東京工業大学が2024年度から新たに設置する入試での女子枠。一般募集枠の人数を段階的に減らし、総合型選抜と学校推薦型選抜に女子枠を設置。最終的に募集人員の14%(143人)にするという。これにより、現在13%しかいない女子学生の割合を、一般入試と合わせ20%まで増やす狙いだ。
【映像】「女子枠」どう思う? 現役東工大生の反応は この件について現役の東工大生に聞いてみると、意見は分かれることに。「賛成。女性ならではの今までにないような発想が研究で出てくると非常にいい」(2年生・男性)、「賛成。女性が増えたらその後の女性の活躍にも関わってくると思うので」(2年生・男性)、「あまり賛成していない。女子枠だから入ったと思われるのがよくないと思うので。しかも男子が入れる枠が減るのもどうかと思う」(1年生・女性)、「反対。1年間浪人してる人だったら、2年以上頑張って勉強しているにもかかわらず、そういう枠を設けるのは(男子受験生が)かわいそうだと思う」(2年生・男性)。

国立大学の理系最難関とも言われる東工大が踏み切った女子枠入試の是非について、15日の『ABEMA Prime』で議論した。 山口大学工学部出身で、大手予備校などで化学講師を務める坂田薫氏は「科学技術の上に私たちの生活が成り立っているが、世の中には男性と女性の半々がいる中で、その多くを男性の発想で作っているのが現代だと思う。よりよい科学技術を作り上げていくことを考えた場合、やはり女性を増やしていかないと変わらないのではないか。この取り組みには賛成だ」とコメント。 早稲田大学理工学部出身で、ジョージタウン大学修士課程在学中の佐々木れな氏は「私も好意的に受け止めている。日本の経済は縮小傾向にあり、少子高齢化の真っただ中で人口がどんどん減っていく。日本が他国に追いついていくためには、これくらい抜本的な措置を取らないといけないと思う」と話す。 大学生の男女比を見ると、全体は男性が54.4%で女性が45.6%、文系は男性が51.4%で女性が48.6%、理系(理・工・農学部)は男性が78.3%で女性が21.7%(文部科学省「令和3年度学校基本調査」より)。 理工系学部に女性が少ない要因について、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「『理工系学部は男子が中心』『女子は理数系に弱い』など、性差による偏見が無意識に刷り込まれ進学先候補から除外される」「就職などのモデルケースとなる社会人や情報が少ない」「理系クラスでは医学部や医療系学部への進学を進められがち」だと指摘する。 女子枠創設に対して、ネット上では「男性差別」「女子枠を作らないと合格しないと思われてる?」「面接だけで入ったらレベルの低下につながる」「一般で入った女子も“女子枠”と揶揄されそう」といった批判の声もあがる。 これに坂田氏は「面接や小論文だけという推薦入試は元々、工学部に限らずそれぞれの学部にあるもの。学生が頑張ってきたことを評価して、期待するというのはありだと思う」との見解。 佐々木氏は「理系女子あるあるだと思うが、大学で『女性だからよかったね』と言われて、入社して昇進した時も『女性だから昇進が早い』、アメリカの大学に行くとなったら『女性だから受かったんだね。よかったね』と、こういうのはずっと続いてきた。アメリカはどんなトップ大学でもアドミッション・オフィス(AO)制度があって、ある程度恣意的にメンバーや人種といった多様性を確保している。これは枠があるのと同じだ。ただ結果だけを出すので、目に見えて女性枠だというものはないが、大学の介入が一定必要な場合もあると感じる」との見方を示した。 東京工科大学出身の漫画家・やしろあずき氏は「日本では大学を『遊びに行くところ』と思っている人はけっこう多い。“きらきらキャンパスライフ”“スタバでお茶を飲む”“彼氏作る”、これって文系と理系で本当に違う。文系は遊べるが、理系は研究室詰めになって遊べない。『キラキラしたインスタ女子やりたい!』という人が理系に興味があっても、『友だちもみんな行くし、遊べるし、彼氏もつくれるし、文系』ってなってしまう人は多い。その考え方から見直したほうがいいと思う」と疑問を呈する。 坂田氏は「今回、それが変わるきっかけになるかもしれない。女子が増えることで声をあげていける。『女子枠で入ったからレベルが下がる』と言われているが、逆転もあるわけだ。『女子枠すごいな』『女子枠で入った人がめちゃくちゃ活躍している』となったら、女子枠に行きたいとなる可能性だってゼロではない。だから最初の学生には頑張ってほしい」と期待を寄せた。(『ABEMA Prime』より)
