名古屋高速バス事故 ドラレコ焼失、真相遠く 愛知

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バスに一体何が起きていたのか。今夏、名古屋高速小牧線で9人が死傷する大型バスの横転、炎上事故が起きた。発生直後から後輩記者と取材を続けてきたが、事故の真相がなかなか見えてこず、もどかしさを覚えることがしばしばあった。
ドラレコ焼失で原因究明長期化か 名古屋高速バス事故1カ月 事故原因が判然としないのは、運転手が亡くなっていることに加え、車体が燃えたことで走行記録が失われたことが大きい。バスには車内外の映像を記録するドライブレコーダー(ドラレコ)が装着されていたが、焼失したとみられる。

バスは高速出口に向かう右側の側道を走行中、左の本線側に寄っていき、側道と本線を隔てる分離帯に突っ込んだ。現場には目立ったブレーキ痕や急ハンドルを切った跡はなく、数百メートル手前から不安定な走行をしていたことが分かっている。しかし、事故直前の運転手に何があったかは、事故から4カ月が経過した今も明らかになっていない。 乗客の大学生ら15人が死亡した2016年の長野県軽井沢町のスキーバス事故を受け、国は貸し切りバスを対象にドラレコの装着を義務付けた。名古屋高速の事故のような乗り合いバスは対象外だが、事故や事件の際に有力な物証になることからバスやタクシーだけではなく自家用車にも装着の動きは広がっている。 義務付けられたドラレコの性能要件の一つに「耐久性」が挙げられている。「堅ろうで、振動や衝撃などで容易に機能を停止しないもの」。ただ、炎上や水没までは想定していないようだ。 「たられば」になってしまうが、耐火性に優れたドラレコがあれば、また、映像を本体ではなく外部に転送し記録するドラレコが設置されていれば、もう少し真相に近づくのは容易だったかもしれない。 国土交通省中部運輸局は27日、運転手の勤務時間が国の定める基準を超過していたなどとして、運行会社に対し、車両使用停止の行政処分を出した。県警は長時間労働と事故の関連を調べている。私たちも微力ながら原因に近づける取材を続けたいと思う。【山下俊輔】名古屋高速バス事故 8月22日午前、名古屋市北区の名古屋高速小牧線の豊山南出口付近で、大型バスが横転し、炎上。運転手と乗客の2人が死亡し、乗客ら7人が軽傷を負った。県警はバスの運行会社を家宅捜索。今も捜査は続いている。
事故原因が判然としないのは、運転手が亡くなっていることに加え、車体が燃えたことで走行記録が失われたことが大きい。バスには車内外の映像を記録するドライブレコーダー(ドラレコ)が装着されていたが、焼失したとみられる。
バスは高速出口に向かう右側の側道を走行中、左の本線側に寄っていき、側道と本線を隔てる分離帯に突っ込んだ。現場には目立ったブレーキ痕や急ハンドルを切った跡はなく、数百メートル手前から不安定な走行をしていたことが分かっている。しかし、事故直前の運転手に何があったかは、事故から4カ月が経過した今も明らかになっていない。
乗客の大学生ら15人が死亡した2016年の長野県軽井沢町のスキーバス事故を受け、国は貸し切りバスを対象にドラレコの装着を義務付けた。名古屋高速の事故のような乗り合いバスは対象外だが、事故や事件の際に有力な物証になることからバスやタクシーだけではなく自家用車にも装着の動きは広がっている。
義務付けられたドラレコの性能要件の一つに「耐久性」が挙げられている。「堅ろうで、振動や衝撃などで容易に機能を停止しないもの」。ただ、炎上や水没までは想定していないようだ。
「たられば」になってしまうが、耐火性に優れたドラレコがあれば、また、映像を本体ではなく外部に転送し記録するドラレコが設置されていれば、もう少し真相に近づくのは容易だったかもしれない。
国土交通省中部運輸局は27日、運転手の勤務時間が国の定める基準を超過していたなどとして、運行会社に対し、車両使用停止の行政処分を出した。県警は長時間労働と事故の関連を調べている。私たちも微力ながら原因に近づける取材を続けたいと思う。【山下俊輔】
名古屋高速バス事故
8月22日午前、名古屋市北区の名古屋高速小牧線の豊山南出口付近で、大型バスが横転し、炎上。運転手と乗客の2人が死亡し、乗客ら7人が軽傷を負った。県警はバスの運行会社を家宅捜索。今も捜査は続いている。

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