サッカー日本代表がカタールW杯グループリーグの初戦(23日)で優勝候補にも挙げられる強豪ドイツを撃破。歴史的勝利に大阪のサポーターも沸いた。
日本代表戦のたびに爐祭り騒ぎ瓩繰り広げられてきたミナミの戎橋では、4年前のロシアW杯の際、サポーターが道頓堀にダイブしたり、橋の上で飛び跳ねることで、橋が鈍く振動した。
韓国・梨泰院で起きた死亡事故もあり、大阪市の松井一郎市長は「飛び跳ねや飛び込みなどの行為は危険を伴いますので絶対に止めてください」と事前警告。大阪府警も100人態勢での警備を明かしていたが、試合終了10分ほど前に警察官が現れ、橋周辺の配置についた。
そして、試合終了から約10分後、周辺のスポーツバーで歴史的勝利に酔いしれたサポーターが続々と戎橋に集結。「オー、ニッポーン!」と歌いながら橋の上に進入したが、たちまち警察官が笛を吹きながら近づき、「道を空けてください。立ち止まることなく移動してください」と密集を阻止しながら動線を確保した。
その後も次々と集まったサポーターの数は数百人。あちこちでハイタッチ、ハグが交わされていたが、一定数の集まりができると警察が笛やスピーカー、拡声器で警告したため、「オフサイドかよ」「もっと集まれ」とテンションが上がるサポーターや、「楽しんでるのに、何で止めるんだ?」と警察に聞く外国人もいた。
サポーターと警察との小競り合いが散発的に続き、警察が「もうそろそろ電車なくなるよー」と散開を促し始めた午前0時半ごろ、戎橋上でサポーター2人が太鼓を叩いたのを合図に「オー、ニッポーン!」とこの日一番の大合唱。現場はカオスとなったが、警察がたちまち戎橋から追いやった。
太鼓を叩いていたサポーターは「12年前からやってるし、歴史的勝利やからね。橋の上ではアカンって言われたからこっちでやった。マン・オブ・ザ・マッチは堂安やけど、ベストは森保監督の采配かな。初戦がすべてなので勝ててうれしい」と語った。
結局、警察は戎橋周辺での騒ぎには多少、大目に見た感はあったものの、橋の上での騒ぎは完全阻止した。この日は、ロシア大会ほどの混乱は起きなかったが、当時も初戦のコロンビア戦に勝利したことで、残りの試合での盛り上がりに火が付いただけに、府警の警戒はしばらく続くことになりそうだ。