2022年に天国へと旅立った著名人 数々の功績

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2022年、惜しまれつつも多くの著名人が天国へと旅立ちました。その数々の功績を振り返り、紹介いたします。
海部俊樹さん(1月9日、91歳)第76代の首相に就任し、平成元年から2年余りにわたって首相を務めた政治家。海部氏は水玉模様のネクタイをトレードマークに、クリーンなイメージで国民の支持を集め、平成2年の衆議院選挙で自民党を勝利に導きました。平成2年8月にイラク軍がクウェートに侵攻し、湾岸戦争に発展すると、海部政権は多国籍軍に総額130億ドルの資金を提供。停戦後には海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣することを決断し、自衛隊は創設以来初めて本格的な海外での任務に携わりました。平成6年12月には小沢一郎氏や羽田孜氏らとともに新進党を結成し、初代の党首に就任しました。
水島新司さん(1月10日、82歳)「ドカベン」や「あぶさん」など野球を題材にした漫画で、世代を超えて人気を集めた漫画家。1958年に漫画家としてデビューし、野球をテーマにした作品を次々と発表しており、中でも「ドカベン」は2018年にシリーズの連載が終了するまで、40年以上にわたって続いた代表作で、単行本はシリーズ累計で205巻まで刊行されました。また、「あぶさん」は976回にわたり漫画雑誌に連載され、スポーツ漫画の名作として高く評価されました。長年の功績から2005年に紫綬褒章を受章、2014年には旭日小綬章を受章。「ドカベン」の連載終了から2年後となるおととし、漫画家として引退することを発表し、当時「18歳で漫画家としてデビュー。今日まで63年間頑張って参りましたが、本日を以て引退することに決めました」とコメントしていました。
石原慎太郎さん(2月1日、89歳)(写真:Getty)
東京都知事や運輸大臣などを務め、芥川賞作家でもあった石原慎太郎さん。一橋大学在学中に小説『太陽の季節』で芥川賞を受賞し、「太陽族」という流行語も生まれ一躍、文壇の寵児となりました。執筆活動を続けながら昭和43年の参議院選挙で自民党から初当選し、4年後には衆議院議員に転身して通算9回の当選を果たしました。都知事として在任中には、独自の政策を次々と打ち出し、東京マラソンの実現を主導、オリンピック誘致にも取り組みました。また、中国に対する強硬姿勢を貫き、沖縄県の尖閣諸島を都が購入する考えを表明するなど国の外交問題にも影響を与えました。平成27年の春の叙勲では「旭日大綬章」を受章しました。
西村賢太さん(2月5日、54歳)自身の体験をもとにした私小説で知られ、「苦役列車」で芥川賞を受賞した作家。西村さんは中学校を卒業後、アルバイトをしながら生活していましたが、大正時代の私小説作家、藤澤清造(※)の作品に出会ったことをきっかけに執筆活動を始め、2004年に作家としてデビューしました。私小説にこだわり、自身の生い立ちや心情をユーモアを交えながら率直に投影した作品を書き続け、2007年には「暗渠の宿」で野間文芸新人賞を受賞。2011年には、人生の目標を失った若い男性が孤独や劣等感にさいなまれる姿をリアルに描写した作品、「苦役列車」で芥川賞を受賞し、その際の記者会見での気負わない言動も話題となりました。テレビやラジオでも活躍し、執筆活動では最近まで小説やエッセーなどを発表していました。(※「清」は月の部分が円)
西郷輝彦さん(2月20日、75歳)甘いマスクと哀愁を感じさせる独特の雰囲気で一躍、人気を集め、橋幸夫さん、舟木一夫さんとともに昭和歌謡の「御三家」と呼ばれて一世をふうび。「星のフラメンコ」などのヒット曲を連発し、俳優としてもテレビや映画、舞台で活躍しました。2011年に前立腺がんと診断されて手術を受け、その6年後には再発したことを公表。2021年には、がんの治療のためにオーストラリアを訪れ、同じ病気の人を励ましたいとその様子を動画配信プラットフォームで公開していました。
