上智の転落ぶりがヤバすぎる…もはや「早慶上智」とは言えない深刻な理由

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少子化が進むにつれ大学の興亡は激しさを増しており、かつての人気学部がいまや「お荷物」と言われることすらある。前編記事【慶應と早稲田に「ダブル合格」すると、「早稲田」を選ぶ受験生が増えている「驚きの理由」】では、早稲田大学と慶應大学の立場にも大きな「異変」が起こっていることを紹介した。
以下では引き続き、現在くり広げられている受験の「早慶戦」の実情を明かしていこう。鼻高々に入学したあなたの学部も、もう「滑り止め」になっているかもしれない。
多少の変動はあったとしても、「私学の両雄」である早慶の立場は盤石だ。しかしその下に位置する私大の間では、熾烈なデッドヒートが繰り広げられている。
四ツ谷の一等地にキャンパスを有する上智は、かつて早慶とひとくくりにされることも多かった。
「1964年の東京オリンピックで上智の外国語学部を出た通訳の活躍が盛んに報じられたのがきっかけで、偏差値も上がっていきました。60年代後半には『早慶上智』と言われるようになり、早慶を蹴って上智に行く人もいましたね」(教育ジャーナリストの小林哲夫氏)
ところがその外国語学部は失速が目立ち、さらには上智ブランドにまで影響が及んでいる。
「ほかの私大で国際系の学部が次々と新設され、国際色が売りだった上智の独自性が失われています。もはや早慶との間には大きな差が生まれていて、マーチにも追いつかれつつある。このままでは『JMARCH』になる日も遠くないでしょう」(追手門学院大学客員教授の西田浩史氏)
現在の受験生はバリバリのネット世代。受験YouYuberの存在も、上智の凋落に拍車をかけている可能性は否めない。
「特に『wakatte.tv』というYouYubeチャンネルの影響は大きい。チャンネル登録者は約50万人で、情報感度が高い上位層の受験生はほぼ全員が知っています。一般入試を重視する彼らは、推薦入試の定員が多い上智に対してかなり批判的なため、それを見た受験生が敬遠していてもおかしくありません」(『大学図鑑!』の監修を務めるオバタカズユキ氏)
最近では上智とマーチにダブル合格して、マーチに進学する学生も少なくないという。このままではさらなる落ち込みは免れないだろう。
そんな上智を猛追しているのが、マーチのトップをひた走る明治だ。
「かつては古臭くバンカラな印象でしたが、1990年代から他大学に先んじて進めた大学改革が大成功しました。駿河台キャンパスにリバティタワーを建設して、今ではおしゃれなイメージで学生の心をつかんでいます。
看板である政治経済学部が高倍率なのはもちろん、ここのところ就職面で注目されているのが情報コミュニケーション学部や総合数理学部などの情報系。現在の就職市場では情報系の人材が引く手あまたなうえ、文系の総合職も狙えます。下手すると早慶の文系学部より就職で有利かもしれません」(大学ジャーナリストの石渡嶺司氏)
さらに後編記事『立教と法政に「ダブル合格」して、法政を選ぶ人はいない…最新「MARCHランキング」を大公開』では、最新の「GMARCH」6大学の序列を明かしていこう。
「週刊現代」2024年2月24日・3月2日合併号より

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