当時厚生労働省「ナンバー2」の副大臣だった橋本岳(がく)衆院議員(48)と、「ナンバー3」の政務官だった自見英子(はなこ)参院議員(46)の不倫関係が「週刊文春」に報じられたのが2020年7月のこと。二人は“略奪婚”の末、12月23日に東京大神宮で結婚式・披露宴を挙行。見事ゴールインとなったわけだが、このタイミングで新たに自見議員の“公職選挙法違反疑惑”が飛び出した。
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【写真を見る】照れくさそうな笑みを浮かべる二人 不倫“略奪婚”の末に入籍&挙式 2人は2019年9月の内閣改造に伴って、それぞれ厚労省のナンバー2と3である副大臣と政務官に就任。 新型コロナウイルスのパンデミックが始まる3カ月ほど前のことだった。自民党の自見英子参院議員 その新型コロナウイルスをめぐって、ダイヤモンド・プリンセス号で陣頭指揮を執っていたことから、二人の密接な関係については「ダイヤモンド・プリンセス不倫」などと当てこする声もあった。「付き合っているって言われても仕方ないのかな」 橋本氏の父親は橋本龍太郎元首相、祖父は、橋本龍伍元厚生相・文部相、自見氏の父親は医師でもある自見庄三郎元郵政相と、いずれも政界のサラブレッドである。 不倫報道が出た時点で、橋本氏は既婚者で2男2女、4児の父、自見氏は未婚だった。 当時、既婚者だった橋本氏との関係について自見氏は「付き合っているって言われても仕方ないのかな」「これからも変わらず二人セットで仕事をしていくと思います」 などと開き直りとも取れるコメントを残していた。 一連の報道の影響もあったのだろうか、二人は安倍政権の退陣後に、共に厚労省ナンバー2と3の座を離れた。 そして昨年末、橋本氏は前妻と離婚し、自見氏と入籍。 1年を経てようやく東京大神宮で結婚式・披露宴を行い、ついに“略奪婚”を成就させたのだった。夏の参院選での“公職選挙法違反疑惑” その経緯はさておき、正式に離婚の後に再婚した二人は立派な夫婦。“新たな門出”を祝福したいところだが、その再スタートにおめでたくない問題が浮上した。 それが、自見氏の“公職選挙法違反疑惑”だ。 週刊新潮が入手した「参院選振り返りレポート」なる一冊の書類によると、22年7月の参院選において、自見英子事務所はとある企業X社に対し、SNS用の動画制作などを依頼したことがわかる。 後にX社が提出したレポートには、〈自見先生を知らなかった人たちに(略)身近で、近づきやすい人物像をアピール〉 など、選挙戦の「戦略」や「方針」と取れる記述が見当たる。 実は、これ自体に問題がある。 総務省が公表しているガイドラインによると、〈業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払いは買収となるおそれが高い〉 とあるのだ。要するに、選挙運動の戦略を担う業者に報酬を支払うと、買収とみなされることがあるということになる。 実際、公職選挙法に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏がこのレポートに目を通した限りでは、「X社が主体的に選挙に参加していたと読み取れるため、公選法第221条に違反している疑惑が生じます」 とのこと。589万円にものぼるX社への報酬が記載漏れ 一方、自見氏側は、週刊新潮の取材に対してこの行為は法に触れないと主張しているのだが、疑惑はこれだけにとどまらない。 そもそも自見事務所は589万円にものぼるX社への報酬を、選挙運動費用収支報告書に記載していなかったのである。「X社への支出は広告費に該当すると思われますが、自見政務官が提出した報告書では、広告費の合計は430万円ほど。一社だけでそれを上回る589万円以上の支出を記載漏れすることなどあり得ません。買収だから故意に記入しなかったのではないでしょうか」(上脇教授) 12月27日発売の「週刊新潮」では、自見議員の疑惑について、写真付きで詳報する。撮影・本田武士「週刊新潮」2023年1月5・12日号 掲載
2人は2019年9月の内閣改造に伴って、それぞれ厚労省のナンバー2と3である副大臣と政務官に就任。
新型コロナウイルスのパンデミックが始まる3カ月ほど前のことだった。
その新型コロナウイルスをめぐって、ダイヤモンド・プリンセス号で陣頭指揮を執っていたことから、二人の密接な関係については「ダイヤモンド・プリンセス不倫」などと当てこする声もあった。
橋本氏の父親は橋本龍太郎元首相、祖父は、橋本龍伍元厚生相・文部相、自見氏の父親は医師でもある自見庄三郎元郵政相と、いずれも政界のサラブレッドである。
不倫報道が出た時点で、橋本氏は既婚者で2男2女、4児の父、自見氏は未婚だった。
当時、既婚者だった橋本氏との関係について自見氏は
「付き合っているって言われても仕方ないのかな」
「これからも変わらず二人セットで仕事をしていくと思います」
などと開き直りとも取れるコメントを残していた。 一連の報道の影響もあったのだろうか、二人は安倍政権の退陣後に、共に厚労省ナンバー2と3の座を離れた。
そして昨年末、橋本氏は前妻と離婚し、自見氏と入籍。
1年を経てようやく東京大神宮で結婚式・披露宴を行い、ついに“略奪婚”を成就させたのだった。
その経緯はさておき、正式に離婚の後に再婚した二人は立派な夫婦。
“新たな門出”を祝福したいところだが、その再スタートにおめでたくない問題が浮上した。
それが、自見氏の“公職選挙法違反疑惑”だ。
週刊新潮が入手した「参院選振り返りレポート」なる一冊の書類によると、22年7月の参院選において、自見英子事務所はとある企業X社に対し、SNS用の動画制作などを依頼したことがわかる。
後にX社が提出したレポートには、
〈自見先生を知らなかった人たちに(略)身近で、近づきやすい人物像をアピール〉
など、選挙戦の「戦略」や「方針」と取れる記述が見当たる。
実は、これ自体に問題がある。
総務省が公表しているガイドラインによると、
〈業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払いは買収となるおそれが高い〉
とあるのだ。要するに、選挙運動の戦略を担う業者に報酬を支払うと、買収とみなされることがあるということになる。
実際、公職選挙法に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏がこのレポートに目を通した限りでは、
「X社が主体的に選挙に参加していたと読み取れるため、公選法第221条に違反している疑惑が生じます」
とのこと。
一方、自見氏側は、週刊新潮の取材に対してこの行為は法に触れないと主張しているのだが、疑惑はこれだけにとどまらない。
そもそも自見事務所は589万円にものぼるX社への報酬を、選挙運動費用収支報告書に記載していなかったのである。
「X社への支出は広告費に該当すると思われますが、自見政務官が提出した報告書では、広告費の合計は430万円ほど。一社だけでそれを上回る589万円以上の支出を記載漏れすることなどあり得ません。買収だから故意に記入しなかったのではないでしょうか」(上脇教授)
12月27日発売の「週刊新潮」では、自見議員の疑惑について、写真付きで詳報する。
撮影・本田武士
「週刊新潮」2023年1月5・12日号 掲載