西村京太郎さん(3月3日、91歳)「十津川警部」が活躍するトラベルミステリーなどで人気を集めた推理作家。「寝台特急(ブルートレイン)殺人事件」で、鉄道をトリックに使うトラベルミステリーのジャンルを開拓しました。全国各地の駅や列車の名前が登場し、警視庁の十津川警部が活躍するシリーズが人気となり、多くの作品がテレビドラマ化されました。1981年の「終着駅(ターミナル)殺人事件」で日本推理作家協会賞、2005年に日本ミステリー文学大賞、2019年には「十津川警部シリーズ」で吉川英治文庫賞を受賞しました。
山本圭さん(3月31日、81歳)テレビドラマ「若者たち」や「ひとつ屋根の下」などで活躍した俳優。シェークスピア劇など硬派な舞台俳優としての顔も持ちながら、若者向けの人気ドラマでも悪役や父親役などを幅広く演じ分け、演技派として知られました。1966年の青春ドラマ「若者たち」では理屈っぽい三男を演じ、脚光を浴びました。また、「若者たち」はドラマ終了後に映画版が3作品製作され、1967年には毎日映画コンクールで山本さんが男優助演賞を受賞しました。
藤子不二雄Aさん(4月7日、88歳)
「忍者ハットリくん」「怪物くん」「プロゴルファー猿」など数々の人気作品を世に出した人気漫画家で、漫画家コンビ、藤子不二雄の一人。1954年に上京し、手塚治虫さんや石ノ森章太郎さん、赤塚不二夫さんらとともに「トキワ荘」の住人となりました。1964年に連載を始めた「オバケのQ太郎」は大ヒット、「魔太郎がくる!!」「笑ゥせぇるすまん」といったブラックユーモアものを得意とし、ギャグから劇画まで幅広いジャンルを手掛けました。2005年に日本漫画家協会賞文部科学大臣賞、2008年には旭日小綬章を受けました。
イビチャ・オシムさん(5月1日、80歳)2003年に来日し、J1市原(現J2千葉)監督を経て、2006年から日本代表を指揮しました。現役時代FWで母国やフランスのクラブでプレー。旧ユーゴスラビア代表の一員として64年東京五輪に出場し、引退後は世界各国で指導者として活躍しました。2007年11月、脳梗塞で倒れて日本代表監督の退任を余儀なくされましたが、その後は母国であるボスニア・ヘルツェゴビナ協会の正常化などに尽力し、2014年のW杯初出場を実現させました。
渡辺裕之さん(5月3日、66歳)
CM出演などで芸能生活をスタートさせ、1982年に、出演した大正製薬「リポビタンD」のCM内の「ファイトー! イッパーツ!」のキャッチフレーズが人気に。同年映画「オン・ザ・ロード」で俳優デビュー、翌年には映画「だいじょうぶマイ・フレンド」に出演しました。アクション俳優としても人気を博し、2007年には映画「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」に、シリーズ史上最高齢(当時51歳)となる仮面ライダーとして出演、また1986年からドラマ「嵐シリーズ」の「愛の嵐」「華の嵐」「夏の嵐」に出演し、二枚目俳優としても活躍しました。
上島竜兵さん(5月11日、61歳)
俳優養成所などを経て、1985年に肥後克広、寺門ジモンとお笑いグループ「ダチョウ倶楽部」を結成して活動したお笑いタレント。新語・流行語大賞に選ばれた「聞いてないよォ」や「ヤー!」などのギャグと体を張った明るいリアクション芸で親しまれ、バラエティ番組などで活躍しました。また、俳優としてテレビドラマに出演するなど活動の幅を広げ、テレビ番組やイベントに出演していました。
河村亮さん(5月14日、54歳)日本テレビのアナウンサーで、1991年に入社した後、プロ野球中継や箱根駅伝などのスポーツ実況で実績をつみ、バラエティ番組でも活躍しました。1994年に初めてプロ野球実況を務めた際は巨人元木、岡崎、大久保の3連続ホームランも伝えました。自身が直接向かえない巨人のビジター遠征先での出来事を選手やコーチ、番記者にも聞き回るなど取材熱心なことでも知られ、選手らとの信頼関係も厚かったそうです。
ターザン後藤さん(5月29日、58歳)FMWやIWAジャパンなどさまざまな団体で活躍したプロレスラー。1989年に大仁田厚の勧誘でFMW入り、1990年8月に行われた最初の「ノーロープ有刺鉄線電流爆破マッチ」で戦いました。また、「鬼神」の異名を取り、デスマッチファイターとして人気を博しました。1990年8月に汐留で行われたノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチは、その年のプロレス大賞の年間最高試合賞を受賞。その後もインディーの舞台で活躍しました。
