岸田首相が23日、訪問先のオーストラリアから帰国した。政府専用機の機体トラブルのため、予備機を使用し、当初の予定より30分余り遅れての到着となった。
午前7時過ぎ、岸田首相を乗せ羽田空港に到着した「ボーイング777-300ER」の機体には、予備機を表す「80-1111」の番号が記されていた。
前日にオーストラリアを出発する際、岸田首相が搭乗予定の専用機で、機材トラブルが発生。
政府専用機は、不測の事態に備えて、原則2機態勢で運用しており、岸田首相らは予備機に乗り換え、約1時間40分遅れでパース空港を出発した。
過去にも首相が帰路に予備機を使用した例がある。
2016年9月に安倍首相(当時)が、アメリカ・キューバ歴訪から帰国中する際、給油地のサンフランシスコで予備機に乗り換えた。
この時は、鳥が衝突したことにより、機体にトラブルが発生したのが理由だった。鳥の衝突は「バードストライク」と呼ばれ、航空機の墜落事故の原因となる場合もある。
また、安倍氏は2019年11月、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でタイを訪問した帰路でも、予備機に搭乗している。
この時は、往路で機内のギャレー(厨房設備)で、パンを耐熱の袋に入れ温めていた際、煙が出るという“ボヤ騒ぎ”が発生。消火剤により対処し、そのまま目的地のバンコクまで航行したが、帰路は予防的措置として、首相搭乗機を予備機に変更している。