《全貌写真をスクープ入手!》体重300kg超えの最凶巨大ヒグマ「OSO18」の″最期″

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「放牧地で背骨を折られた牛の死骸を見た時、これまでにない衝撃を受けました。200垓瓩さ蹐真っ二つにされた姿なんて、生まれてこのかた見たことがありません。とんでもない化け物の仕業だと思い、恐怖を覚えました」
かつてOSO(オソ)18に乳牛を惨殺された牧場の従業員は、今も当時の恐怖が忘れられないと言う。
’19年に初の被害報告がされて以来、放牧中の乳牛を襲い続け、66頭もの被害を出した最凶ヒグマ・OSO18(以下・オソ)。発見された前足の足跡の幅が18僂世辰燭海箸函∈能蕕北楫發気譴針務て刺乎磧覆靴戮舛磧膨オソツベツの地名からこのコードネームが付けられた。
被害の出ていた標茶町と厚岸(あっけし)町では昨年1月以降、10基以上の箱ワナと15台以上の監視カメラを設置。地元の猟友会もシフトを組んで牧場を見回るなど、まさに総力戦といえる必死の対策が講じられてきた。その捜索網をかいくぐり神出鬼没の「忍者グマ」として恐れられてきたオソがついに″駆除″されたと発表されたのは、8月22日のことだ。
「実際に駆除されたのは発表の少し前の7月30日です。厚岸町と標茶町に隣接する釧路町仙鳳趾(せんぽうし)村の放牧地を巡回していた釧路町の農林水産課に勤めるハンターが午前5時ごろにオソを発見。射殺しました」(釧路町役場関係者)
下写真の目を開けたまま横たわるヒグマこそが、北海道を5年にわたって恐怖に陥れたオソである。役場関係者が怪物の″最期の瞬間″を明かす。
「オソを射殺したハンターは40代で、狩猟免許を取ってからまだ4~5年の若手です。ヒグマを仕留めたのは初めて。警戒心が強いとされていたオソですが、ハンターと遭遇しても逃げなかったそうです。まず80mほどの距離からハンターが首元に1発の銃弾を命中させた。その後、20mまで近づいて頭へ放った2発の銃弾で息絶えたと聞いています」
捕獲されたオソの体重は330圓箸なり大型。推定年齢は13~14歳とみられ、平均寿命が10歳前後のヒグマとしてはかなりの長生きだった。
死骸は一部の牙を除いてすべて解体され、残っていない。仕留めたハンターがオソだと気が付かず、解体業者へと卸してしまったためだ。ジビエ料理店や、個人向けに販売され、人間に消費された。凶悪な″害獣″は食肉産業のサイクルに組み込まれたのである。
北海道猟友会標茶支部に所属し、5年にわたりオソを追い続けたハンターが複雑な胸中を打ち明ける。
「オソが駆除されたと聞いて驚きました。もちろん喜ばしいことではあるのですが、正直に言うと悔しさもある。『俺が仇(かたき)を討つ』『標茶で獲る』と意気込んでいたわけですから。オソが現れてからは、昼も夜もずっとオソを撃つことだけを考えていました。ここまで大きな被害を出したヒグマは過去に例がない。我々が捕まえ、被害を後世に伝えるため剥製にするなどしてオソを保存しておきたかったのです……」
だが、巨大ヒグマの脅威はオソの駆除で一件落着とは言えそうにない。
「少なくともオソによる被害のリスクは排除できた。それ自体はよかったと思います。でも、これから第2第3のオソが出てくる可能性は極めて高い。5年間ものさばらせてしまったために、確実に子孫を残しているでしょう。オソのDNAを持っていなくても、オソを見て乳牛は襲っても大丈夫だと学習したヒグマもいるはずです。オソを倒したからといって、ヒグマの問題は根本的には解決していません」(オソの被害に遭った前出の牧場とは別の牧場の従業員)
稀代の怪物は駆除されてなお、人々を恐怖に陥れている。これこそが人間が自然と共生していく難しさでもある。オソから私たちが学ぶことは少なくない。
『FRIDAY』2023年9月15・22日号より

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