升田尚宏さん(6月9日、55歳)1989年にNHKに入局後、1994年にTBSに中途入社した元アナウンサーで同社局員。スポーツ番組でキャスターや実況を務めたほか、報道やバラエティ番組、ナレーションと幅広く活躍しました。2006年10月に始まったTBSラジオ「木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき」のナレーションを番組当初から担当し、アナウンスセンターを離れた後も、継続して担当していました。
渡辺宙明さん(6月23日、96歳)「マジンガーZ」「秘密戦隊ゴレンジャー」など、数々のテレビアニメや特撮作品の音楽を手掛けた作曲家。「野球狂の詩(うた)」などのアニメから「人造人間キカイダー」「宇宙刑事ギャバン」といった特撮ヒーロー物まで、数多くの作品で作曲を担当。映画やドラマ、CM音楽も手掛け、幅広いジャンルで活躍しました。2021年にはスーパー戦隊シリーズ「機界戦隊ゼンカイジャー」の音楽を担当するなど、晩年まで現役で精力的に活動していました。
葛城ユキさん(6月27日、73歳)
天を突き抜けるハスキーボイスで魅了した名歌手。1983年に独特のハスキーボイスで歌唱する「ボヘミアン」が大ヒットし、1986年には日本人女性ロック歌手として初の中国公演を成功させ、3日間で3万人を動員しました。その後、何度も中国で歌唱していました。96年には松竹映画「必殺~主水死す~」のエンディング曲「哀しみは花びらにのせて」を歌唱。定例のライブツアーのほか、最近はディナーショーも開催するなど音楽活動の幅を広げていました。
佐野浅夫さん(6月28日、96歳)人気テレビ時代劇「水戸黄門」の3代目黄門役で知られた俳優。数多くの舞台や「地の群れ」「ビルマの竪(たて)琴」などの映画、NHK連続テレビ小説「藍より青く」などのドラマに出演しました。1993年から2000年まで TBS系の時代劇「水戸黄門」に主演した際には、初代や2代目とは趣の違った、人情味あふれる「黄門様」の演技で親しまれました。
野村昭子さん(7月1日、95歳)「渡る世間は鬼ばかり」や「家政婦は見た!」などで名脇役として親しまれた女優。「渡る世間は鬼ばかり」には、1998年10月から放送された第4シリーズから出演し、山岡久乃さんが演じた節子の友人タキ役で登場しました。制作会見では、「71歳でこんな大役がいただけてうれしい」と喜んでいたそう。「家政婦は見た!」では、市原悦子さん演じる家政婦の紹介所の会長を演じるなど、快活な演技やキャラクターで見る者を楽しませました。
山本コウタローさん(7月4日、73歳)
「走れコウタロー」などのヒット曲で知られる歌手。1974年に発表した「岬めぐり」がヒットしたほか、1980年以降はテレビやラジオで司会やコメンテーターを務めるなど活動の幅を広げました。また、環境問題への造詣が深いことでも知られ、栃木県の白鴎大学で30年以上にわたって社会学や環境問題について講師や教授を務めました。
高橋和希さん(7月6日、60歳)人気漫画「遊☆戯☆王」の作者である漫画家。「遊☆戯☆王」シリーズ累計発行部数は4000万部を超え、テレビアニメや映画化もされるなど大ヒットとなり、高橋さんの代表作となりました。さらに、作品に登場したカードゲームをモチーフにしたカードゲームは、各地で大会が開催されるなど世界的な人気となり「世界で最も販売枚数の多いトレーディングカードゲーム」としてギネス記録にも認定されました。
安倍晋三さん(7月8日、67歳)
首相に2度就任し、在職期間は連続2822日、通算3188日と、いずれも憲政史上最長を更新した政治家。大規模金融緩和を柱とする経済政策「アベノミクス」の推進や、集団的自衛権の限定行使を認める安全保障法制の整備など、内政・外交両面で大きな足跡を残しました。
小泉純一郎元首相の政権下では、北朝鮮による日本人拉致問題への取り組みで頭角を現し、党幹事長や官房長官を歴任。2006年9月に戦後最年少の52歳で首相に就任しましたが、持病の潰瘍性大腸炎の悪化などもあり、わずか1年で退陣しました。自民党が野党時代の2012年9月に党総裁で返り咲くと、同年12月の衆院選で旧民主党から政権奪還、これを含め衆参両院の国政選挙で6連勝し、首相官邸主導の「安倍1強」体制を確立しました。在任中は、消費税率10%への引き上げを実現。2019年5月の令和改元や、2021年に開催された東京五輪・パラリンピックの招致にも携わりました。