この件について現役の東工大生に聞いてみると、意見は分かれることに。「賛成。女性ならではの今までにないような発想が研究で出てくると非常にいい」(2年生・男性)、「賛成。女性が増えたらその後の女性の活躍にも関わってくると思うので」(2年生・男性)、「あまり賛成していない。女子枠だから入ったと思われるのがよくないと思うので。しかも男子が入れる枠が減るのもどうかと思う」(1年生・女性)、「反対。1年間浪人してる人だったら、2年以上頑張って勉強しているにもかかわらず、そういう枠を設けるのは(男子受験生が)かわいそうだと思う」(2年生・男性)。
国立大学の理系最難関とも言われる東工大が踏み切った女子枠入試の是非について、15日の『ABEMA Prime』で議論した。
山口大学工学部出身で、大手予備校などで化学講師を務める坂田薫氏は「科学技術の上に私たちの生活が成り立っているが、世の中には男性と女性の半々がいる中で、その多くを男性の発想で作っているのが現代だと思う。よりよい科学技術を作り上げていくことを考えた場合、やはり女性を増やしていかないと変わらないのではないか。この取り組みには賛成だ」とコメント。
早稲田大学理工学部出身で、ジョージタウン大学修士課程在学中の佐々木れな氏は「私も好意的に受け止めている。日本の経済は縮小傾向にあり、少子高齢化の真っただ中で人口がどんどん減っていく。日本が他国に追いついていくためには、これくらい抜本的な措置を取らないといけないと思う」と話す。
大学生の男女比を見ると、全体は男性が54.4%で女性が45.6%、文系は男性が51.4%で女性が48.6%、理系(理・工・農学部)は男性が78.3%で女性が21.7%(文部科学省「令和3年度学校基本調査」より)。
理工系学部に女性が少ない要因について、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「『理工系学部は男子が中心』『女子は理数系に弱い』など、性差による偏見が無意識に刷り込まれ進学先候補から除外される」「就職などのモデルケースとなる社会人や情報が少ない」「理系クラスでは医学部や医療系学部への進学を進められがち」だと指摘する。
女子枠創設に対して、ネット上では「男性差別」「女子枠を作らないと合格しないと思われてる?」「面接だけで入ったらレベルの低下につながる」「一般で入った女子も“女子枠”と揶揄されそう」といった批判の声もあがる。
これに坂田氏は「面接や小論文だけという推薦入試は元々、工学部に限らずそれぞれの学部にあるもの。学生が頑張ってきたことを評価して、期待するというのはありだと思う」との見解。
佐々木氏は「理系女子あるあるだと思うが、大学で『女性だからよかったね』と言われて、入社して昇進した時も『女性だから昇進が早い』、アメリカの大学に行くとなったら『女性だから受かったんだね。よかったね』と、こういうのはずっと続いてきた。アメリカはどんなトップ大学でもアドミッション・オフィス(AO)制度があって、ある程度恣意的にメンバーや人種といった多様性を確保している。これは枠があるのと同じだ。ただ結果だけを出すので、目に見えて女性枠だというものはないが、大学の介入が一定必要な場合もあると感じる」との見方を示した。
東京工科大学出身の漫画家・やしろあずき氏は「日本では大学を『遊びに行くところ』と思っている人はけっこう多い。“きらきらキャンパスライフ”“スタバでお茶を飲む”“彼氏作る”、これって文系と理系で本当に違う。文系は遊べるが、理系は研究室詰めになって遊べない。『キラキラしたインスタ女子やりたい!』という人が理系に興味があっても、『友だちもみんな行くし、遊べるし、彼氏もつくれるし、文系』ってなってしまう人は多い。その考え方から見直したほうがいいと思う」と疑問を呈する。
坂田氏は「今回、それが変わるきっかけになるかもしれない。女子が増えることで声をあげていける。『女子枠で入ったからレベルが下がる』と言われているが、逆転もあるわけだ。『女子枠すごいな』『女子枠で入った人がめちゃくちゃ活躍している』となったら、女子枠に行きたいとなる可能性だってゼロではない。だから最初の学生には頑張ってほしい」と期待を寄せた。(『ABEMA Prime』より)