タイヤを上にして、上下逆さまに置かれた大量の自転車。調べを進めると、やったのは意外な人物でした。一体何のためにやったのでしょうか。めざまし8は当事者に話を聞きました。
8月16日、三重県菰野町の菰野駅前で撮影された、自転車の写真。よく見ると、何台もの自転車のタイヤが上向きになり、逆さまの状態で置かれています。その数は写真で確認だきるだけでも、4台。これを発見した自転車の整理業務を担当する人物から「自転車の状態が異常。いたずらの領域を超えている」と、町に連絡が入りました。
いたずらと思われた行為。いったい誰がやったのでしょうか。
この問題を町議会で追及した議員を取材すると、思わぬ事実が明らかになりました。
菰野町議会・横山円吉 議員:いくら町長といえども、やっていいことと悪いことがあるんじゃないかなと。驚きましたね。地面がアスファルトですので、自転車を逆さまにしたりにするとハンドルに傷がついたり、器物損壊の恐れがあると
横山議員の追及を受けたのは、菰野町の柴田孝之町長。9月12日の町議会で、自ら移動させたものだと認めました。一体なぜ、町長がこんなことをしたのか?めざまし8は町長に話を聞きました。
菰野町・柴田孝之 町長:私がやったんですよね。皆さんがびっくりするような置き方をしたということについては、大変申し訳ないというふうに思っております。駅前に駐輪場がございます。その駐輪場は、夜じゅう置きっぱなしにされる方が、50台しか止められないのに30台以上止まっている状況で
町長によると、駅前には無料駐輪場があるものの、長時間放置される自転車が問題に。そこで6月から、駐輪場の夜間利用禁止などのルールを設定。夜間も放置されている自転車は、約15メートル離れた場所に移動させることになったといいます。
しかし町長は「職員にやらせるわけにいかない。確かに”朝5時に来て”と言えないから」と話します。自転車の放置が続くため、町長自ら早朝に現場に向かい、指定場所へ移動させたというのです。多い日は30台以上の自転車を1人で運んだといいます。
ではなぜ“逆さま”にする必要があったのでしょうか。
菰野町・柴田孝之 町長:効果的に移動させるには、あれ鍵かかっているから、転がっていかないですよね。じゃあどうするかっていうとサドルを下にして、フレームを持つと担げるんですよ。担いでいったものを下におろすと、当然下になるので。それを逆にするほどエネルギーはないわけです。30台1人でどけるんで
体力的な問題から、自転車を逆さまにして運び、そのまま置いたというのです。びっくりする置き方をしたことについて謝罪する一方で「これからも放置自転車問題には、積極的に取り組んでいく」と意気込みを語る町長。
菰野町・柴田孝之 町長:職員がこれをきっかけに手伝ってくれないかなってことは、淡い期待をしてるんですよ。次から私が行くとしてもきちんと並べますので、頑張って
町によると、年度内にも新たな駐輪場を付近に設ける方針だといいます。
(めざまし8 9月14日放送)