共産党の志位和夫委員長は14日の記者会見で、5日の地方議員・候補者会議における田村智子政策委員長への不当な叱責で「警告処分」を受けた小池晃書記局長について、更迭は必要ないとの見解を示した。
また、叱責を自ら耳にしていたと説明し、当初から「まずい発言」との認識を持っていたことを明らかにした。詳しいやり取りは次の通り。

「小池書記局長のパワーハラスメントについて、私の方からも発言をしておきたい。『ハラスメント根絶』を大方針にしている共産党にとって、絶対にあってはならない言動だ。委員長としてもたいへん申し訳なく、責任を痛感している。今日の党常任幹部会で、突っ込んで自己批判、相互批判を行った。この行為は関係者の方々、国民の方々への信頼を損なう行動であって、党としてもケジメが必要だという結論になった。党規約49条に基づいて『警告処分』という決定をした。小池氏からは処分内容について、正面から受け止めて、自己改革に努め、頑張っていきたいという表明があった」
「もう一点だが、常任幹部会では『常任幹部会としても弱点について反省をする必要がある』ということを議論した。特に対応が遅れたことだ。この会議が行われたのは11月5日。本来ならば11月7日の常任幹部会でこの問題の解決が図られるべきだった。ところが1週間遅れて、今日になった。常任幹部会としても対応が遅れたというのは反省点にしなくてはいけないと確認した。二度と、とりわけ、指導的立場にある者がこうしたことを繰り返さないこと、そして見逃さないこと、曖昧にしないこと、これが大事だということを今日の常任幹部会では強く確認した」
--常任幹部会としての対応が遅れた理由は
「やはりこの問題が起こって、どういう事実があったのか、それをきちんと、共有の認識にして、それがどういう性格の問題なのかという正面からの議論がやれなかったということだ。それが私たちの反省点だ。こういう問題に対する常任幹部会としての姿勢が問われる問題として、反省点として確認した」
--小池氏の問題を知ったのはいつか
「私自身、5日の会議には(新型コロナウイルス感染の影響で)参加していない。オンラインの形でも参加していない。ただ、インターネットで中継されていたので、だいたいはみていた。私の率直な認識を言うと、『まずい発言ではないかな』ということをその時に思った」
「11月7日の常任幹部会にオンラインで参加した。まずい発言だと感じたわけだから、率直に問題提起して、きちんと議論しておけばよかったなというのが私としての反省点だ」
「その後、私はずっと隔離状態が続き、詳しい事実の報告があったのは11月12日の夜。そこで初めて、どういうやりとりがあったか、ネット上で随分と批判も広がっているということを知り、『これはまずいな』と考えて、色々な対応をやったというのが経過だ」
--再発防止に向けて
「私たちの党は、誤りがあったときにはきちんとただす。今回も率直な自己批判や相互批判をやった。ケジメも党としてはつけたわけだ。それが再発を防いでいく。特にこういう問題は、とりわけ重い責任にある者が、率先してやらなくてはいけない。そういう姿勢をしっかり示して、襟をただしていくということが大事だと思っている」
--小池氏が書記局長を続けることについて
「ご本人が深く反省し、処分についても受け入れるということを述べている。私としてはそれを諒として、ぜひ、そういう立場で頑張ってほしいということで、書記局長は引き続き頑張っていただくという判断をした」
--(ネット上で)声が上がらなければうやむやになっていた可能性もある
「そういう声が上がろうと、上がるまいと、党自らがきちんと明らかにしていかなければならない問題だと思う。結果として対応が遅れたという中には弱点が…。ご本人も弱点があったと先ほど反省を述べていた。常任幹部会としても対応が遅れたことは反省点として確認したところだ」
--田村氏は次世代の女性の星だ
「問題を起こしたのは小池氏側にあると思う。今日の常任幹部会の会議でも率直な発言はあったが、田村氏としては、ご本人としては、ハラスメントと受け取らなかったというふうに発言していた。『議事にトラブル』と受け止めていたということもあって、対応がこうなったということだ。ただ、客観的にみたらハラスメントと言わざるを得ないなという認識で皆が一致したということだ。小池氏の謝罪そのものについては、田村さんは受け入れたと聞いている」