役員出禁のトラブルで練炭を用意し…500年近い名寺「住職殺害疑惑の霊園会社社長」戦慄の素顔写真

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普段は静かな日曜日の朝が、パトカーや救急車のけたたましいサイレンで騒然となった。
「驚きましたよ。由緒あるお寺ですから。まさか、あんな大事件が起きるなんてね」
こう振り返るのは「由緒あるお寺」の近隣住民だ。住民が語る、500年近い歴史のある名刹で起きた「大事件」とは……。
警視庁捜査1課は10月7日、殺人と建造物侵入の疑いで霊園開発会社「鵠祥堂」(千葉県鎌ケ谷市)社長の斎藤竜太(50)と同社役員・青木淳子(63)の両容疑者を逮捕した。今年7月、東京都足立区にある源証寺の住職・大谷忍昌(しのまさ)さん(当時70)を一酸化炭素中毒にし殺害したとされる。
「足立区のホームページによると、源証寺は浄土宗の寺院です。室町時代の1532年に創建され500年近い歴史があります。聖徳太子をまつる太子堂は、1982年に区の登録有形文化財に指定されました。大谷さんは41代目の住職だそうです」(足立区職員)
由緒正しい寺で事件が起きたのは今年7月23日朝8時過ぎだ。当日に予定されていた樹木葬の準備のために、はしごを使い地下にある納骨堂に入った大谷さんは異変に気づく。床に置かれた2本の卒塔婆の上に、見覚えのない多数の練炭が並べられていたのだ。
「納骨堂は幅4m、奥行き4m、高さ3mほどの広さで、出入りは地上に取りつけられたガラス扉が使われていました。練炭には火がつけられ、室内には一酸化炭素が充満していたようです。
練炭を運び出そうとした大谷さんは、一酸化炭素を吸って倒れ意識不明に。搬送先の病院で死亡が確認されました。近くにいて大谷さんを助けようとした、奥さんや娘さんら親族3人も病院に運ばれましたが命に別状はありません」(全国紙社会部記者)
捜査線上にあがったのが斎藤と青木の両容疑者だ。防犯カメラには、前日22日の夜に懐中電灯を持って源証寺を行き来する2人の姿が。斎藤容疑者の所有する乗用車が走行する様子も確認されている。数日前にはホームセンターで練炭28個やガソリンを購入したことも判明したため、警察は事件に関与していると判断したのだ。
「斎藤容疑者らは、22日の夜に納骨堂へ侵入し練炭へ火をつけたとみられます。おそらく、大谷さんの行動をある程度わかっていての計画的な犯行でしょう。卒塔婆の上に練炭を置いたのは、風通しをよくして長時間燃焼させるためと思われるんです。警察の調べに対し容疑を否認しています」(同前)
容疑者らと大谷さんは、以前から関係が悪化していたようだ。
「大谷さんが斎藤容疑者と知り合ったのは’19年秋ごろだそうです。斬新なアイディアで霊園を手がける斎藤容疑者と意気投合したのでしょう。源証寺は’20年9月に英国庭園風の樹木葬霊園『足立セメタリーパーク』を敷地内に開設。斎藤容疑者が社長を務める『鵠祥堂』は、石材会社5社とともに墓石の販売などを委託されていました。『鵠祥堂』は境内の事務所にスタッフを常駐させ、営業や管理を請け負っていたとされます。
当初『鵠祥堂』は、宗教や宗派を問わず多くの人に墓地を販売しようとしていたようです。しかし大谷さんは対象を仏教徒に限ると反発。両者のトラブルは1年以上続き、寺側は役員の青木容疑者を出入り禁止にしていました。墓地や墓石の売れ行きは良くなかったそうです。警察は関係の悪化が事件につながったとみています」(同前)
近隣住民によると、大谷さんは気さくに挨拶し寺の運営にも積極的だったという。警察は、両容疑者が事件に及んだ詳しい背景と動機について調べを進めている。

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