島田陽子さん(7月25日、69歳)映画「犬神家の一族」やアメリカのドラマ「将軍 SHOGUN」など、数多くの作品に出演した俳優。1971年にドラマ「続・氷点」でヒロインを演じて一躍、人気俳優となりました。その後も、映画「犬神家の一族」やドラマ「白い巨塔」など数多くの作品に出演し、凛とした美しさで存在感を示しました。1980年には、アメリカのテレビドラマ「将軍 SHOGUN」に出演、ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞するなど、国際的にも活躍しました。
石濱朗さん(7月26日、87歳)1951年に一般応募した映画「少年期」の少年役に選ばれて主演デビューした俳優。松竹専属となり、中村登監督「波」、小林正樹監督「息子の青春」「切腹」「人間の条件」、渋谷実監督「青銅の基督」など多数の作品に出演しました。「伊豆の踊り子」では、美空ひばりさんとも共演しました。
小林清志さん(7月30日、89歳)
「ルパン三世」の「次元大介」の役などで知られる声優。大学時代から俳優として活動したあと、声優としてデビューし、「妖怪人間ベム」のベム役など数多くのアニメや映画の吹き替えなどで声優を担当しました。1971年からテレビ放送が始まったアニメ「ルパン三世」では、射撃の名手の「次元大介」役を渋さの中にも温かみのある声で演じて親しまれました。ほかの声優が世代交代していく中、作品唯一のオリジナルキャストとしておよそ50年にわたって次元大介役を演じ続けましたが、2021年に「ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ」というコメントとともに、声優の交代を発表。その後も、テレビ番組のナレーションなど7月上旬まで活動を続けていました。
大竹宏さん(8月1日、90歳)「もーれつア太郎」のニャロメ役などの声で親しまれた声優。明るい高音声域を生かし「キテレツ大百科」のガキ大将ブタゴリラ役、「Dr.スランプ アラレちゃん」のニコチャン大王、「マジンガーZ」のボス役などで活躍しました。子ども番組「ママとあそぼう!ピンポンパン」ではカッパのカータンを着ぐるみで演じ、お絵描きや歌も披露。2015年には第9回声優アワード「功労賞」を受賞しました。
清川元夢さん(8月17日、87歳)「新世紀エヴァンゲリオン」冬月コウゾウ役などで知られる声優。1957年に俳優座養成所に入所し、1968年に俳協に所属。舞台出演の一方で声優としても活動し、アニメ黎明期から庵野秀明監督作品まで、幅広い役柄を演じました。庵野監督作品では「ふしぎの海のナディア」ガーゴイル役をはじめ、「新世紀エヴァンゲリオン」冬月コウゾウ役で知られました。冬月役は、2021年公開のシリーズ完結作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」まで全うしました。
古谷一行さん(8月23日、78歳)
横溝正史原作の金田一耕助シリーズなど、多くのドラマや映画で味わい深い演技を見せた俳優。中央大学法学部在学中に俳優座の研修生となり、1977年に横溝正史シリーズで演じた金田一耕助役が当たり役に。不倫を題材にした1983年のTBS系「金曜日の妻たちへ」、1997年の日本テレビ系「失楽園」での色気あふれる演技は、世の女性に「相手役を代わりたい」と言わしめるほどでした。近年は2017年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」に出演、2021年公開の映画「おもいで写眞」が遺作となりました。
ミハイル・ゴルバチョフさん(8月30日、91歳)(写真:Getty)
ソヴィエト連邦最後の最高指導者で、冷戦を平和的に終結へと導いた政治家。1985年にソ連のトップとなり、ソ連を世界に開くとともに、国内でもさまざまな改革を実施しました。ゴルバチョフ氏が推進した「グラスノスチ(情報公開)」により、ソ連国内ではそれまで考えられなかった政府批判が可能となり、また外交面ではアメリカと軍縮条約を結んだほか、東欧諸国で共産主義の指導者への反発が高まった際に介入を拒否しました。1990年には「東西関係の急激な変化で主要な役割を果たした」としてノーベル平和賞を受賞。1991年にロシア連邦が誕生すると政界から身を引き、教育や人道プロジェクトに注力しました。
