日本刀で指導、生徒けが 誤って剣先刺さる 剣道部顧問退職 奈良

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奈良県教委は7日、県立生駒高校(生駒市、嶋岡浩三校長)の剣道部の男性顧問(70)が日本刀(真剣)で居合道の指導を行い、2年生の男子生徒の太ももを誤って切りつけたと発表した。男子生徒は全治2~3カ月のけが。顧問は6日付で依願退職した。
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県教委によると、校内の武道場で5日、剣道部と空手部計約30人による合同の部活動があった。他の武道について学ぶためで、剣道部顧問の男性臨時講師が日本刀(刃渡り約74センチ)を使い、模造刀を手にした生徒に切りつけられた時の防御方法などを教えていた。この際に間合いを誤り、顧問が振った刀の剣先が生徒の右太ももに刺さったという。
生徒は長さ、深さとも約3センチの切り傷を負ったが、病院で治療を受けて同日中に帰宅した。松葉杖を使って歩くことが可能という。学校側は生徒と保護者に謝罪した。
県教委によると、顧問は居合道6段で、競技のために日本刀を所持・使用することが認められていた。過去に勤務していた二つの高校でも、真剣を使った演武をしたことがあった。今回は真剣の使用を校長は知らなかったという。
教職員が校内に刀剣を持ち込むことを禁止する規定はなく、県教委は今回の問題を受けて処分基準を設ける。刀剣を校内に持ち込んだ場合は免職か停職とする方針で、県内の公立学校に近く通知する。
記者会見した吉田育弘教育長は「安全を守る規定に不備があった。子どもに申し訳ない」。嶋岡校長は「再発しないよう努めたい」と話した。【上野宏人】

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