6代目山口組・司組長の誕生日パーティー 欠席したとされる幹部組長と「愛媛スタバ射殺事件」との関連性

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6代目山口組の司組長の誕生日パーティーが行われたのは、誕生日当日の1月25日。高山清司若頭をはじめとする執行部や幹部が出席したとされるが、1月14日に発生した「愛媛スタバ射殺事件」との関連が取り沙汰される幹部組長は欠席したという。「殺人事件」と「誕生日会」というまったく別種の件を重ね合わせると、当事者たちを巡る複雑な事情が浮かび上がってくるようだ。
【写真を見る】移籍先がハッキリ記された亡くなった石川さんの「移籍報告書」、凶行の引き金となった祭りでの乱闘シーンなど
まずは、「愛媛スタバ射殺事件」についておさらいしておこう。愛媛県四国中央市のスターバックスイオンタウン川之江店のテラス席で、6代目山口組と敵対する池田組の2次団体・功龍會会長で池田組のナンバー2・前谷祐一郎若頭(62)が市内に住む石川雄一郎氏(49)の胸を拳銃で撃ち、殺害。前谷若頭は凶器を持ったまま逃走を続けている。愛媛県警は事件の翌日。殺人容疑で逮捕状を取って全国に指名手配をした。前谷若頭は身長約163センチで小太り、白髪だという(情報提供は、四国中央警察署の捜査本部まで/TEL0896-24-0110)。
殺害された石川氏は元々、前谷若頭が率いる功龍會の会長代行と政治結社・祐龍会の会長を務めており、前谷若頭とは親子の関係にあたる。その後、破門処分を受けた石川氏は服役などを経て、一旦は前谷若頭のもとに戻ったようだが、その後、6代目山口組との関係を深めていく。
6代目側の「移籍報告書」(写真参照)によれば、2021年2月25日の日付で、功龍會の石川祐一会長代行(石川氏の渡世名)の所属先として、6代目山口組の2次団体・2代目若林組・森組と記述されている。
移籍報告書は、直参組織から本部にファクスを送るのが通例とされる。ということは、2代目若林組(香川県高松市)から6代目山口組に送付されたということになるのだろう。6代目側から見れば、直参の若い衆が抗争中の組織に殺されたということになり、いわゆる「常在戦場」状態に入るのが普通だが、どうも煮え切らない部分があるのだという。
「石川氏が2代目若林組とは無関係だというような話が出回っています。一部ではそれを若林組の方が流しているのではないかと指摘する声もあるようです」
と、竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)。
実際、石川氏の葬儀は所属しているはずの2代目若林組が執り行うことなく、家族葬だったとされる。冠婚葬祭は誰にとっても大切なものだろうが、特にヤクザにとって葬儀などの義理事は組織にとって極めて重要で、それを表立って行わなかったとするなら、問題視される可能性が生じる。若林組側が池田組と対峙することを嫌ったということになるのだろうか。そうした見方を否定するためには、「無関係」のほうがいいという面はありそうだ。
「その可能性はあるでしょう。家族葬とはいえ、石川氏と個人的に親しい人物の他、6代目山口組の2次団体・4代目矢嶋組(本部:愛媛県今治市)の武智浩三組長や同じく2次団体・6代目豪友会(本部:高知県高知市)の加藤徹次会長や同じように直参組長が列席していたとは聞きましたから、なおのこと2代目若林組が葬儀に関与しなかったことに焦点が当たっているようです」(同)
6代目山口組本部もこの点を意識しているようだ。1月25日に10代目瀬戸一家(本部:愛知県瀬戸市)で開かれた司組長の82歳を祝う誕生日会に、2代目若林組の篠原重則組長は欠席したとされる。ここから「人事絡み」の推測が出回っているのが現状だ。
「篠原組長は現在6代目の事務局長を務めています。誕生日会が始まる前に開かれた執行部会議では2次団体・3代目岸本組の野元信孝組長が事務局次長に昇格する人事が承認されており、この人事と今回の家族葬とを結びつけて捉える向きも少なくないようです」(同)
山口組はもちろん規律を重んじる組織であり、高山若頭はとりわけ、これまで述べてきたような点に厳格とされている。11代目平井一家(本部:愛知県豊橋市)の薄葉政嘉総裁が若頭補佐から降格となった人事に続いて新たな人事が行われるのか、注目が集まっている。
薄葉総裁の過去については、【関連記事】〈暴力団組長が「ディズニーランドに行きたい」という内妻の願いをかなえて逮捕された〉で詳報している。
デイリー新潮編集部

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