裁判長「どんな公訴事実か理解していますか」
被告「はい、わかっています」
裁判長「意見を述べてください」
被告「起訴された事実はすべて争います! 私は詐欺を企てておりません!」
22年12月20日に福岡地裁で開かれた初公判。詐欺罪に問われている大阪府の寝屋川市議・吉羽美華被告(42)は、起訴事実を否認して無罪を強く主張した。自身の潔白を証明するためか、吉羽被告は上下真っ白なスーツという「勝負服」で法廷に姿をみせる。冨田敦史・裁判長に職業を聞かれると「市議会議員です!」と、大きな声で答えた。
「吉羽被告ら犯行グループ5人は、新型コロナウイルスにより業績が悪化した医療関係施設を支援する公的融資制度を利用し、虚偽の説明をして多額の現金を得たとされるんです。被害にあったのは、大阪・堺市にある福祉施設A社。グループは20年7月から12月にかけ、A社が受けた国からの融資額の半分を『手数料』の名目で騙しとったとか。その額は2億円以上になります」(全国紙社会部記者)
吉羽被告は法廷で、こうも訴えた。
「渡部と共謀したことはありません。私は渡部に騙された。詐欺師の渡部に利用され加担したと誤解されるのは、誠に無念で残念です」
「渡部」とは、詐欺事件の共犯で逮捕、起訴された渡部秀規被告(48)のことだ。渡部被告は、吉羽被告との共謀を含め起訴内容をすべて認めている。
「吉羽被告の主張の真偽は今後の裁判で明らかになるでしょうが、彼女がなにかとお騒がせな議員であることは間違いありません。07年の初当選直後には、政治資金を集めるためという名目で『Mika Yoshiba』という写真集を発売。水着などの写真はありませんでしたが、女優の作品のような美しい内容でした。500部出版した1冊1000円の写真集は、たちまち完売し増刷をしたそうです。
都内ではイベント運営会社を経営しており、かなり羽振りがよかったのでしょう。黄色い派手なベンツで、たびたび登庁。こだわりがあるのか、議員バッジは胸元ではなく派手にデコレーションされた携帯電話のストラップにつけていました」(寝屋川市議会関係者)
吉羽被告は東京や大阪で、芸能や音楽関係者の華やかなイベントに参加する姿をたびたび目撃されている(関連画像参照)。彼女にはタニマチがいたようだ。
「もう亡くなりましたが、食品関係の社長に可愛がられていましたね。社長に連れられて、さまざまなパーティやイベントに参加していました。芸能事務所のトップとも、交流があったようです。トップの誕生日パーティではマイクを持ち、お祝いの言葉を述べていました」(芸能プロダクション関係者)
法廷では全面的に戦う姿勢をみせた吉羽被告。検察側は次回以降の公判で、起訴事実を裏づける証拠を多数提示する予定だという。