宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日午前9時50分、固体燃料ロケット「イプシロン」6号機を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。
しかし、上昇中にロケットの姿勢制御にトラブルが生じ、JAXAは「衛星を軌道に投入できない」と判断。同57分に機体を破壊する信号(指令破壊信号)を送信した。ロケットはフィリピン東方の海上に落下したとみられ、打ち上げは失敗した。
同日午後、オンラインで記者会見したJAXAの山川宏理事長は「地元をはじめ、搭載衛星に関係された皆さまのご期待に応えられず、深くおわび申し上げる」と陳謝した。
JAXAによると、イプシロン6号機は打ち上げ後、第1段エンジンを正常に燃焼、分離した。第2段エンジンの燃焼も正常に行われたが、打ち上げ約6分30秒後に予定されていた第2段の分離前に、機体の姿勢に異常が判明。予定の軌道に衛星を投入できなくなり、指令破壊を決めた。