門松ってなんで飾るの?正しい置き方は? 実は知らないあれこれを「日本正月協会」に聞いてみた

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年末から年始にかけて家の門などに置かれる、門松。
毎年、お正月の風物詩としてあちこちで見かけるが、そもそも門松がなぜ飾られるのか、そしてどう飾るのが正しいのかと聞かれると、すぐには答えられない人も多いのではないだろうか。かくいう記者もその1人だ。
そこでJタウンネット記者は門松を飾る意味と正しい飾り方を教えてもらうめ、2022年12月21日、日本正月協会<https://www.oshogatsu.org/>を取材した。
取材に応じてくれたのは、代表の今成優太さんだ。
今成さんは日本全国の各地を巡って郷土ごとのお正月の文化を研究・調査しているほか、学校での授業、図書館での講演などを通して情報発信をしているという。
まず、門松を飾ることの意味について聞いてみた。
今成さんは、現代において門松を飾る最大の意味は「おめでたさを演出する新年の風物詩」だと考えれば良いと説明する。
また、年神様が年始に山からおりてきて家々を周る時の目印として飾られている、というのもよく聞かれる話だそうだ。
お正月飾りの大定番ではあるものの、門松を飾らなければご利益にあやかれない、ということはなさそう。感覚としては、クリスマスのイルミネーションに近いのかもしれない。
では、次は門松の正しい飾り方や片付け方について聞いてみよう。
今成さんによれば、統一された「正しい飾り方やマナー」というものはなく、地域によっても多少の違いがある。
例えば、今成さんが参照した愛媛県東温市横川原区の資料には、「三段になった雌雄の松を上等とする」「竹と梅の小枝を添えて松竹梅を作る家もあった」「雄松(黒松)雌松(赤松)を各1本ずつ選び家に持ち帰って門松を立てた」との記述があったという。
また、協会の調査によれば、関東では竹がメインになり松が添え物のように扱われ、中部地方からはそこに梅の木が加わる。また、関西では松がフサフサにあしらわれて竹を取り囲むように飾られる傾向があるとのことだ。
いつ門松を飾るかにも地域差が存在し、一夜立て(正月飾りを大晦日に飾る事)は禁忌とされ、12月30日に立てることを慣例とする所もあれば、12月31日に飾り始めをする場所もある。
門松に、たった一つの正解は無い。「正しさは人それぞれなのです」と今成さんは結論づけた。
一方、日本全国のいたるところで見られる風習もあるという。斜めに切った竹の切り口の下の方が「▽」のような形になっているものは「笑い竹」と言って縁起が良い、というものだ。
最後は門松の片付け方だが、これも地域や人によってそれぞれやり方や時期が違う。島根県など、地域によっては旧正月(二月のはじめ~中ごろ)まで飾ることを良しとしている場所もあり、何が正しいかを一概に言うことはできないそうだ。
とどのつまり、読者の皆さんそれぞれに一番適したやり方で門松を飾り、そして片づけることこそが、真に「正しい」やり方なのかもしれない。

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