間食をやめられない人は「偽食欲」に騙されていた…間食を摂る「正しいタイミング」があった

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空腹感はなくても、好きなものであればあるほど、ついつい食べてしまう間食ですが、テレワークが導入され自宅でも長時間仕事をするようになってからは歯止めが利かないという人が増えているようです。
この間食を、やめられないにせよ、少しでも健康的に摂る方法はあるのでしょうか。
医師監修のもとメディカル・エクササイズとでも呼ぶべき循環系ストレッチを開発し、それをまとめた『血管を強くする 循環系ストレッチ』を上梓した、米国スポーツ医学会認定運動生理学士でもある中野ジェームズ修一氏が解説します。
間食をやめられない人は、まず「間食」という言葉を「補食」という言葉に置き換えましょう、というのが私からの最初のご提案です。Photo by getty images間食という言葉には「お菓子を食べる」イメージが定着しており、ポテトチップスやチョコレートなどを食べるときと想像する方が多いように思います。しかし、そもそも間食というのは、読んで字のごとく「あいだの食事」です。ご褒美のおやつを「体に必要なものを補う」に朝食と昼食のあいだとか昼食と夕食のあいだというのが本来の間食なので、本来の意味にイメージを近づけるためにも、間食という言葉を「補食」に置き換えるようにすることをおすすめします。では、まず補食は、いつ摂るべきものでしょうか。食事と食事のあいだの時間にお腹が空き、食事での不足分を補うために食べるのが補食です。このとき食べるものが、たとえばポテトチップスとかチョコレートなどのお菓子だとします。残念ながら、それらにはビタミンやミネラル、各種アミノ酸など体の機能を保ったり体を修復したりするために必要な栄養価が、ほとんどありません。つまり体に有効な栄養価がないのに、摂りすぎが危険視され肥満を助長する脂質もエネルギー量も多い。体を維持・修復させるために必要なものを摂るという、本来の食事からはかけ離れたものになってしまうんです。Photo by getty imagesこれでは補食とは言いません。ですから、どうせ食べるのであれば体を補うために必要なもの、できるだけ栄養のあるものを摂りましょう、というのが私からの2つ目の提案です。補食を摂る正しいタイミングはいつかというと、いちばんの基準は自分が食後何時間経っているかを計算することです。これで適切な補食のタイミングが判明します。血糖値上昇のピークは食後1時間から1時間半食後の血糖値上昇は、だいたい1時間から1時間半でピークになります。12時に昼食を摂ったら、1時から1時半くらいにピークを迎え、その後2時間ぐらいで正常値に戻ります。そこから、さらに1時間後、つまり食事を摂ってから3時間経つと血糖値がかなり下がってくるというサイクルです。では、血糖値が下がるとどうなるのかというと「血液中の糖質が足りない」「体を動かすためのエネルギーが枯渇した」と判断した体は、おそろしいことに筋肉や骨を分解してしまいます。ということは、食事と食事のあいだを3時間以上空けると、体から筋肉と骨が徐々に分解され始めるということ。本来であれば体にたくさん蓄えられている体脂肪が分解されるとよいのですが、そうはならないのです。筋肉と骨の分解が進まないように補食を摂るべきなんです。食後3時間経っていて空腹を感じたタイミングで体に栄養素を入れてあげると、筋肉を分解したり骨を分解したりする体の反応を抑えられます。もし、たとえば食後まだ1時間ぐらいしか経っていない血糖値の高い状態で、デスクワーク中やお茶をしているときなど何か食べているとしたら本来の補食ではないですよね。そこで摂ったものは体脂肪にどんどん蓄えられてしまいます。Photo by getty imagesそれはどういうことか。血糖値が高い状態で体に食べ物を入れると、血糖値がまた上がるわけです。血糖値が上がるこということは、インスリンがたくさん出ているということ。インスリンがたくさん出ると、脂肪細胞を増加させたり脂肪細胞を大きくしたりする反応が強くなってしまうので、その結果、肥満が進みます。後編記事『ダイエットに「夕食抜き」はおすすめできない…15時にお菓子を食べるぐらいなら軽食を摂ったほうがいい「驚愕の理由」』に続く。
間食をやめられない人は、まず「間食」という言葉を「補食」という言葉に置き換えましょう、というのが私からの最初のご提案です。
Photo by getty images
間食という言葉には「お菓子を食べる」イメージが定着しており、ポテトチップスやチョコレートなどを食べるときと想像する方が多いように思います。しかし、そもそも間食というのは、読んで字のごとく「あいだの食事」です。
朝食と昼食のあいだとか昼食と夕食のあいだというのが本来の間食なので、本来の意味にイメージを近づけるためにも、間食という言葉を「補食」に置き換えるようにすることをおすすめします。
では、まず補食は、いつ摂るべきものでしょうか。
食事と食事のあいだの時間にお腹が空き、食事での不足分を補うために食べるのが補食です。このとき食べるものが、たとえばポテトチップスとかチョコレートなどのお菓子だとします。残念ながら、それらにはビタミンやミネラル、各種アミノ酸など体の機能を保ったり体を修復したりするために必要な栄養価が、ほとんどありません。
つまり体に有効な栄養価がないのに、摂りすぎが危険視され肥満を助長する脂質もエネルギー量も多い。体を維持・修復させるために必要なものを摂るという、本来の食事からはかけ離れたものになってしまうんです。
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これでは補食とは言いません。
ですから、どうせ食べるのであれば体を補うために必要なもの、できるだけ栄養のあるものを摂りましょう、というのが私からの2つ目の提案です。
補食を摂る正しいタイミングはいつかというと、いちばんの基準は自分が食後何時間経っているかを計算することです。これで適切な補食のタイミングが判明します。
食後の血糖値上昇は、だいたい1時間から1時間半でピークになります。12時に昼食を摂ったら、1時から1時半くらいにピークを迎え、その後2時間ぐらいで正常値に戻ります。そこから、さらに1時間後、つまり食事を摂ってから3時間経つと血糖値がかなり下がってくるというサイクルです。
では、血糖値が下がるとどうなるのかというと「血液中の糖質が足りない」「体を動かすためのエネルギーが枯渇した」と判断した体は、おそろしいことに筋肉や骨を分解してしまいます。ということは、食事と食事のあいだを3時間以上空けると、体から筋肉と骨が徐々に分解され始めるということ。本来であれば体にたくさん蓄えられている体脂肪が分解されるとよいのですが、そうはならないのです。筋肉と骨の分解が進まないように補食を摂るべきなんです。
食後3時間経っていて空腹を感じたタイミングで体に栄養素を入れてあげると、筋肉を分解したり骨を分解したりする体の反応を抑えられます。もし、たとえば食後まだ1時間ぐらいしか経っていない血糖値の高い状態で、デスクワーク中やお茶をしているときなど何か食べているとしたら本来の補食ではないですよね。
そこで摂ったものは体脂肪にどんどん蓄えられてしまいます。
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それはどういうことか。
血糖値が高い状態で体に食べ物を入れると、血糖値がまた上がるわけです。血糖値が上がるこということは、インスリンがたくさん出ているということ。インスリンがたくさん出ると、脂肪細胞を増加させたり脂肪細胞を大きくしたりする反応が強くなってしまうので、その結果、肥満が進みます。
後編記事『ダイエットに「夕食抜き」はおすすめできない…15時にお菓子を食べるぐらいなら軽食を摂ったほうがいい「驚愕の理由」』に続く。

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