爆発しやすくなったニトログリセリン、作業者が気付くのは困難…爆死事故で調査結果

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宮崎県延岡市の産業火薬製造販売会社「カヤク・ジャパン」(本社・東京)の東海(とうみ)工場で昨年3月に起きた爆発を巡り、同社が27日発表した原因に関する調査結果は、事故当時、火薬の原料であるニトログリセリンの一部が結晶化し、爆発しやすくなっていたと推察した。
こうした状況について、当時作業に当たっていた作業者が気付くのは困難との見方も示した。
同社の調査結果によると、工場では事故前日まで約10日間、設備工事のため生産を停止した。これにより貯槽に保管されていたニトログリセリンが外気温の影響を受け、低温のため一部が結晶化した可能性がある。ニトログリセリンは液体と結晶の混在状態では、結晶同士がこすれあうため、打撃や摩擦への感度が高まるという。
同社は事故当日、作業員が貯槽からニトログリセリンを移送するための作業の際に衝撃が生じて爆発した可能性があるとしている。前日から貯槽のある工室を空調して温めていたことなどから、作業員が当時、一部結晶化について考えることは困難だったとした。
同社によると、事故では作業していた同社社員(当時24歳)が爆死したほか、工場近くの住民を含む7人が軽傷を負い、周辺地区で建物125棟が一部破損した。東海工場は事故後、生産活動を停止している。
県警が事故原因などを調べている。

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