小林製薬、紅麹サプリ問題で被害を受けた人の治療費などを負担 遺族への慰謝料は1人あたり4000万円から1億円が目安か

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小林製薬の「紅麹」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された問題は、4月に入っても拡大し続けている。少なくとも31都府県で健康被害相談が寄せられており、157人が入院。関連が疑われる死者は5人おり(4月2日現在)、さらなる増加も危惧される。
【写真】小林製薬が使用中止を呼び掛けている「紅麹コレステヘルプ90粒30日分」
亡くなった5人には70~90代の男女が含まれ、そのうち1人は茨城県在住。いずれも同社の「紅麹コレステヘルプ」を摂取しており、腎臓の不調を訴えていた。渋谷内科・スキンケアクリニック院長で日本腎臓学会専門医・医学博士の渡邉智成医師が解説する。
「腎臓は、体内に必要以上にたまってしまった水分や、血液中の老廃物を取り除き、それを尿として排出する働きをしています。その機能が低下して腎不全といった状態に陥ると、命にかかわる合併症につながります」
小林製薬によると、医師から健康被害が疑われる症例の最初の報告を受けたのは、1月15日だったという。ところが、同社からの回収と使用中止の発表は、3月22日だった。
「原因物質の特定には時間がかかるため、発表まで2か月以上時間を要したのは致し方ない側面もあります。ただ、その間にもサプリの摂取を続けた人がいるのは間違いない。今後、体調不良を訴える人や、死者の増加は起こりうる」(全国紙社会部記者)
実際、問題は海外にまで飛び火した。小林製薬の紅麹原料を使ったサプリを服用し、腎不全となった人などが台湾で6人いるという。
「腎疾患について非常に多くのかたにご心痛を与え、社会問題に発展していることについて、深くお詫び申し上げます」
3月29日の会見で小林製薬の小林章浩社長はそう謝罪し、健康被害を受けた人について、治療費などの病院にかかる必要を負担する方針を示した。また、紅麹の取引先についても、商品の回収や廃棄の費用を補償するとしている。
「遺族には、謝罪と賠償の意思が示されているそうです。慰謝料は、生前受け取っていた収入をベースに金額が計算されますが、総額で1人につき4000万~1億円程度が目安になるとされています」(前出・全国紙社会部記者)
問題の発覚から、わずか2週間。健康被害は、まだ氷山の一角でしかない。
※女性セブン2024年4月18日号

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