大阪湾の淀川河口付近で見つかったクジラは12日、当初の発見場所近くに留まったままほとんど動きを見せなくなった。
専門家は呼吸する様子が長時間みられないとして、すでに死んでいる可能性が高いとの見方を示した。
クジラはマッコウクジラとみられる。東京海洋大の中村玄助教(鯨類学)によると、一般的にマッコウクジラは10分に1度呼吸のために潮を吹くが、息を止められるのは最長でも1時間程度。クジラはこの日、ほとんど動かなくなったとして「呼吸する様子が長時間ないということは、すでに死んでいる可能性が高い」(中村氏)。
クジラには反響音から周囲の様子を把握する能力があるが、中村氏は今回のクジラについて「何らかの異常があったのだろう」と推測。動きも少なく本来の生息域ではない場所に留まっていることから、当初から衰弱していた可能性が高いとみている。
大阪市が今後の対応を検討している。中村氏はマッコウクジラは腐敗が早く、周辺への影響も懸念されるとして「もし死んでいるのであれば早急に陸上げする必要がある」と話した。