“羽生世代”A級から姿消す 降級の佐藤康光九段「AIに嫌われる」

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東京・千駄ケ谷の将棋会館で11日指された第81期名人戦A級順位戦7回戦で、佐藤康光九段(53)が佐藤天彦九段(34)に敗れて7敗目を喫し、下位2位以内が確定してB級1組への降級が決まった。羽生善治九段(52)を中心に、1990~2010年代に大活躍した“羽生世代”が、佐藤康光九段の降級でついにA級から姿を消すことになった。
【写真特集】歴代の王将は何人? 実はあの人も! 佐藤康光九段は96年度の第55期にA級入りし、10年度(第69期)に一度B級1組に降級したが、1期でA級に復帰。A級には名人在位2期を含めて通算26期在籍した。タイトルは他に王将2期、棋聖6期など計13期獲得し、永世棋聖の資格を持つ。17年2月から日本将棋連盟会長を務めている。

第75期(16年度)に森内俊之九段(52)、前期には羽生九段がA級から降級し、佐藤康光九段は“羽生世代”で唯一A級に踏みとどまっていた。 今期は勝ち星に恵まれず、今期は開幕局から6連敗。この日は負ければ降級が決まる対局で、「今期は全体的に苦しい将棋ばかり。もう少し優勢の時間帯を増やして内容をよくしていければいい」と心に決めて臨んだ。終盤、勝利目前までいったが、佐藤天彦九段の執念の粘りに遭い、双方が持ち時間を使い切って1分将棋になる激戦に。最後は競り負けて午前0時53分に投了に追い込まれ、「いけそうだなと思っていたが、具体的には読み切れなかった」と勝ち切れなかった対局を悔やんだ。 降級については「今期は、全体的に将棋が単調になってしまい、もうちょっと深みのあるものにしないといけなかった。内容がよくなかったのでしょうがない。また一から出直しという気持ちで、来期も戦っていきたい」と心機一転を誓った。 A級からの降級は2度目。「順位戦はもうちょっと内容を充実させないと厳しいと数年前から思っていたが、今期はそれが顕在化した。自分なりにベストを尽くしてはいるが、結構AI(人工知能)に嫌われることが多い気がする」と苦笑し、AIの影響を色濃く受けた現代将棋への対応に苦慮していることをうかがわせた。【丸山進】
佐藤康光九段は96年度の第55期にA級入りし、10年度(第69期)に一度B級1組に降級したが、1期でA級に復帰。A級には名人在位2期を含めて通算26期在籍した。タイトルは他に王将2期、棋聖6期など計13期獲得し、永世棋聖の資格を持つ。17年2月から日本将棋連盟会長を務めている。
第75期(16年度)に森内俊之九段(52)、前期には羽生九段がA級から降級し、佐藤康光九段は“羽生世代”で唯一A級に踏みとどまっていた。
今期は勝ち星に恵まれず、今期は開幕局から6連敗。この日は負ければ降級が決まる対局で、「今期は全体的に苦しい将棋ばかり。もう少し優勢の時間帯を増やして内容をよくしていければいい」と心に決めて臨んだ。終盤、勝利目前までいったが、佐藤天彦九段の執念の粘りに遭い、双方が持ち時間を使い切って1分将棋になる激戦に。最後は競り負けて午前0時53分に投了に追い込まれ、「いけそうだなと思っていたが、具体的には読み切れなかった」と勝ち切れなかった対局を悔やんだ。
降級については「今期は、全体的に将棋が単調になってしまい、もうちょっと深みのあるものにしないといけなかった。内容がよくなかったのでしょうがない。また一から出直しという気持ちで、来期も戦っていきたい」と心機一転を誓った。
A級からの降級は2度目。「順位戦はもうちょっと内容を充実させないと厳しいと数年前から思っていたが、今期はそれが顕在化した。自分なりにベストを尽くしてはいるが、結構AI(人工知能)に嫌われることが多い気がする」と苦笑し、AIの影響を色濃く受けた現代将棋への対応に苦慮していることをうかがわせた。【丸山進】

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