リモートOKでも、なぜか毎日外出する会社員の心の声。家には居場所ナシ

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時代は令和へと移り、おじさんの社会的な権力が年々低下しているにもかかわらず、強者として批判され、下等な生き物とバカにされる。それでも必死に生きる彼らをよく観察してみると、さまざまな生態が見えてくる。
◆リモートワークが定着しても「フラリーマン」が増えている
コロナ禍前は帰宅前に外で時間をつぶす「フラリーマン」が登場したが、リモートワークが定着し消滅……。と思いきや、家に居場所がないゆえに「ネット環境が悪いから」との口実で外出する中年会社員が続出!
ライフキャリアコンサルタントの金澤美冬氏はその実態をこう解説する。
「そんな『家からフラリーマンおじさん』に実際に話を聞いてみたところ、『コロナ前は帰ってこなかったくせに……』と小言を言われたり、思春期の子どもに煙たがられるなど、疎外感を感じている人が多い。奥さんが後ろでヨガレッスンを始めるなんてこともあるみたいです(笑)」
◆「フラリーマンおじさん」たちの安住の地は…
ウェブ会議をすれば背景は明らかに家の外……。
肩身の狭さに我慢しきれず、適当な理由をつけて、カフェやコワーキングスペースに逃げ込み、毎日時間をつぶすことに苦心しているようだ。
◆「フラリーマンおじさん」は家に居場所がない?
博報堂生活総合研究所が30年にわたって生活者意識の観測を続ける「生活定点調査」の分析に従事する前沢裕文氏はその変化には世代差があると言及する。
「我々が実施する生活定点調査によれば、コロナ禍で家族との時間が増え、家族関係への満足度が高まったのか、40代で51.7%が円満な家族関係に満足していると回答。一方で50 、60代は2年前の調査から満足度が大きく下がっており、居場所がないと感じているかもしれません」
リモート環境=家庭の事情。ネット事情の真偽を相手に確かめるのは野暮だと心得たい。
【ライフキャリアコンサルタント・金澤美冬氏】プロティアン代表取締役。50代60代のキャリア支援に従事。著書に『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート』(総合法令出版)
【博報堂生活総合研究所上席研究員・前沢裕文氏】30年にわたり生活者をデータ観測する「生活定点」の分析に従事。著書に『哀しくも愛おしい「40代おじさん」のリアル』(日経BP)
取材・文/週刊SPA!編集部

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