宿泊客の女性に薬を飲ませて性的暴行を加えたとして逮捕された岡山県里庄町のゲストハウス経営者、武内俊晴被告(48)(準強制性交罪で起訴)が、別の女性に対する容疑で再逮捕された。
武内被告が経営していたのは、全国から利用者が集まる人気の宿だったが、近隣住民からは「トラブルが絶えなかった」との声もあがる。
県警の発表では、武内被告は2020年7月、宿泊した京都府の30歳代女性に、睡眠作用のある薬物を飲ませ、抵抗できない状態にしてわいせつ行為や性的暴行をしたとして、準強制性交と準強制わいせつの両容疑で10日に再逮捕された。「行為は同意の上だった」と容疑を否認しているという。ゲストハウスの捜索で女性客を撮影したとみられる画像などが複数見つかっており、ほかに被害がなかったか、県警は画像の解析を進めている。
◇ 「付近を旅行するときはいつも利用している」「夕食の鍋が絶品」――。武内被告が経営する「Cafe&GuestHouse凸屋(とつや)」を紹介する大手旅行サイトの口コミ欄には、利用者からの称賛の声が並ぶ(現在は削除)。関係者らによると、武内被告は2018年に古民家を購入し、改装して宿を開業。囲炉裏を備えた内装や宿の名物の笠岡ラーメンが評判で、バイクのツーリングの際に宿泊する旅行客らでにぎわい、女性1人での利用も多かったという。
ただ、そうした評判をよそに、近隣住民は武内被告との接触を避けていた。近所に住む男性は土地を巡って武内被告と口論になったといい、そのほかにも「他人の畑に瓦を捨ててトラブルになった」とも証言する。男性は「女性の宿泊客には優しくしていたようだが、地元住民は近寄らないようにしていた」と語る。
武内被告の親族の男性によると、武内被告は高校卒業後、地元の電子機器製造会社の工場で働いていたが、数年前、ゲストハウスを経営するために退職した。趣味は車やバイクで旅行に行くことで、北海道などにも行っていたという。親族の男性は「料理が得意で性格はとても優しい。信じられない」と困惑していた。