杉本彩さん怒りの会見 犬5匹を無免許で麻酔せず帝王切開 元販売業者社長「鎮痛剤を使った」一部否認【長野発】

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獣医師の資格を持たないのに麻酔無しで帝王切開をしたなどとして動物愛護法違反などの罪に問われている元販売業者社長の裁判が開かれ、弁護側は「鎮痛剤は使っておりみだりに傷つけてはいない」と起訴内容を一部否認した。裁判を傍聴した動物愛護団体で理事長を務める杉本彩さんは「動物を殺傷し、苦しめたのは事実」と怒りを露わにし、厳罰に処してほしいと訴えた。
劣悪な環境で多くの犬を飼育し虐待したとして、動物愛護法違反(殺傷、虐待)の罪などに問われている松本市の元犬販売業者社長百瀬耕二被告(61)。
起訴状によると、被告は獣医師の資格をもたないのに2021年8月、松本市の自宅(当時)で、フレンチブルドッグ4匹とパグ1匹の計5匹を麻酔をせずに帝王切開しみだりに傷つけたとされているほか、2020年4月から12月にはシーズー犬8匹に狂犬病の予防接種を受けさせなかったとされている。
2月1日に長野地方裁判所松本支部で開かれた裁判。黒のスーツに身を包んだ百瀬被告は一礼して入廷し、きびきびとした足取りで席に着いた。
永井健一裁判長から、起訴状について何か間違いがあるかと問われた百瀬被告は、「狂犬病の予防接種を受けさせなかったのは間違いないが、その他は説明が難しいので弁護士の先生から答えていただきます」とはっきりとした口調で答えた。
弁護側は「帝王切開では『鎮痛剤』を使用しており、みだりに傷つけていない」として起訴内容を一部否認した。
証人尋問では元従業員の男性が出廷。百瀬被告が執刀した帝王切開の補助や、被告がいないときの執刀を行っていたとし、「当時は麻酔を使っているという認識はなかった」と小さな声で述べた。
ただ、男性は「警察が家宅捜査に入った日の夜、被告から呼びだされ『手術のときに陣痛促進剤としてアトニンという薬を使っていたが、実はそれはドミトールという鎮静・鎮痛剤だった。獣医師免許を持っていない自分がドミトールを使っていたと警察に知られたらまずいので、今から捨ててくる』と説明を受けた」と証言。そのとき、被告の手に握られていたのはドミトールの瓶だったという。
男性は、「アトニンを使う際は、アトニンの製品の瓶から直接、注射器で薬を取り出し、使っていた」とも話しており、アトニンが実はドミトールだったという被告の説明とは、食い違う点がみられた。
証人尋問の間、被告は男性をじっと見つめ、証言を聞いていた。
裁判を傍聴した「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」の理事長を務めるタレントの杉本彩さんは、終了後に記者会見を開き、「動物を殺傷し、苦しめたのは事実」などと述べ、怒りを露わにした。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長:この公判は始終、怒りがこみ上げてきました。麻酔薬を使っていたかどうかを争点にしてみだりに動物を殺傷していないという主張ですが、麻酔薬を使っていようがいまいが、みだりに動物を殺傷し死に至らしめ苦しめたことは事実、これは紛れもない事実。とにかくこれは殺傷罪、これがみだりに殺したものではないという主張が罷り通るのは本当に許しがたい。利益のみを追求した残虐な行為。

杉本理事長は元従業員の証言について、「信ぴょう性のない嘘八百を並べている」と痛烈に批判した。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長:証人として出てきた元従業員が何か雰囲気が違う完全なる、弁護寄りの証言をし始めた。その弁護は明らかに辻褄の合わないことだらけなので、信ぴょう性のない嘘八百を並べてるに過ぎない。そういう印象を受けました。嘘だから証言が定まらないんですよね、あっち行ったりこっち行ったりさっき言ってた真逆のことを発言しだす、本当に腹立たしい思いがこみ上げてきました。
また、杉本理事長は、ペット業界の健全化のために厳正に処罰してほしいと強く訴えた。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長:今後のペット販売事業に関してすごく大きな影響を持つ裁判、この判決次第ではペット業界に与えてくるものは変わってくる。ペット業界の健全化のためにも厳罰に処さなければいけないと思う。甘い判決なら今後また残虐な事件が起こってくるかわからない、より多くの残虐な事件が起こるかもしれないと危惧しますから、厳正に処罰してほしいと心から望みます
(長野放送)

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