ないので、その部分の自律神経は休んでいます。脳の中にある体内時計が『朝が来たな』と感じると、コルチゾールというホルモンを増やして血圧を調整する準備をしているので、朝は快適に起きられるわけです」なぜ体内時計が壊れていくのでしょうか?吉田先生「みんな思春期になると性ホルモンが急に増えて、体内時計がかく乱されて、早寝早起きだった小学生が、夜更かししだします。これは動物としての本能です。さらに現代は照明器具で夜も明るいし、スマホを見ることで脳が刺激をうけて、体内時計が昼だと勘違いしてしまいます。だから夜はできるだけ室内を暗くして、スマホやパソコンも見ない方がいいです」吉田先生によれば、寝る時に落語など音だけを聴くことは、脳をリラックスさせて睡眠に効果があるそうです。 レモンジュースを飲む Aさんの相談です。すっきり目覚めて朝食も食べられるにはどうすればいいのでしょうか?吉田先生「まずレモンジュースを飲んでください。レモンの果汁にはリモネンという成分が含まれていて、これが体内時計の調節を助ける働きを持っているとわかってきました。また脳だけではなくて、肝臓にも体内時計があって、朝起きていったん血糖値を上げると、体内時計が正しく調節されることが解明されました。だから糖分が入った甘いレモンジュースを、はじめは少量から飲んでいただきたいです。オレンジジュースやみかんジュースでもいいです」なお、糖尿病の方がこの方法をとることは「絶対にいけない」とのことです。 陽の光を見る 北野誠が朝起きたら心がけているのは、カーテンを開けて陽の光を見るようにしているとのこと。吉田先生「それは100点です。目に光が入ると、脳の体内時計が修正を受けて元に戻るということがあります。患者さんにおすすめしているのは、朝起きたらコンビニに行くことです。外は明るいし、コンビニは店内が明るいです。さらに店内も視覚的に脳を刺激するようにレイアウトされています。だから、体内時計が一気に活動モードになります。朝が苦手な人は、起きたら陽の光を浴びて、甘いレモンジュースを飲むことから始めるといいようです。(みず) 北野誠のズバリ2023年01月06日14時13分~抜粋(Radikoタイムフリー)
『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」は、健康の悩みなどを解決していきます。1月6日放送の相談は「低血圧で朝ご飯が食べられない」(45歳・女性)です。女性は心当たりのある方も多いのではないでしょうか?この質問に心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が回答します。
まずは相談者のおたよりです。
「小さい頃から朝が苦手です。体内時計のせいなのか、まわりの人からは低血圧だと言われます。確かに血圧は高くなく、歳をとれば高くなると言われますが、いくつになれば高くなるのでしょうか?
本当に毎朝倒れそうなくらいで気持ち悪い。たぶん今まで朝ご飯をまともに食べたことはありません。なんとかならないでしょうか?朝スッキリ起きて、朝ご飯を食べられる方法があれば、教えてください」
病気ではなさそうですが、本人には切実な悩みです。
低血圧の人は朝が苦手とよく言われますが、これは事実なのでしょうか?
吉田先生「ネット上にはたくさん記事が出ています。私が念のため論文を調べなおしましたがそういうことを示す医学研究はないです。
健康診断の血液診断の血圧データと、朝が得意か苦手かを照合した研究がいくつかありますが、『相関はない』という結論でした」
「いわゆる都市伝説なんですね?」と確認する北野誠に対し、「まったくウソです」ときっぱりと答える吉田先生です。
朝が弱い人のメカニズムについて答える吉田先生。
吉田先生「寝ている時は、頭から足まで心臓と同じ高さです。血液が簡単に届きます。起き上がったら、下半身に血液がたまり、一番高い脳には血液が届かなくなります。
そこで人体は自律神経の作用で下半身の血管をきゅっと縮めて、血圧を維持して、血液を脳まで届けています。
この自律神経の作用がうまく働かないと、血圧が一時的にストンと下がってしまう。上の血圧が20以上、下の血圧が10以上下がる場合を『起立性低血圧』と言います。脳は血液の不足で脳貧血になって、ふらふらしたり、ぼーっとしたりしますから、当然朝は苦手になります」
『起立性低血圧』という状況は高血圧の人にとっても当てはまるそうです。自律神経の作用が悪くなると、血圧が維持できなくなり、朝が苦手になります。高血圧、低血圧の問題ではなくて、自律神経の問題だとか。
朝食を食べられないのは、Aさんが指摘する「体内時計」が原因なのでしょうか?
吉田先生「これは大いに関係しています。夜、寝ている間は血管の調整は必要ないので、その部分の自律神経は休んでいます。
脳の中にある体内時計が『朝が来たな』と感じると、コルチゾールというホルモンを増やして血圧を調整する準備をしているので、朝は快適に起きられるわけです」
なぜ体内時計が壊れていくのでしょうか?
吉田先生「みんな思春期になると性ホルモンが急に増えて、体内時計がかく乱されて、早寝早起きだった小学生が、夜更かししだします。これは動物としての本能です。
さらに現代は照明器具で夜も明るいし、スマホを見ることで脳が刺激をうけて、体内時計が昼だと勘違いしてしまいます。だから夜はできるだけ室内を暗くして、スマホやパソコンも見ない方がいいです」
吉田先生によれば、寝る時に落語など音だけを聴くことは、脳をリラックスさせて睡眠に効果があるそうです。
Aさんの相談です。すっきり目覚めて朝食も食べられるにはどうすればいいのでしょうか?
吉田先生「まずレモンジュースを飲んでください。レモンの果汁にはリモネンという成分が含まれていて、これが体内時計の調節を助ける働きを持っているとわかってきました。
また脳だけではなくて、肝臓にも体内時計があって、朝起きていったん血糖値を上げると、体内時計が正しく調節されることが解明されました。
だから糖分が入った甘いレモンジュースを、はじめは少量から飲んでいただきたいです。オレンジジュースやみかんジュースでもいいです」
なお、糖尿病の方がこの方法をとることは「絶対にいけない」とのことです。
北野誠が朝起きたら心がけているのは、カーテンを開けて陽の光を見るようにしているとのこと。
吉田先生「それは100点です。目に光が入ると、脳の体内時計が修正を受けて元に戻るということがあります。
患者さんにおすすめしているのは、朝起きたらコンビニに行くことです。外は明るいし、コンビニは店内が明るいです。さらに店内も視覚的に脳を刺激するようにレイアウトされています。だから、体内時計が一気に活動モードになります。
北野誠のズバリ2023年01月06日14時13分~抜粋(Radikoタイムフリー)