岸田首相は11日午前の参院本会議で、死刑執行に関する職務を軽視するような発言をした葉梨法相について、「改めて職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければならない」と述べ、続投させる考えを示した。
松野官房長官が10日に葉梨氏を厳重注意したことを説明し、「誤解を招くことがないよう、発言はくれぐれも丁寧に慎重に行ってもらわなければならない」とも語った。
一方、葉梨氏は11日午前の衆院法務委員会で、「職員、国民のために仕事をすることでリカバリー(回復)していかなければいけない」と語り、辞任を否定した。
自民党議員の政治資金パーティーや地元の会合で複数回、同趣旨の発言を行ったことも明らかにし、「軽率さを反省し、謝罪と撤回をする」と述べた。
葉梨氏は、9日夜に開かれた自民議員の政治資金パーティーでの発言を巡り、10日に死刑執行や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する部分は撤回していた。しかし、「法務省は票とお金に縁がない」などと語った部分は撤回していなかった。
11日の質疑では、「私の本意と異なる正確性を欠くものであったことから、明確に撤回する」と答弁し、発言の全てを撤回した。