【独自】ブロック塀倒れ小6児童骨折 住人「すみませんと謝るだけ…」 児童の父親「学校に腹が立つ」【福井・鯖江市】

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ブロック塀が崩れた家の住人:子供の1人がブロックを触っていつ倒れるかわからなかったし、もし(この事故が)なかったら、ずっとまだ塀だけそのまま残していたかもしれない…。
「めざまし8」の取材に胸の内を語ったのは、9月26日朝、福井県鯖江市の住宅でブロック塀が崩れ児童が巻き込まれる事故が起きた、その住宅の住人です。
ブロック塀が崩れた家の住人:すみませんと謝るだけで…。入院とかの費用はこっち(自分)で見ますと言ったが、相手の方が大丈夫と。
もともと6段積みだったというブロック塀。しかし、向かって右側のブロック塀には上の2段がありません。
午前7時ごろ、この2段が崩れ登校途中だった小学6年生の男子児童が巻き込まれました。男子児童は足の骨を折る重傷で、約2カ月間の入院が必要だといいます。
26日福井・鯖江市教育委員会は事故当時の状況についてこう説明しました。
鯖江市教育委員会の会見:触った時の強さとか触り方について詳細は確認できていませんが、(男子児童が塀の)手前に立っていて前に力を加えた。その時に右に足が出ていたので、そこに(ブロックが)落ちたのだと。
教育委員会によると、男子児童が手でさわったところ、上の2段が崩れて右足に落ちてきたといいます。
――(ブロック塀に)鉄筋とか入ってたんですか?鯖江市教育委員会の会見:分からないんですけど、目視した以上の中では鉄筋が入っているのは見えなかったですね。ちょっと専門家じゃないのでそこは不明です。
建築基準法施行令では、ブロック塀を作る場合、補強のため鉄筋を入れることが義務付けられていますが、教育委員会が見た限り確認できなかったといいます。実際に鉄筋が入っていなければ、法令違反の可能性もあるといいます。
鉄筋の有無について、住人は…?
ブロック塀が崩れた家の住人:鉄筋が入っているのかいないのか知らなかった。
崩れたブロック塀に小学生が巻き込まれる事故は過去にも起きています。2018年に起きた大阪北部地震で、高槻市内にある小学校のプール脇のブロック塀が約40mに渡って倒壊。登校中だった小学4年生の女子児童が巻き込まれ、亡くなりました。
この事故後、文部科学省は、学校の敷地内や通学路にあるブロック塀の安全点検を行うよう通達。鯖江市でも通学路について、定期的に安全点検を行っているといいますが、今回の現場は、危険箇所として報告されていませんでした。
鯖江市教育委員会の会見:集合場所から学校までについての点検はやってるんですけど、自宅から集合場所までのところがちょっと抜け落ちてるのかなと思いますね。(事故発生場所が)集合場所の隣の場所であるから…。
安全点検の対象となっているのは、児童らの待ち合わせ場所から小学校までの通学路。ところが今回事故が起きた住宅は、児童の自宅から集合場所に向かう途中にあるため、点検の対象外だったというのです。
ブロック塀が崩れた家の住人は、けがをした児童には「申し訳ない」気持ちでいっぱいだといいます。
ブロック塀が崩れた家の住人:うちの塀も古いから、いつ倒れるかわからなかったし、今回ので、うちの塀が古いことがわかったから、逆にもしこの事故がなかったら、ずっとまだ塀だけそのまま残していたかもしれない。
ブロック塀が崩れた家の住人:一度(今回の)経験があったから、改めて作り直さないといけないなって思って。
――今後については?ブロック塀が崩れた家の住人:ブロックを3段くらい積んで上にフェンスをやろうと思って業者に頼んである。
フェンスに作り替えるため、すでに業者に依頼したといいます。
27日朝、めざまし8は、事故に遭った児童の父親からも話を聞くことができました。
事故に遭った小6児童の父親:けがはかわいそう。学校側にも言っている、何回も。改善してくれと。交通量も多いし川のふちやし、自分としては学校に腹立っている。通学路は学校が決める。昨日の夜に内出血になって、夜緊急手術した。子供と話して痛がってて、自分らとしては早く子供だけよくなってほしいと思う。
事故のあった現場から、田中良幸情報キャスターが現場の様子を中継で伝えました。
田中良幸情報キャスター:今回被害に遭った小学6年生の児童ですが、現場の目の前、集団登校の集合場所の広場で集まって他の児童を待っていた際に被害にあったといいます。
実際の現場には用水路があったり、柵もない細い道路沿いです。塀の高さは6段で1.3メートル。その高さの上2段が崩れ落ちたことになります。鉄筋など、残った部分を見るかぎりないですよね。さらに奥には支えになるような控えの壁もこの部分はありませんね。
田中良幸情報キャスター:ブロックを両手で持ってみると…やっと持てるくらいですね。10圓らいあるそうなんですが、そのブロックが数にすると12個が道路側に倒れてきたことになります。
スタジオでは、ブロック塀の所有者が罪に問われる可能性について、専門家に聞きました。
――鉄筋が入っていない状態だとどのくらい強度に問題がある?東北工業大学 最知正芳名誉教授:鉄筋が入っていないということであれば、かなり小さな横方向の力によっても崩れ落ちてしまうということは起こり得ることだと思います。
――所有者の罪は?若狭勝弁護士:道路に接しているところのブロック塀に少し力を加えたら崩れてきたということだと、そこに所有者の過失が認められます。児童がけがをしているということなので、所有者は刑法の過失致傷罪に問われる可能性はあります。(めざまし8 9月27日放送)

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