埼玉県飯能市で家族3人が殺害された事件で、新たな証言です。関連性は不明ですが、近隣の住民が取材に対し、「自分の車も傷付けられた」と語りました。
■住民「ルール守ってた」「近隣トラブルない」
ウィリアム・ビショップさん一家3人が殺害されてから5日。殺人の疑いで逮捕された斎藤淳容疑者(40)は、いまだ黙秘を続けています。
およそ30年前、両親と姉の4人でこの家に引っ越してきた斉藤容疑者。
斎藤容疑者の父親:「本当に学生時代も友達思いのところがありましてね。口数は少ないんですが、優しい子でした」
カーポートには車が1台。しばらく動かした様子はなく、ボンネットには、ほこりがたまり、屋根は所々はがれています。
2階には、警察が訪れた際、斎藤容疑者がドアを開かないようにし、一時立てこもった部屋があります。
近所の人は、斎藤容疑者の生活ぶりについて、こう話します。
近所の住民:「(Q.ゴミ出しの日とか、そういうルールは?)守ってましたね」「(Q.トラブルとかは?)なかったです。周りは。あいさつはしてたんですけどね。たまに外出てるとね」
さらに、こんな一面もあったということです。
近所の住民:「野菜とか庭でね、作ってたけどね。優しい人だったよ。見るからにはね」
庭には、かつて野菜を栽培していたような跡に、黒いゴムシートのようなものが掛かっていました。
■容疑者宅から殺害現場まで“46秒の距離”
斎藤容疑者の自宅と、ビショップさん一家の自宅までの距離を歩いて測ってみます。
きちっと区画された、閑静な住宅街。クリスマスの朝、斎藤容疑者はこの道をどのような思いで歩いて、犯行現場に向かったのでしょうか。
規制線の奥にある、白い家がビショップさんの自宅です。時間は、歩いて46秒でした。
2つの家は、かなり近い位置関係にあることが分かります。
■「俺の車にも傷」近隣住民が“被害届”
ビショップさん一家と斎藤容疑者の間には、車の傷を巡り、トラブルが起きていました。現場を取材すると、近所の男性から、こんな証言が出てきました。
近所の住民:「去年6月ごろか。俺の車ね、後ろだけ傷付けられちゃった」
男性の自宅は、斎藤容疑者の自宅からおよそ500メートル離れていて、男性は斎藤容疑者と面識はないといいます。
車の傷は、車体の後方で、落書きのように付けられていたといいます。男性は、警察に被害届を出し、捜査を依頼しました。
近所の住民:「うちが恨まれると嫌じゃん。だから、あの容疑者捕まる当日、おれ(警察に)電話したんだよ。『関わりあるんですか?』って、そしたらお答えできないと」
この件に、斎藤容疑者が関係していたかどうかは不明ですが、今のところ犯人は分かっていません。
■黙秘の理由…行動の大きさに対し動機が小さい
斎藤容疑者の黙秘によって、動機の解明が難航している一家3人殺害事件。なぜ、頑なに沈黙を守っているのでしょうか。
刑務所や少年鑑別所などで1万人以上の犯罪者を心理分析してきた専門家は、行動の大きさに対して、動機があまりにも小さいことが黙秘の理由ではないかと分析します。
犯罪心理学者・出口保行氏:「自分が動機の部分を話すことによって、何でそんなことをしたんだという非難であったりとか、自分に対する悪評というのを、さらに生むのではないかと思って、今のところは黙秘を続けている」