エリザベス2世(9月8日、96歳)(写真:AP/アフロ)
君主として歴代最長となる70年にわたって在位してきたイギリスの女王。エリザベス女王は、1926年4月、ジョージ6世の長女として生まれ、1952年、国王の死去に伴って、エリザベス2世として25歳で、王位を継承しました。2015年には、19世紀のビクトリア女王を抜いてイギリスの君主として在位最長を更新、2022年6月には、在位70年を記念する祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が盛大に行われるなど、イギリスの統合を象徴する存在として敬愛されてきました。また、ソーシャルメディアを活用して、国民とコミュニケーションを積極的にはかる姿勢を打ち出し「開かれた王室」を実践。新型コロナウイルスの感染が拡大し、社会に不安が広がった際には、テレビ演説で連帯を呼びかけるなど、国民に寄り添ってきました。
三遊亭円楽さん(9月30日、72歳)テレビの演芸番組などで長年活躍した人気落語家。早くから話芸が高く評価され、27歳の時に「笑点」のメンバーに抜てきされると、毒舌のキャラクターで親しまれ、中でも桂歌丸さんとの掛け合いは長年にわたり番組の名物となりました。テレビでの活動とともに、精力的に独演会を重ね、古典落語を独自にアレンジした演目などで人気を集めて31歳で真打に昇進。その後、先代の引退を受けて、還暦を迎えた2010年に、六代目「三遊亭円楽」を襲名しました。2018年には初期の肺がんであることを公表、その翌年には脳に腫瘍が見つかるなど、治療を続けながら入院と高座への復帰を繰り返していました。
アントニオ猪木さん(10月1日、79歳)
国会議員としても活動した元プロレスラー。17歳でプロレス界に入ったあと、同時に入門したジャイアント馬場さんとタッグを組み人気を集め、1972年には「新日本プロレス」を立ち上げ、プロレス界をけん引しました。プロレスラーとしては「卍固め」や「延髄斬り」など多様な必殺技を繰り出して数々のタイトルを獲得。藤波辰爾さんや長州力さん、それに初代タイガーマスクの佐山聡さんなど数々のトップ選手を育てました。1期目の参議院議員だった1990年12月には、湾岸戦争の危機に直面していたイラクでプロレスやコンサートなどのイベントを開き、現地で人質となっていた日本人の解放に貢献。さらに1995年4月には北朝鮮でもプロレスのイベントを開き、2日間でおよそ38万人の観客を動員したとされています。また「1、2、3、ダー!」とか「元気ですかー!」といった独特のせりふも有名で、赤いタオルやマフラーを首にかけた「燃える闘魂」の異名でも親しまれました。
近石真介さん(10月5日、91歳)人気アニメ「サザエさん」で「マスオさん」役の初代の声優を務め、テレビのバラエティ番組のナレーションなどでも親しまれた声優。 1950年代に俳優として舞台デビューした後、声優としても活動。1969年にスタートした民放の人気アニメ「サザエさん」では、「フグ田マスオ」役の初代の声優としておよそ10年間務めました。また、1973年から放映されたNHKの連続人形劇「新八犬伝」でも声優を務めたほか、「猿の惑星」など海外映画の吹き替えなども数多く担当しました。
仲本工事さん(10月19日、81歳)「ザ・ドリフターズ」のメンバーとして活躍したタレント。1965年にいかりや長介さんをリーダーとする「ザ・ドリフターズ」に参加し、翌年にはビートルズの来日公演の前座でリードボーカルとして「ロング・トール・サリー」を歌い注目を集めました。1969年に「8時だョ!全員集合」が始まるといかりやさん、加藤茶さんや高木ブーさん、志村けんさんらとともに数々のコントを披露。国民的な人気を博し、仲本さんも中学生の頃に始めた体操を取り入れたコントなどで人気を集めました。その後もミュージシャンとしてライブなどの音楽活動を行ってきたほか、俳優としてドラマや舞台に出演するなど幅広く芸能活動を続けていました。
村田兆治さん(11月11日、72歳)
