「同性愛者であることを公表した日本初の議員」として活動し、LGBT政策情報センター代表理事も務める立憲民主党所属の前衆議院議員・尾辻かな子氏が29日までに、自身のツイッターを更新。JR大阪駅に掲示されたゲーム広告への指摘が物議をかもし、正式なコメントを発表した。
尾辻氏は今月26日、駅に掲載されていた、女性の身体を強調したイラストが描かれたゲーム広告について「こんな広告が…。2022年の日本、女性の性的なイラストが堂々と駅出口で広告になるのか…」と苦言を投稿。その後、尾辻氏のもとには「キモい」「黙っとけよ老害」などの過激な言葉が書かれた脅迫文が多く届いたとつづっていた。
広告に関しては「これは女性として嫌な気持ちになる」「ただの絵だから…」「表現の自由もある」などとさまざまな議論を呼んでいた。大きな反響となったことから、尾辻氏は「上記ツイートについて、お問い合わせもあることから、コメントを出しました」として正式にツイッター内で文書を発表。文書には「JR西日本 大阪駅の御堂筋口の改札通路は大阪の玄関口のひとつであり、多くの人が通行する公共空間です。その公共空間への広告が、例えば今回は、バニーの服を着、その服が脱げかけている、胸、太もも、のきわどい露出など、女性の性の商品化に無自覚であることを示していると思いました。環境型ハラスメントの類型にもあたり得るものです。そして、広告出稿ガイドラインをパスしたことも驚きました」と率直な思いがつづられている。
続けて「広告出稿、広告掲示企業のジェンダー平等に対する社会的責任が問われています。なお、漫画『咲』の登場人物は女子高校生の設定で、パンツを履いていない絵が描かれています。マンガを読む、読まない、アニメを見る、見ないは個人の選択です。また、コラボのスマホゲームで遊ぶことも個人の選択です。そのような作品の存在、その作品を愛好する、楽しむことに異論はありません。私は上記の広告について、女性の性の商品化が顕著であり、驚いたことを表現しましたが、規制については何も言及しておりません。広告を法、条例で規制することは抑制的で慎重であるべきだと考えます。このような広告表現は、日本のジェンダー平等が達成されていないことを示す一つのシーンであると思いました。その驚きを表現したのが土曜日のツイートです。公共空間への広告について、男女の非対称性、女性の性の商品化など女性の人権について、議論になればと思いましたが、私へのレスポンスは、奇しくも今の日本の現状が可視化されることになったと思います」とした。
また「議論を通り越した脅迫や殺害予告については法的措置を取ります」と、誹謗(ひぼう)中傷のメッセージについては法的措置を講じることを発表した。