大手広告会社・電通(東京)の新入社員だった高橋まつりさんが長時間労働による過労で24歳の時に命を絶ってから、25日で7年となる。
母親の幸美さん(59)が手記を公表し、まな娘の死後に労働環境の改善が進んできたとして、「(改善の)取り組みがまつりの生きている時に行われていたら、まつりはいまも生きて自分の人生を歩んでいたのではないかと思うと無念でなりません」と思いを明かした。
手記で幸美さんは、まつりさんが自殺した2015年12月の出来事を振り返った。中旬に東京都内で会ったまつりさんは、何度も「お母さん大好き」と抱きしめてくれた。都内のビル展望台に上り、密集する建物の窓から明かりが漏れる夜景を見た時、まつりさんは「東京の夜景はわたしたちの残業でできているんだよ」と笑って言ったという。
「(それから)10日後のクリスマスの夜、氷のように冷たくなったまつりに会いに行くことになろうとはまさか思いませんでした」。幸美さんはそう記し、「働いている人はどうかぎりぎりまで我慢しないでSOSを出してください。大切な家族が苦しんでいたとしたらどうか高橋まつりのことを思い出して全力で守ってください」と訴えた。
幸美さんは、がんの闘病中で、今年9月には手術を受けたという。手記を「元気になって、誰もが安心して働き、若者たちが希望を持って人生をおくれる国になるよう、これからもまつりと共に力を尽くしてまいります」と結んだ。