発熱の2歳長女連れた市議、抽選断られ質問機会失う 愛知・豊橋

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愛知県豊橋市の諸井菜々子市議(37)が、9月定例会一般質問の発言順を決める抽選会に発熱した長女(2)と一緒に出席しようとしたところ、議長から出席を断られていたことが1日、明らかになった。諸井市議は4~6日に予定されている一般質問に立つことができなくなった。
産後3カ月、長男は急病…選挙の“常識”にありのまま挑んだ女性候補 1日に市役所で記者会見した近藤喜典議長によると、諸井市議は8月30日に市議会本会議場であった抽選会の約15分前に来場し、発熱した長女と一緒の出席を近藤議長に相談した。近藤議長は小原昌子副議長と議会事務局長らと協議したが、子どもの発熱などを理由に断ったという。

近藤議長は記者会見で「(子どもが)発熱しており、新型コロナウイルスなどの疑いがある中、陰性確認ができないまま会場に入れられるだろうか。疑いがある場合は遠慮するだろう」と説明した。 一方、議会運営委員会の決定事項では、病気などの場合、代理出席を認めている。近藤議長は今回のケースが先例にないため、議会運営委員会で協議が必要と考えたが、「招集して諮るにも時間的に厳しかった」とも話した。 市議会では議会改革の一環として、子育て世代の環境整備を協議している。近藤議長は「今回のケースは共有しているので検討項目にできる」とした。 諸井市議は今年4月の市議選で初当選し、1人会派で活動している。今回の市議会の対応について「全員が当事者意識を持って考えてもらえればと思う。一定のルールを作って臨機応変に対応できることが望ましいと思う」と話している。【清藤天、川瀬慎一朗】全国市民オンブズマン連絡会議事務局長、新海聡弁護士の話 議員が最も重視されなければならない表現の自由が制約された。その日に一般質問をするわけでもなく合理性のない判断。前例の無いことはできないという思考が身についているのだろう。議会自体の問題解決力の弱さを露呈しており、他の問題でも対応できるのか疑問だ。 少子高齢化は常に重点課題として政治家は考えているはずで、そうした意識があれば代替策はいくらでも取れたはずだ。クジを引くのは機械的な行動でしかないので、委任を受けて議長が引くこともできたはずだ。そうした発想が出なかったということは、一般質問の重要性への意識が低いと言わざるを得ない。 有権者は議員の一般質問に期待して1票を投じている。政治家の活動機会を奪うだけでなく、有権者の期待をも踏みにじる行為だ。
1日に市役所で記者会見した近藤喜典議長によると、諸井市議は8月30日に市議会本会議場であった抽選会の約15分前に来場し、発熱した長女と一緒の出席を近藤議長に相談した。近藤議長は小原昌子副議長と議会事務局長らと協議したが、子どもの発熱などを理由に断ったという。
近藤議長は記者会見で「(子どもが)発熱しており、新型コロナウイルスなどの疑いがある中、陰性確認ができないまま会場に入れられるだろうか。疑いがある場合は遠慮するだろう」と説明した。
一方、議会運営委員会の決定事項では、病気などの場合、代理出席を認めている。近藤議長は今回のケースが先例にないため、議会運営委員会で協議が必要と考えたが、「招集して諮るにも時間的に厳しかった」とも話した。
市議会では議会改革の一環として、子育て世代の環境整備を協議している。近藤議長は「今回のケースは共有しているので検討項目にできる」とした。
諸井市議は今年4月の市議選で初当選し、1人会派で活動している。今回の市議会の対応について「全員が当事者意識を持って考えてもらえればと思う。一定のルールを作って臨機応変に対応できることが望ましいと思う」と話している。【清藤天、川瀬慎一朗】
全国市民オンブズマン連絡会議事務局長、新海聡弁護士の話
議員が最も重視されなければならない表現の自由が制約された。その日に一般質問をするわけでもなく合理性のない判断。前例の無いことはできないという思考が身についているのだろう。議会自体の問題解決力の弱さを露呈しており、他の問題でも対応できるのか疑問だ。
少子高齢化は常に重点課題として政治家は考えているはずで、そうした意識があれば代替策はいくらでも取れたはずだ。クジを引くのは機械的な行動でしかないので、委任を受けて議長が引くこともできたはずだ。そうした発想が出なかったということは、一般質問の重要性への意識が低いと言わざるを得ない。
有権者は議員の一般質問に期待して1票を投じている。政治家の活動機会を奪うだけでなく、有権者の期待をも踏みにじる行為だ。

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