「マサカリ投法」と呼ばれるピッチングフォームで通算215勝をあげたプロ野球ロッテの元投手。引退後は、プロ野球の評論活動のほか、野球教室や野球大会を全国で開催して子どもたちの挑戦を後押しする活動を精力的に行っていました。出身の広島県内でも張本勲さんや山本浩二さんなどと野球教室を開催して、60歳を超えても往年のフォームを披露し、130キロ近いボールを投げて手本を見せるなど、子どもたちに野球の魅力を伝え続けました。 1994年には、当時の広島県本郷町の名誉町民に選ばれ、合併後は三原市の名誉市民となっています。
崔洋一さん(11月27日、73歳)「月はどっちに出ている」や「血と骨」などの作品で知られる映画監督。大島渚監督の映画「愛のコリーダ」の助監督などを務めたあと、1983年に「十階のモスキート」で劇場映画の監督としてデビューしました。1993年、在日コリアンのタクシー運転手を主人公に、日本に住む外国人などの姿を描いた「月はどっちに出ている」で注目を集め、ビートたけしが主演を務めて2004年に公開された映画「血と骨」では、日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。また2004年から2022年まで、日本映画監督協会の理事長を務めました。
渡辺徹さん(11月28日、61歳)
テレビや映画などで幅広く活躍した俳優。渡辺徹さんは茨城県の出身で1980年に文学座の研究所に入り、翌年には民放の人気ドラマ「太陽にほえろ!」で刑事役としてデビューし、人気を集めました。1987年にはテレビドラマ「風の中のあいつ」で共演した榊原郁恵さんと結婚。おしどり夫婦としても知られ、親しみやすい人柄で司会者やタレントなどとしても幅広く活躍しました。
水木一郎さん(12月6日、74歳)
「マジンガーZ」など数々のアニメの主題歌を歌い、「アニメソングの帝王」とも呼ばれた歌手。「マジンガーZ」の主題歌は70万枚を売り上げる大ヒットとなったほか、「バビル2世」、「宇宙海賊キャプテンハーロック」など人気アニメの主題歌や特撮ソングを数多く歌い、ファンからは「アニメソングの帝王」、「アニキ」などと呼ばれ、親しまれました。また、日本のアニメが人気のフランスや中国など海外でも活躍し、2010年には「上海国際博覧会」でライブをしました。所属事務所によると、水木さんは2021年4月以降、治療とリハビリをしながら、精力的に音楽活動を続け、11月27日にもライブをしていました。
佐藤蛾次郎さん(12月10日、78歳)映画「男はつらいよ」シリーズにも出演した俳優。「男はつらいよ」シリーズでは、渥美清さんが演じた主人公・寅次郎の弟分・源吉役を演じ、源公、源ちゃんとして親しまれました。ほかにも、印象的なヘアスタイルやヒゲをトレードマークに、名脇役として多数の映画・ドラマ・舞台で活躍。時代劇から現代劇まで幅広いキャラクターを担い、近年では、2020年公開の映画「罪の声」に出演していました。
笠浩二さん(12月14日、60歳)「Romanticが止まらない」などのヒット曲で知られるバンド「C-C-B」のドラムでボーカル。1985年リリースされた「Romanticが止まらない」では、ドラムながらボーカルを務める斬新なスタイルで一世を風靡し、日本レコード大賞を受賞しました。1989年にバンドを解散したあとはソロアーティストとして音楽活動を続けながら、テレビのCMやバラエティ番組などにも出演。近年は熊本県の南阿蘇村に移住し、熊本地震の際には、復興応援プロジェクトの発起人にもなるなど精力的に活動していました。
あき竹城さん(12月15日、75歳)数多くの映画やテレビドラマ、バラエティ番組などに出演し、温かみのある山形弁の語り口で親しまれた俳優。あきさんは山形県出身で、中学校を卒業したあと上京して映画やテレビに出演するようになり、1983年には今村昌平監督の映画「楢山節考」に出演し、その演技が高い評価を受けました。明るく飾らない人柄で、「秘密のケンミンSHOW」などバラエティ番組でも活躍。所属事務所によると、あきさんは約2年前から闘病していたものの、「元気なあき竹城でごあいさつしたい」という本人の希望もあり、公表せずに治療を続けてきたということです。

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