「岸田降ろし」の狼煙なのか。25日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した自民党の萩生田政調会長の発言が波紋を広げている。
大阪府・吉村知事“うがい薬研究”こっそり終了…「コロナに効く」ドヤ顔発言やはり嘘だった 岸田首相が掲げる防衛費増額のための増税について、萩生田氏は「明確な方向性が出た時には国民に判断してもらう必要がある」と言い、増税を行う前に衆院解散・総選挙で国民に信を問うべきだとの考えを示した。 正論ではあるが、支持率が低迷する岸田首相が解散・総選挙に踏み切れば、議席を減らすことは確実。

それを分かっていながら、支える立場の政調会長が解散に言及したのは、岸田首相に対する揺さぶりに他ならない。「選挙公約になかった増税をいきなり言い出した岸田首相に対する党内の不満はかなりのものです。増税するなら選挙で問うべきという萩生田氏の主張はもっともで、岸田首相は分が悪い。世論も味方につけ、党内の増税反対派にアピールすることが狙いでしょう。ただし、テレビに出て花火を上げるだけでなく、実際に党内の増税反対派をまとめることができるのか。萩生田氏を頼る増税反対派からは、党内議論も玉虫決着で結局は萩生田氏は腰砕けになったと見られています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏) 岸田首相が打ち出した「防衛増税」に反対している議員の多くは、萩生田氏が所属する安倍派だ。党内議論でも、萩生田自身が先頭に立って「(増税話を)統一地方選前に出すのは大きなマイナス」「国債の選択肢も排除しない」と騒いでいたのだが、「最後はオレがまとめた」と自分の手柄にしている。「総理は萩生田さんに安倍派と党内を増税容認でまとめるよう頼んだのに、政調会長が反対論をあおるようなことをして、党内は紛糾し、収拾がつかなくなってしまった。党をまとめられないどころか、増税反対派を勢いづかせた萩生田さんに総理は激怒し、政調会長を交代させると息巻いていました」(官邸関係者) 秋葉復興相ら問題閣僚を交代させるために、岸田首相は通常国会前の内閣改造を考えているとされるが、実は一番代えたがっているのが政調会長だというのだ。萩生田氏の解散発言には、人事を牽制する意味もあったのだろう。菅前首相も足並みをそろえる「ここで萩生田を交代させれば、増税反対派が黙っていない。増税の是非をめぐる溝が深まって党が割れかねない状況です。防衛増税は、いつ岸田降ろしの党内政局に発展してもおかしくない火種になってしまった」(自民党ベテラン議員) 気になるのは、萩生田氏と歩調を合わせるように、鳴りを潜めていた菅前首相が公然と岸田批判を繰り出し始めたことだ。萩生田氏と気脈を通じる菅氏は“岸田嫌い”でも知られる。21日の「BS11リベラルタイム」に出演した菅氏は、岸田首相の増税方針を「唐突だ」と非難。防衛費増額の財源は「行革などを進めた上で、国民に『これだけ足りない』と説明すべきだ」と注文を付けた。 安倍派と連携する菅グループ、二階派などの非主流派が結集すれば、党内の半数を上回る。増税反対を旗印に岸田包囲網が敷かれつつあるのか。
岸田首相が掲げる防衛費増額のための増税について、萩生田氏は「明確な方向性が出た時には国民に判断してもらう必要がある」と言い、増税を行う前に衆院解散・総選挙で国民に信を問うべきだとの考えを示した。
正論ではあるが、支持率が低迷する岸田首相が解散・総選挙に踏み切れば、議席を減らすことは確実。
それを分かっていながら、支える立場の政調会長が解散に言及したのは、岸田首相に対する揺さぶりに他ならない。
「選挙公約になかった増税をいきなり言い出した岸田首相に対する党内の不満はかなりのものです。増税するなら選挙で問うべきという萩生田氏の主張はもっともで、岸田首相は分が悪い。世論も味方につけ、党内の増税反対派にアピールすることが狙いでしょう。ただし、テレビに出て花火を上げるだけでなく、実際に党内の増税反対派をまとめることができるのか。萩生田氏を頼る増税反対派からは、党内議論も玉虫決着で結局は萩生田氏は腰砕けになったと見られています」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
岸田首相が打ち出した「防衛増税」に反対している議員の多くは、萩生田氏が所属する安倍派だ。党内議論でも、萩生田自身が先頭に立って「(増税話を)統一地方選前に出すのは大きなマイナス」「国債の選択肢も排除しない」と騒いでいたのだが、「最後はオレがまとめた」と自分の手柄にしている。
「総理は萩生田さんに安倍派と党内を増税容認でまとめるよう頼んだのに、政調会長が反対論をあおるようなことをして、党内は紛糾し、収拾がつかなくなってしまった。党をまとめられないどころか、増税反対派を勢いづかせた萩生田さんに総理は激怒し、政調会長を交代させると息巻いていました」(官邸関係者)
秋葉復興相ら問題閣僚を交代させるために、岸田首相は通常国会前の内閣改造を考えているとされるが、実は一番代えたがっているのが政調会長だというのだ。萩生田氏の解散発言には、人事を牽制する意味もあったのだろう。
「ここで萩生田を交代させれば、増税反対派が黙っていない。増税の是非をめぐる溝が深まって党が割れかねない状況です。防衛増税は、いつ岸田降ろしの党内政局に発展してもおかしくない火種になってしまった」(自民党ベテラン議員)
気になるのは、萩生田氏と歩調を合わせるように、鳴りを潜めていた菅前首相が公然と岸田批判を繰り出し始めたことだ。萩生田氏と気脈を通じる菅氏は“岸田嫌い”でも知られる。21日の「BS11リベラルタイム」に出演した菅氏は、岸田首相の増税方針を「唐突だ」と非難。防衛費増額の財源は「行革などを進めた上で、国民に『これだけ足りない』と説明すべきだ」と注文を付けた。
安倍派と連携する菅グループ、二階派などの非主流派が結集すれば、党内の半数を上回る。増税反対を旗印に岸田包囲網が敷かれつつあるのか。