神奈川県厚木市で車内にきょうだいを放置して熱中症が原因で死亡させたとして、母親の長沢麗奈(れいな)容疑者(21)(厚木市長谷)が、保護責任者遺棄致死罪で起訴された。
長沢容疑者は市内の知人男性宅に滞在中、約2時間40分にわたって2人を放置したとされる。

「どうしてこんなことになってしまったのか」
長沢容疑者と離婚した男性(21)は21日、厚木市内の自宅で、力なく語った。
長沢容疑者の妊娠を機に2019年に結婚し、2人の子に恵まれた。姫梛(ひな)ちゃんはぬいぐるみを抱えて、父親の後をついて回る甘えん坊。煌翔(こうが)ちゃんは、恥ずかしがり屋の男の子。複雑な家庭環境で育った男性には「やっと手に入れた普通の幸せ」だった。
長沢容疑者は、2人をよく公園に連れて行くなど、面倒見のいい母親の一面も見せる一方、子どもが泣いてもスマートフォンでゲームに没頭しがちなことも。「数少ない息抜きなのだろう」と思っていたが、事件が起きた今、「自分に何かできたかもしれない」と悔やむ。
5月中旬、長沢容疑者から突然別れを切り出された。音信不通となり、2人の子と会えなくなったが、「いつか、一緒にキャッチボールをするのが夢」と仕事に励んできた。だが、かなわなくなった。