那覇のビルに250人避難「次々と住民が」 沖縄に津波警報

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3日午前に発生した台湾付近を震源とする地震で沖縄本島地方と宮古島・八重山地方に津波警報が発令され、沖縄県各地では住民や観光客らが高台に避難した。那覇空港(那覇市)では航空機の離着陸も一時停止した。
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那覇市中心部の高台にある黄金森(くがにむい)公園には近くのオフィス街や保育園などから200人以上が続々と避難し、スマートフォンで情報収集したり、眼下の街の様子を不安そうに見たりしていた。ペットの猫2匹と避難した近くの女性(57)は「津波警報で跳び起きて化粧もせずに避難した。初めはアパート屋上に避難したが、大勢の人が高台に向かうのが見えて不安になり、この公園に来た」と話した。
沖縄県本部町の沖縄美(ちゅ)ら海水族館では、津波警報の発令を受けて館内にいた客らのスマホが一斉に鳴り響き、韓国人旅行者の集団からは悲鳴が上がった。客らは職員の誘導で近くの高台に避難した。
「ただいま津波警報が発令中です。海岸付近にいる方は今すぐ逃げてください」。高台では大音量のアナウンスが繰り返し流れた。水族館を訪れていた大阪府の女性(70)は「関東に住む孫から『大丈夫?』と連絡があった。揺れは感じなかったけれど、心配です」と話した。
高台の駐車場にはツアーバスが集結し、乗務員らが派遣元と連絡を取り合うなどして対応に追われた。添乗員は「大阪(の旅行会社)からは『とにかく海から離れろ』という指示があった。予定の行き先は全て海沿いなので、もうどこにも行けない」と困惑した様子だった。
那覇空港を管理する那覇空港ビルディングは、空港ターミナルの3階以上に利用客や職員を避難させた。建物や人的被害は確認されていない。国土交通省那覇空港事務所によると、午前9時過ぎに津波警報が出た直後から旅客機の離陸を停止し、午前9時25分以降は着陸も停止した。
那覇港そばにある那覇市津波避難ビル(高さ約25メートル)には住民ら約250人が押し寄せ、屋上に避難した。施設担当者は「揺れそのものは感じなかったが、次々と住民が避難してきている。ここは海から700~800メートルだが現時点でけが人もおらず、異変はない」と慌ただしそうに話した。【比嘉洋、長尾真希子、森永亨、栗栖由喜】

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